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アリアンロッド2E 上級クラス プリーストの道


1. 初めに

 お久しぶりです。上級クラスの記事のプリースト編になります。
 これまでウォーリアの上級クラス、ウォーロードとナイトについて紹介しましたので、順番的に次はアコライトになります。パラディンとプリースト、どちらから書くか迷ったのですが、以前にパラディンのへんてこな記事を書いたので、プリーストからにしようと思います。
 例の如く、本記事は正解を書いているわけではない、というかそもそも正解はないので、参考程度に使ってやってください。


2. プリーストを選ぶ

 改めて、プリーストはアコライトの上級クラスで、CL10で転職可能になります。2つあるアコライトの上級クラスのうち、支援に秀でたのがこのクラスになります。
 アコライトの最も大きな役割である回復と軽減を順当に強化していくことができる癖のないクラスとなっているため、どんなビルドのアコライトでもプリ―ストを選んで損をすることは基本ありません。
 強いて言うならプリーストは支援・後衛向きとなりますので、自分から殴るアタッカーや前衛のキャラクターはパラディンを選んだ方が良い可能性があります。


3. プリーストの型

 このシリーズのフォーマット上この項目を作っていますが、プリーストに型らしい型はあまりありません。その代わり、そのキャラクターで14レベルまで遊ぶ予定があるかどうかを一番最初に確認しなければなりません。何故なら、プリーストの核となる《バリア》《ラース》といったスキルが両方リミットスキル(他のスキルのSL5を前提とするスキルを筆者のグループではこう呼んでいる)に当たるからです。CL14に到達する場合はそれらのリミットスキルの取得を目標に成長させ、そうでない場合は必要なスキルを場当たり的に取得していくことになります。
 本記事では、軽減の強い「バリア型」とパーティ火力底上げ「ラース型」を最初に紹介します。その後、《バリア》や《ラース》以外のプリーストの全スキルについてコメントしていきます。CL13以下で終了する場合は、3-1. 共通と4. その他スキルの部分を参考にしていただければと思います。

3-1. 共通

 プリーストのキャラクターを作る際に、どの型でも共通する内容について話します。

  • 《ハイプロテクション》
     どんなビルドをするにしても、プリーストに転職したらこのスキルは1レベルは取りましょう。なんと言っても1レベル目のコスパが異常です。2レベル以降は《バリア》を目指すなら必須ですし、別に《バリア》を急がなくても、取りたいものがなければ雑に伸ばしているだけで相当強いです。
     もう一方の上級クラスであるパラディンには範囲を軽減する《ワイドプロテクション》があるので、これがないと軽減性能はパラディンに劣ってしまい、やはり1レベルは必須と言わざるを得ません。

  • 《ディバインフォース》
     ラース型火力上昇のタイミングが被ってしまいますが、アコライトにはなかった火力系必殺技を持てるスキルです。効果量だけ見れば《ボルテクスアタック》《リゼントメント》に劣りますが、このスキルは好きな味方に撃てる上、範囲攻撃と併せて使うことができるため、こちらに軍配が上がる場合も多いでしょう。ウィザードやエクスプローラーの多エンゲージ攻撃に使うのがポピュラーです。
     転職してすぐと言うほど急ぐ必要はありませんが、いずれ必要になります。

  • 《トリートフォース》
     ラウンド1回だけ誰にでも使える《インデュア》。《死の咆哮》等によるBS(バッドステータス)ロックから味方を救い、パーティの動きやすさが格段に上がります。単純に《キュア》の1手番を無から生み出せるスキルなので取らない理由が必要です。

  • 必要能力値
     MPを補強し、交渉・状態異常抵抗等でも有用な【精神】の価値が高く、次点で耐久・移動力・装備上限等を上げる【筋力】がオススメです。残りはビルドやパーティとの相性を見て割り振っていきましょう。

3-2. バリア型

 バリア型は最もスタンダードな型です。枠にも余裕があり、ラース型とは違ってリミットスキルを取るまでの苦難も特にないため、非常に使いやすい型になります。

  • 《ハイプロテクション》5
    └《バリア》

     前提となる《ハイプロテクション》を最速でSL5にし、CL14で《バリア》を取得します。軽減は通常の《プロテクション》に加えて+20、更に防御中1回が撤廃されるため、もはやエネミーの《連続攻撃》等もそれほど大きな脅威ではなくなります。どうしても軽減が範囲化できない部分をカバーしない鉄壁キャラがしたい場合は、《ホーリーオーダーⅢ》で隙を消すことができます。

スキル取得の例(バリア型)
10レベル:転職、ハイプロテクション1、ディバインフォース
11レベル:ハイプロテクション2、トリートフォース
12レベル:ハイプロテクション3
13レベル:ハイプロテクション4
14レベル:ハイプロテクション5、バリア
※空いた枠にはその他スキルを詰めていきます。

3-3. ラース型

 ラース型はCL13までは多くのスキル枠を腐らせる代わりに、CL14で一気に爆発する大器晩成型です。これだけ聞くとCL13まではとても弱く感じてしまいますが、実際のところそうでもありません。確かに他のクラスで何枠も上級スキルが腐ってしまうと成り立ちませんが、アコライトは上級になっても基本動作は変わらず、《プロテクション》と《ヒール》をしていれば活躍できるため、それほど大きな問題にならないのです(当然他のプリ―ストよりは弱くなります)。
 注意点として、CL15以上のレベルまで到達するようになるならば、《バリア》の存在も無視できません。敵の攻撃が苛烈になる中で、バリア型の《プロテクション》の鉄壁さ、パラディンの前衛でのダメージコントロール力と比較した時に、本来の防御面で貢献ができなくなってしまうからです。そうなるとかなりスキル枠がカツカツになることも覚えておきましょう。

  • 《ビジテイション》5
    └《ラース》

     前提となる《ビジテイション》を最速でSL5にし、CL14で《ラース》を取得します。《ビジテイション》はなんと5係数で万能ダメージ上昇をする超火力バフスキルであり、使用回数に制限がありません。あの《コンパイル:ブースト》をも過去にしてしまう調整ミススキルですが、特定の種族にしか効かないという大きな弱点を抱えています。その種族が出ない時は《ビジテイション》は完全に腐ってしまうのです。
     この大きな弱点を取っ払うのが《ラース》です。何故かわかりませんがおまけで2点のダメージもついてきます。自分が立っている必要はあるものの、ここまで来ると素晴らしい取り回しと超出力で、火力バフとして他の追随を許さない異次元のレベルに到達します。

スキル取得の例(ラース型)
10レベル:転職、ビジテイション1、ハイプロテクション1
11レベル:ビジテイション2、ディバインフォース、トリートフォース
12レベル:ビジテイション3
13レベル:ビジテイション4
14レベル:ビジテイション5、ラース1
※空いた枠にはその他スキルを詰めていきます。

スキル取得の例(ラース型)※CL15以上まで遊ぶ場合
10レベル:転職、ビジテイション1、ハイプロテクション1
11レベル:ビジテイション2、ハイプロテクション2、ディバインフォース
12レベル:ビジテイション3、ハイプロテクション3、トリートフォース
13レベル:ビジテイション4、ハイプロテクション4
14レベル:ビジテイション5、ラース1、ハイプロテクション5
15レベル:バリア1
※空いた枠にはその他スキルを詰めていきます。


4. その他スキル

 ここまでプリーストの2つの型を紹介して、スキル取得の例を示しましたが、そこに空白を多く設けていました。それは、プリーストには他のクラスと比べて急ぎで欲しいスキルが多くないためです。そのため、この後の項目を確認しながら、自分のプレイスタイル・キャラクタービルドと合うスキルを取得していきましょう。

4-1. 誰でも強いスキル

  • 《ヒールオール》
     プリーストに許された超範囲回復スキル。味方全員を回復できるので立て直しに最適です。また、タイミングが優秀であるため、《クイックヒール》と一緒に使えるのも覚えておきましょう。

  • 《ヒールライズ》
     プリーストに許された超出力回復スキル。回復量はほぼ倍です。これもまた「タイミング:効果参照」とイカレたことが書かれているので前述の《ヒールオール》と同時に使えば、ちょっと弱い《蘇生》のような使い方ができます。
     《ヒール》に限定しないため、《サモン:シームルグ》の範囲回復とも併用できますし、そもそも回復スキルを撃つキャラクターは自分である必要すらありません。
     前衛の耐久確定数を変えることができるスキルであるため、必須スキルの項目に混ぜるか非常に悩んだスキルです。《ヒールオール》と迷うならこちらを優先しましょう。

4-2. 有用なスキル

  • 《シーリィ》
     自分以外のダメージ10係数スキルです。1ラウンドで1回クリティカルすれば、2回攻撃が普通になる上級クラスでも5係数相当のスキルとなり、それだけで十分と言えるでしょう。さらに2回以上クリティカルが発生するようなら、GMは真っ白な顔でダメージを聞くことになります。
     攻撃回数と命中ダイスが多いスカウト等と相性が良いですが、アタッカーの命中ダイスが少ないパーティならやはり下振れやすいので、パーティとしっかり相談しましょう。

  • 《スピリチュアルウェポン》
     1枠10点でセットアッププロセスで使えるので、セットアッププロセスが空いているキャラクターなら何も考えずに取得してしまってもいいでしょう。《フェイバード》のような1ラウンド目だけセットアッププロセスを使うビルドのキャラクターでも取得候補に入ります。
     クライマックス用に1レベルだけ取得するのも、ミドルもどんどん使うメインスキルとしてSLを伸ばしていくのも悪くありません。

  • 《トランセンド》
     ミドルフェイズの判定でも火を吹くスキルです。このゲームの判定の難易度は基本公開されているので、後だしで腐ることがないのが強みです。
     そして、真の強さは戦闘中でもミドルフェイズでも、このスキルを保険にすることで、判定前に不要なフェイト使用等を抑えることでリソースが温存できることにあります。

  • 《パリペイティア》《プリペアード》
     フェイト1点が必要になりますが、味方にも敵にも使えるので用途はかなり多いです。強いシーンとして《インターフィアレンス》のような絶対成功した判定のリカバリ、敵のクリティカル等の例が挙げられます。他にも用途はたくさんあるので、1枠空いたら詰め込んでみてもいいかもしれません。

  • 《マンテレット》
     大変珍しい先に置いておける軽減スキル。1度で消えてしまいますが、余った手番で先出で30点回復を置いておけると考えるだけでもそれなりに強そうに感じます。受け札以外のメジャーアクションになるので、《ヒール》《レイズ》以外にメジャーアクションでやることがないなら持っておいても損はないでしょう。

  • 《リデュース》
     かなりどこに置くか迷ったスキルです。範囲軽減の撃てないプリーストにとってこのスキルは範囲攻撃対策として有効な手段と言えます。ただし、敵の振るダイス自体を減らす効果ですので、2Dしか振らない相手にはほとんど効果がありません。卓環境を見て、敵がダイスをたくさん振ってくるようなら取得に踏み切っても良いですが、SLの伸ばしすぎには気を付けておく必要があります。

4-3. 下級スキルを強化するスキル

  • 《セイントブレッシング》
     下級で《ブレッシング》、それから《グローリー》を取得していないと運用は不可能と言えます。セットアッププロセスが全くないビルドなら選択肢の1つになります。上級はエクスプローラーの回避判定に加え、《インターフィアレンス》等の撃ち落とし、《アベンジ》《ディフェンスライン》等のリアクションもあるので、《ブレッシング》を欲しがる味方は多いはずです。

  • 《パトロナイズ》
     前提となるスキルは効果文面上は不要なのですが、これを活かすにはかなりの下準備が必要です。アコライトは基本的に【知力】が不要なクラスであり、かつ上級帯の命中にちょっとやそっと判定強化スキルを盛ったところで意味はありません。
     使用するなら《スロー》や魔法攻撃を活かせるメイジ型やエネミー識別をするセージ、《アンプロンプチュ》による特大判定が狙えるバード等があります。かなり特化していないとエクスプローラー基準の命中を撃ち落とすのは不可能なので覚悟しておきましょう。

  • 《ホーリーアシスト》
     《ホーリーウェポン》or《ホーリーワード》と《ホーリーアーマー》を両方使う上に効果量も上げるアコライトの上級らしいスキル。効果は強いのですが、プリーストの【行動値】まで味方が固まっていない場合が多いので、《マジックブラスト》を使用しても一気にバフを巻けないのが辛いです。一度にバフを巻きたい場合は《カリキュレイト》や《エンカレッジ》等を準備した上で、各味方の手番まで密集していることを許容できる立ち回りを意識しましょう。
     個人的には《ファストドロウ》《リミットブレイク》《ダブルキャスト》ができるソーサラーの方が同じようなことができて使用感が良かったです。

  • 《ポストヘイスト》
     コストは重いですがパーティの初動を一気に加速させることができ、払ったコスト以上の効果を実感できると思います。SLはパーティの傾向と相談で、密集しやすいなら伸ばしていっても良いでしょう。有効に活用するならそれなりのレベルの《ヘイスト》が必要となります。

  • 《ディバインライト》《ライトバースト》《ホロウライト》
     効果自体は相当強いのですが、プリーストの魔法アタッカーは係数の高いバフを自身が受けられないと言うこともあり、どうしても微妙な立ち位置になってしまいます。どこまでいってもプリーストのアタッカー適正のなさから目を逸らすことはできません。

4-4. 優先度が落ちるスキル

  • 《イレイスマジック》
     特定のネームドエネミー等に挑むことがわかっている場合等の所謂ピンポイントメタスキルで、超極稀にある詰みの盤面がひっくり返せるスキルではありますが、状況が限定的すぎるのでよっぽど暇じゃない限りは不要です。

  • 《キュアオール》
     アコライトの基本メジャーアクションは《ヒール》です。そのため、《キュア》はそもそも打つ機会が少ないです。また、《ヒール》も《キュア》も受けの対応札となり、《ヒール》を撃たなくていい場面は《キュア》も不要であることが多く、《トリートフォース》もあるプリーストには撃ち分けスキルとしても微妙と言わざるを得ません。
     撃ち分けで持っていくなら、能動的なバフ(アコライトなら《ホーリーウェポン》や《インボーク》等)を持っておく方が良いでしょう。

  • 《デボジション》
     色々書いていますが、適用範囲は《ヒール》と魔法攻撃です。《ヒール》なら《ヒールライズ》に勝っている要素は何一つありません。重ね掛けできるのでそこに価値を見出せるかどうかでしょうか。
     《ディバインライト》の項目でも話しましたがプリーストのアタッカー自体が苦しい存在ではありますが、瞬間火力が出せるこのスキルは《ヒール》の合間に1回殴れれば上出来な魔法アタッカーとの相性は良いと言えます。

  • 《フリップフロップ》
     稀に《ヒール》より効果が高くなることがあるスキルですが、汎用性が低く、《ヒール》で良い場面が多すぎる関係でわざわざこれを取る必要はない気もします。

  • 《ブレイクイビル》
     効果量は強いのですが、種族限定が厳しすぎることと《ビジテイション》のようにそれを取り払う効果がないのも痛いです。上級は防御を無視できる手段も増えることや、《ビジテイション》の方がタイミングもリミットスキルも優秀であることを考慮すると、このスキルの出番はあまりなさそうです。

  • 《メンタルリンク》
     MP総量は増えていないので正直微妙です。そもそもプリーストにMPの余裕はそこまでない上、自分より燃費の悪くなるウォーリアとシーフは大概前衛にいるため、「射程:至近」が致命的な欠陥になります。

  • 《キャストフォース》
     効果はトリッキーで特殊な戦法を組み立てられるので面白いスキルであり、ハマった時の強さも良い意味で未知数です。ただし、前提となる《テレポート》は使える場面が限定的であること、「射程:至近」という使いにくさ、《ヒール》とのメジャーアクション争い等を考慮すると、どうしても優先度は下がってしまいます。

  • 《リバイバー》
     強い《レイズ》です。これもどこに置くかかなり迷いました。
     《レイズ》の真の価値は何度も起こして耐え続けるゾンビ戦法と《蘇生》や《クイックヒール》と併せた立て直しです。そういう面で考えると、【精神】だけ【HP】が増えるのは《ベアハッグ》のような特殊タイミングでのHPロスの対策という部分のみの対策になります。しかし、ここにBS回復が入ってくるので[毒]や[衰弱]による着地狩りを防げるのを考えるとかなり価値は上がると言わざるを得ません。
     難しい戦闘をしているプレイ環境なら優先度は上がりますが、それほどしんどい戦闘をしない雰囲気なら全く不用なスキルになります。


5. 最後に

 ここまで読んでいただきありがとうございます。かなり間が空きましたがアコライトの上級クラスプリースト編でした。
 次回予定のパラディンの道については、変な趣味ビルドの記事を先に出してしまったのでなるべく間隔を空けないように出せればいいなと思っております。……なんですけど、上級クラスの記事は執筆カロリーがまあまあ高いので、間に裁定に関する雑記を投稿するかもしれません。
 いつもの「この記事は参考程度に見て欲しい」旨の注意は今回は省略します。この記事が上級クラスに踏み出さんとするアリアンロッドユーザーの一助になっていることを願いつつ、今回はここで筆を置きます。改めて、ありがとうございました。
2024/8/19

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