【初級編】戯書を解読してみようぜ!
・はじめに
はじめましてこんにちは、るーらるです。
辞書高翔の代表を務めています。
趣味に没頭していたら初記事を出すのが結構遅れました。いや〜日本史楽しい。
初記事何書こっかな〜と迷っていましたが、少し前に日本古典文学大辞典(名前の記憶が曖昧)を図書館でちらっと閲覧した際に、「戯書」というものを知ったことを思い出したので、それについて軽く書いてみます。
・戯書ってなんや
今回取り上げるのは②のほうです。
万葉集などに見られる文字の文学的用法のひとつであり、主に歌中に散見されます。
このうち特に技巧的であると認められたものを「戯書」といいます。
現代にも残る言葉遊びのうちだと、夜露死苦(ヨロシク)などに近いようなものですかね。
今回はそんな戯書を解読するにあたって、有名なものを1例引っ張ってきました。
少ねぇよって思うかもしれませんが1つでまあまあ書けたんで今回はこれだけにします。
・戯書を解読してみるのだ
今回はこいつ(下参照)を解読していきます。
漢字があまり好きじゃない友達に見せたら、ヤダヤダヤダーーって言いながら逃げていきました。
先に答えを言ってしまうと読み方は、「いぶせくもあるか」
一見、難解そうですが、カラクリは思ったより簡単です。(これは理解しやすいほう。)
では早速解読していきます。
まず、「馬聲蜂音石花蜘蟵荒鹿」の10文字を下のように「/」でカットして考えてみます。
馬聲(い)/蜂音(ぶ)/石花(せ)/蜘蟵(くも)/荒鹿(あるか)
カットした部分をそれぞれ考えます。
まず、「蜘蟵(くも)」と「荒鹿(あるか)」は良いですよね。そのまま読めますし。
次に、「石花(せ)」ですが、これは、『和名抄』石花・尨蹄子 和名:勢(セ)に因ります。
これより、「石花」で、せ。
ちなみにこの「石花」の「せ」は、カメノテのことを指します。(下参照)
また、『悪童記 : 短歌と随想』にある補足によると、「石花貝」は「せ貝」といい、その空になったものを「うつせ貝」と言うのだそう。
最後に、「馬聲(い)」、「蜂音(ぶ)」です。
先、「馬聲(い)」ですが、これは馬が「イ」と鳴くことに由来します。
現在は、「ヒヒーン」と表すのが一番よく耳にするかもしれませんが、古代人は「イ」や「イン」などと聞いたそう。
馬が鳴くことを、「嘶ばゆ(いばゆ)」と言うのもこれです。
もうひとつ、「蜂音(ぶ)」ですが、これはチョー簡単。羽音が「ブ」と聞こえるためです。
単純すぎてこれ以上書け(話を広げられ)ませんでした。許して。
これで、難解に見えた「馬聲蜂音石花蜘蟵荒鹿」は解読できました。
・さいごに
戯書、結構面白くないですか?
この、「うまくやれ」感がめっちゃ好きです。
他にも面白いものがまだまだたくさんありますが、ここではあえて紹介しません。また次の機会で紹介しようかなと。
まあでも、結構こじつけが過ぎるので初見で解読するのは相当難しそうですね…。
次の記事も戯書の続きを書こうと思ってるのでお楽しみに〜〜🍫