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はじめてのパワポ資料作成【第8回】「文章力」

資料作成において、デザインやイラストも大切ですが、中身の文章も同じか、それ以上に重要です。

特に、IT業界(特に、システム受託開発業界)では、無形サービスであるといった特徴から「言った」「言わない」が頻発しますし、設計書や議事録を見ても、「記載してあるといえばあるし、無いとも取れるような、、、」そういった非常に曖昧な資料が多いのも実状です。

本日は、そんな曖昧な成果物を生み出さないための、具体的な文章テクニックをお伝えします。

1┃文章を短くする

文字数のルールでも解説しましたが、文章は短ければ短いほどよいです。

極端な例ですが、次のような例です。

修正前)システム開発プロジェクトは、多くのステークホルダーが関係し、難易度が高くなることが多いため、業務知識が豊富で、十分な経験を持つプロジェクトマネージャを選任することが重要である。
修正例)システム開発プロジェクトでは、プロジェクトマネージャが重要である。

IT業界において、プロジェクトマネジメントが多くの困難を伴うことなんて、ほぼほぼ当たり前ですし、それをマネジメントする立場のPMに、業務知識や経験が求められることも当然です。

当たり前のことは、(何か意図がない限り)記載する必要はありませんので、思い切って短くしてみましょう。


2|強調語を多用しない

「かなり」「非常に」「相当」「すごく」「よく」・・・

これらはNGワードです。ビジネスシーンでは使いません。

これらの言葉は"程度"や”強調"の度合いを表す言葉なのですが、どれくらい強調しているか個人の感覚によります。

ビジネスの場で強調を表現するのであれば、定量的に数字を記載しましょう。

修正前)弊社のクラウドサービスはすごく好評いただいています
修正例)弊社のクラウドサービスは導入実績1万社です

同じ理由で、「基本的に」「原則」「比較的に」なども使いません。まずは、言い切ってしまい、例外があれば補足すればよいのです。

3|"響きのよい言葉"は説明する

ビジネスでよく使われる言葉の中には、"都合のよく解釈されやすい"言葉というものが存在します。

「据え付ける」「推進する」「連携する」・・・

特に、IT業界においては「コンサルティングにより顧客に据え付ける」「ソリューションを展開する」などの言葉もよく使われます。

これらの言葉は、響きはよいものの、その言葉そのものには、大して深い意味はありません。英語に変換して考えてみるとすべて「Do(~をする)」と言っている程度の意味になります。

こういった言葉は、内容を具体的に説明するようにしましょう。

そうしないと、大抵の場合、受け手の(都合の)よい意味で解釈され、そして、しばしば大きなトラブルに発展します。

例えば、ITシステム開発プロジェクトでは「システム展開を進めます」と言った言葉が普通に飛び交いますが、どうでしょうか。プロジェクトが進んだ後「実は、システムはソフトウェアの費用だけで、ハードウェアは含まれていませんでした」「導入するのは、親会社だけで、グループ会社までのシステム導入は考えていませんでした」・・・そんな認識違いは後を絶ちません。

このような事態を伏せぐためには、資料では、こういった言葉は使わない、もしくは、必ず補足することが大切です。

4|正確な表現を用いる

以下の文章は、実際に過去に私が見てきた文章です。いずれも言葉の使い方が不正確であったり、ビジネスシーンでは、不適切な表現ですので、注意しましょう。

修正前)対応に文句を言うお客様がいらっしゃった。
修正例)対応に不満を持つお客様がいらっしゃった。

「文句」という言葉にはマイナスの印象、批判的なニュアンスがあり、個人の主観的な考えが含まれています。ここでは「不満」の方が適当です。

修正前)弊社では個人情報を大切に保護しています。
修正例)弊社では個人情報を保持しません。

この2文は似ているようで、全く意味が異なります。前者は個人情報を保有しているため、そのセキュリティ対策を行わなければいけませんが、後者では、個人情報を保持しないことそのものが、セキュリティ対策になっています。

5┃修飾する言葉は、"近く"に配置する

以下のような例は、使用している単語は同じですが、配置する場所が異なります。

修正前)担当より、資料の詳細については、ご連絡いたします。
修正例)資料の詳細については、担当よりご連絡いたします。

後者の方がはるかに読みやすいはずです。修飾語など、関係のある言葉はできる限り近くに配置しましょう。

修正前)複雑な数字と文字の組み合わせたパスワードは、セキュリティ対策として、有効である。
修正例)セキュリティ対策として、複雑な数字と文字の組み合わせたパスワードが有効である。

修飾語ではなく、主語と述語を近くに配置するケースですが、考え方は同じです。主語は「パスワード」ですので、述語「有効である」の近くに配置しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

昨今のパワポはどうしてもデザイン重視になりがちですので、意識して文章を書くように、是非、日ごろから訓練しておきましょう。

例えば、

  • 主語・述語のつながりを確認する

  • 「て」「に」「を」「は」をチェックする

  • 「ら」抜き言葉をさける

  • 記載した後、自身で一度見直しを行う

このようなことは少し意識するだけで、今日からすぐに実践することができます。そして、その日々積み重ねが、デザインだけに頼らない説得力のある資料につながっていきます。

資料作成は、デザイン+数字+文章+ビジネス経験の総合力です。是非、実践してみてください。

資料作成スキルは総合力

以上です、ありがとうございました。


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