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恋人・夫婦の信頼関係


【恋愛は幸せにもするし、不幸にもする】



精神的な痛みをもたらす出来事は、信頼していた配偶者や恋人の裏切りがほとんど。恋人や配偶者が信頼できるかどうかは、他の人たちの誠実さよりも重要な意味を持つ。

充実した関係を長期的に築いている人は、独り身の人より心身ともに健康であることが分かっている。長期的な関係を保つことは、経済的、社会的、生理学的ら他のあらゆる点から見てプラスになる。人生のいろんな場面で、支援してくれる。

恋人との信頼は、将来性に敏感、今後のコストや利益にも敏感に反応する。将来、自分と子供を産んだり、育てたり、沢山のことを共有するのだから。

結婚は、恋愛し子供を作るためではなく、有力な家族と長期にわたる協力関係を築くためにする。

離婚は、今が不幸だからするのではなく、もっと幸せになれる可能性があるから離婚する。


・恋愛は人を最も幸せにする

死刑囚が最後に残す言葉は、30%は神に許しをこうもの、63%は恋愛に関するもの、2番目が大差をつけて家族だった。

恋愛に関する有名な調査では、「恋をしたことがない人は、人生で最も楽しい経験の一つを失っている」という記述に被験者の83%が同意している


・恋愛は人を最も不幸にする可能性がある


結婚は、幸福にも不幸にもする両方の可能性があり、一種の賭けでもある。

アメリカでは、結婚の約40%が離婚に至っている。浮気は4年目に多く、結婚から4年後の離婚が最も多い。

結婚生活が破綻していると、病気になる可能性が35%高くなり、寿命が4年短くなる。離婚者及び死別者は、健康問題を20%多く抱えている。

人生で経験する最もストレスの大きい出来事を分析すると、1番目は配偶者との死別、2番目は離婚が大きかった。しかも、離婚は幸福度が持続的に低下する。

ある研究によると、恋人ができると、時間と精神的エネルギーの面で、親しい友人2人が犠牲になるという。



・恋愛は強迫性障害に似ている

愛のためにどれだけの人が命を絶ったり、人の命を奪ったりしているかを忘れてはいけない。

恋愛に最もよく似た精神疾患は強迫性障害
好きな人のことが頭から離れない。自分の注意をコントロールし、責務の方へ向けることができない。
恋に落ちたばかりの人は、最大で覚醒時間の85%も特別な人のことを考えて過ごすという

恋愛には中毒性がある。
恋をしている人とコカインやモルヒネを注射した人、それぞれの脳をfMRIでスキャンしたデータを並べると、同じパターンが見られた。




・恋は相手を理想化する


恋をしている人は相手を理想化する。愛の特徴として最も認識されているものの一つ。

ある研究では、幸せな恋愛関係にある人々は、パートナーの長所について話す時間が、短所について話す時間の5倍だという。

熱愛中の人にパートナーの欠点について聞くと、彼らは相手の悪い面も認識し、見極めている。相手のネガティヴな部分を感情的に割り引き、大したことではないと考えている。あるいは、その欠点が返って魅力的に思える。

恋愛中の人の脳では、その関係を脅かしうる他者が魅力的に見える度合いを低下させるメカニズムが働く。もし、自分の彼氏、彼女にセクシーな元恋人が近づいてきても、理想化が味方し、パートナーの目にはそれほど魅力的に映らなくなる。



・結婚4年目から満足度が下がっていく

結婚生活の最初の4年で満足度は平均して15〜20%下がる。
同棲していたカップルは離婚する確率が高いのは、結婚する前に、熱狂的な愛の期間を燃焼し尽くしてしまうからと言われている。

ほとんどのカップルは、情熱的な愛から「友愛」の呼ばれるもの。最も打ち解けた、永続的な安らぎ感に移行する。ただし、理想化は失われる。

離婚して四年後に、相手の身勝手さへの不満が二倍以上になるという調査結果も出ている。
理想化が減ると、パートナーに代わりうる魅力的な異性がそのまま魅力的に見えるようになる。

夫婦間の悩みに関連するGoogle検索の一位は「セックスレス」である


【恋人との信頼関係構築法】

・カップルこそコミュニケーションが重要


人間は人の心を読み取るのが苦手。パートナーと話さなくなり、ますます思い込みが激しくなる。
「黙り込んでるから、怒っている」
「セックスを断ったから愛していないんだ」

声に出さなければ、相手に届かないから、コミュニケーションを取らなければいけない。

ある研究によると、
初期の段階では言い争いをしない夫婦の方が結婚生活に対する満足度が高かった。ところが、3年後に再び調査すると、そうした夫婦の方が離婚に向かっている可能性が高いことがわかった。また、35年後にまだ幸せな結婚生活を送っているのは、熱のこもった口論をする夫婦だけだったという。

離婚した人に、前の結婚生活に関して改善したいことは何かと尋ねると、1位は、コミュニケーション・スタイルだった。



・パートナーを信頼することで心の負担が軽くなる


2人のコストと利益が大体同等な関係が、最も満足できて長続きする。2人の関係をうまく維持すふ秘訣は、相手が高く評価する分野で利益を与え合うこと。そして、主観的に見て受け取る利益と支払うコストが同等ならば、その関係は順調に進む。何も受け取らずに与え続けられる人はいないから。

バランスを取る基本的な方法の一つは、誰が誰のために何をしたか、今後何をするつもりかを記録するだけ。だか、この方法は膨大な労力がかかる。ここで信頼が登場する。信頼は、コストと利益を事細かく辿る必要性を取り除き、心の計算の負荷を軽くする。信頼に相手が応えてくれるとわかっていれば、常に相手をチェックしなくて済む。

交換的関係スタイルから共同的関係スタイルへ移行する。初期段階を通過する間、ほとんどの人は記録をつけており、しばらくすると、共同的な段階に移行する。ここまでくると記録するのはやめ、自分は自分の責任を果たし、相手もそうするはずと考えるようになり、相手がしてくれたことに対する監視の思考力が解放される。

ある実験では、お互いに高い信頼を寄せるカップルは、話し合いに入ると、そうでないカップルに比べて折り合いや協力の程度がはるかに大きかった。


信頼は、重大局面での対立の緩和と歩み寄りへ舵を切らせる効果がある


・嫉妬は恋人を奪われるのを防ぐためにある

嫉妬とは、恐れ、怒り、悲しみ、が混じり合った感情
怒りは騙された、裏切られたという思い、相手を失うことへの不安、別の人を気に入っている悲しみ。

ライバルにパートナーを奪われることへの不安には、それを現実になるのを防ぎだり、パートナーを取り戻したりする行動を起こさせる特定の目的がある。不安は手遅れにならないうちに今の関係を守るように働きかけ、怒りは、裏切りがすでに起こっている場合に、不安より大きくなる。嫉妬の強さは、ライバルになりそうな人の魅力の程度によって変わる。

嫉妬の目的は、互いに頼れる大切な関係を守りたい。あるいは、修復したいという気持ちを引き起こすことにある。

信頼は人間関係に大きなメリットをもたらすが、その反面、信頼が裏切られた場合の代償も大きいことがある。それだけ絡んでいる利益が大きい。


・恋愛関係では「寛大なしっぺ返し戦略」


しっぺ返し戦略では、協力体制を回復できない。相手の不誠実さに少しでも気づいたら相手を見限る。その不信の悪循環に陥り、取り返しがつかなくなる。「寛大なしっぺ返し戦略」なら、一度の不誠実な行動は例外だったとして受け入れる余地が生まれる。すると、2人の関係が終わることなく進展できる。大切な恋愛関係を維持すれば、裏切りの可能性が一度あるからといって関係を切った場合やりも、長期的には大きな利益が得られることが多い。

相手の目には裏切りに映る行為もある。特定の行為を引き起こした原因が、その人の置かれた状況ではなく、その人の性質にあると勘違いすることもある。

相手がわざと意地悪なことをしたり、自分を完全に無視したりすれば、それは信頼する相手を間違っており、今後損をさせられ続けることになる兆しとして受け取るべき。




・お互い新しい成長や刺激を増やし続ける


カップルが共に学んで上達していると感じられることをやっていると、愛が増す。パートナーが自分をより良い、より面白い人間にしてくれていると感じると、相手への愛がいっそう深まる。何か刺激的な新しいことを一緒にやり続けていくほど、結婚満足度は高くなる。

カップルがどれくらい褒め称え合うかは、どれくらい喧嘩するかより重要。ポジティブな要素を増やせば、ネガティヴな要素はそれほど問題ではなくなる。

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