得する与え方と貰い方
【ギバーとテイカーの種類】
ギバー(与える人)
相手のことを考え、真っ先に相手に与える。
結果としてギブが自分に返ってくる
テイカー(受け取る人)
何でも自分中心に考え、自分の利益を得る手段としてのみ、相手にギブする
マッチャー(バランスを取る人)
相手と自分の利益・不利益をその都度、バランス良く帳尻を合わせる
世の中はギブ&テイクで成り立っている
[最も得する与え方]
・最初からみんなにギブ対応
・テイカーにはマッチャー対応
・ギバーとマッチャーにはギブ&テイク対応
・将来性やリターン大きい人に集中ギブ
時間的に鷹揚(おうよう)な人でないと、ギバーになれない。人に与えたことは、後々返ってくるが、ずっと先の話になる(数年後とか)
・自分も相手も利益を得れることをする
成功するギバーは、「自己犠牲」ではなく、「他者志向性」を持っている。
以下の条件が満たされれば、ギバーは他人だけではなく、自分にも「与える」ことができる。
「自分にとって意義のあることをする」
「自分が楽しめることをする」
仕事というのは、「自分以外の誰かのためにするもの」
ささやかでも、自分以外の誰かのためになるなら、仕事として成立する。
・自分より相手を優先するギバーは1番損する
仕事においてギバーである人は、自分の時間、エネルギー、知識、スキル、アイデア、有益な人脈を惜しみなく分かち合おうとする。
ギバーはいつも割りを食っている。自分の成功を犠牲にし、相手の利益を優先してしまうから。
ギバーは、テイカーやマッチャーが常に逃しているチャンスを多くものにしたが、同時にテイカーに利用され、ひどい目にも遭っている。
・ギバーもテイカーも成功する強みがある
[成功するギバーの秘訣]
・犠牲を最小限に抑える
・与えることの恩恵を最大化する
[成功するテイカーの特徴]
・たくさんの力を持つ者と付き合う
・他者の力を自分の利益のために利用する
[人脈の3つのメリット]
・個人的な情報
・多種多様なスキル
・権力
強力なネットワークを作ることによって、知識、専門的技術、影響力を利用できるようになる。人は、それぞれ異なる知識や情報源、スキル、権力を持っているので、力を借りれば、より効率よく成果を出せるようになる。
ギバーもテイカーも幅広い人脈を作れるが、ギバーの方が長続きする価値を作れる。
人を助け始めると、評判がどんどん高まり、自分の可能性の世界が広がる。
【テイカーは避ける】
・危険なテイカーの特徴
利益を得れると思った人にギバーのフリして近づいてくる。だから初対面で1番好感を持たれやすい。他者を利用しようと近づいてくるから注意が必要。
テイカーは、人目のある環境で気前よく知識や親切を分け与えれば、自分の評判が上がることが分かっているので、人目のつく場合において実行する傾向がある。
・テイカーを見破るには?
テイカーを見破るには、自分に全く利益をもたらさない人間をどう扱うかを見ることで、その人がどんな人間かがハッキリ分かる。
・テイカーを懲らしめるには?
噂話を広く行き渡らせることが効果的。テイカーを罰するだけでなく、評判情報を共有すれば、他の人がテイカーに利用されるのを防ぐことにもなる。情報が広まるにつれ、テイカーは今ある関係を断たれるだけでなく、新たな関係も築けなくなる。情報を手に入れた人は、たいていテイカーを信頼しなくなるから。
悪い評判をその相手の友達に広めることで信用を失わせ、人を離れさせることが可能。
【弱い繋がりが大きなリターンをもたらす】
・小さな親切を積み上げる
重要なポイントは、「受け取るよりはるかに多くを与える」こと。テイカーとマッチャーも状況によって与えるが、あくまで戦略的なもので、自分がした貢献に匹敵するか、それを上回る見返りを相手に期待する。近い将来、自分を助けてくれそうな人を的に絞る。
人は自分が受け取りたいものを先に相手に与えることで、将来的なお返しを貰う。テイカーとマッチャーは、先を見越して、近々助けてもらいたいと思っている人に親切にする。
マッチャーは、お返しをくれたり、助けてくれそうな人にだけ与える。目先の利益だけを見て与える人を選ぶため、ネットワークは質と量ともに制限されていく。ギバーは、広範囲に与えるため、幅広くお返しがもたらされる可能性が上がる。将来助けてくれそうな人が誰かなんて分かるわけがないから、色んな人にギブの種を蒔いておくことはチャンスを広げる。
・弱い繋がりが新しい気づきを与える
ギバーには、自分のネットワークを徹底的に活用できる強みがある。
強い繋がりは、同じネットワークの中でだけ交流するため、同じ情報や機会を共有することが多くなる。それに対し、弱い繋がりは、異なるネットワークで生活しているため、未知の情報や、新しいきっかけを発見しやすくなる。
・リコネクト(再び繋がる)
被験者たちは、休眠状態のつながりからもらったアドバイスの方が、現在進行形の繋がりからもらったものよりも価値があったという。過去3年に音信不通だった間に、それぞれが新しい経験や知識を蓄えていたため、新しい情報をもたらすことが多い。
休眠状態の場合、まだ高いの中に信頼感が残っているため、ゼロから始める必要はない。歳を取れば取るほど、休眠状態の繋がりは増えていき、さらに貴重なものになっていく。
テイカーにとっては、休眠状態の繋がりに再接続することは難しい。マッチャーにとっては、頼み事をすれば一つ借りができたと感じるから助けを求めることが居心地悪く感じる。ギバーが損得なしに与えてくれたので、頼ってくれたら大喜びして自分の知識や経験をもとに力を貸してくれる。
・グループ全体の利益を最優先にする
協力し合い、より多くの知恵と知識と技術を助け合うことで、1人ではできなかった大きなことを成し遂げることができるようになる。
成功ギバーは、自分個人の利益よりも、グループにとって最善の利益になる仕事を引き受けることで、グループ全体が恩恵を受ける。成功したギバーは、自分だけでなくグループ全員が得をするように、パイを大きくする。
信用貯金を溜めていると、少し大胆な挑戦でも特別に認められ、周りの人から力を貸してもらえるようになる。
【効果的なギブの仕方】
・与える人を選ぶ
どうせ与えるなら、与えた分何倍にもなって返ってくる人に与えた方が効果が高い。テイカーに与えてしまうと搾取されるだけで、お返しされないため与えるほど損をする。リターンが将来的に大きくなって返ってくる相手に与えることが効果的な与え方
・将来性の高い人にギブする
マッチャーの欠点は、相手が高い能力を示すまで待っていること。危険を犯したくないので、見込みがあるハッキリした証拠を手にするまでは助けを差し控えることが多い。
ギバーは、可能性の片鱗が見え隠れするまで待ったりしない。全ての人の中に可能性を見出そうとし、力を分け与える。
最もリターンが大きいギブの仕方は、大勢の人に注目される前から、才能ある人を誰よりも先に見抜き、その人たちだけに集中的にギブしていくこと。株式投資と同じで、成長性の高い企業にのみ厳選して投資していく。エリート教育のようなものことをする。
・粘り強さと継続力の高い人にギブ
一定以上の能力を持った候補者が沢山いたら、粘り強さは、その人がどこまで可能性を発揮できるかを予測する大きな要因になる。だから、ギバーは根気のある人間に目をつける。
一段高い試験や能力の限界を少し超えた挑戦をすることで、自分の限界を突破しより大きく成長できる。
・相手が本当に欲しがってるものを与える
自分が与えたいものではなく、相手が欲してる本質的欲求をよく理解して、相手の欲求を満たすものを与えること。
真の意味で相手に与える、助けることは、自分が与えたいものではなく、相手が現時点で欲している、欲求を満たすものでなくてはならない。
・まとめて与える
人助けの時間をまとめたことで、時間とエネルギーを温存して、自分の仕事をやり終えることができる。
複数与えるなら一度に与えた方が効率いい
【成功ギバーのコミュニケーション術】
・能力高い人が弱みを見せる
テイカーは、弱みを曝け出せば、自分の優位と権限を危うくすることになる心配する。
ギバーは、自分より人を助けることに関心があるから、弱点を晒すことを恐れない。
反対に、能力高い人が弱みを見せることで、尊敬できるかつ、親しみやすさを感じさせるため、周囲の人が力になりたいと思わせられる。
・相手の欲求を知る
交渉上手なギバーは、自分が欲しいものを要求もするが、顧客が何を欲しがっているかを聞き出す。質もをしまくって、相手の気持ちを深く理解しようとするため、信頼関係を築き上げやすく、相手の欲求をよく知れて、どんどんセールスが上手くなる。
・アドバイスを求める
アドバイスを求めることは、自分の弱さを見せることでもある。テイカーにとっては自分のプライドを傷つける行為なのでなかなかできない。ギバーは、弱く見られようと気にしない。純粋に他人から学びたいと思っているから。
アドバイスを求めることによって、協力関係と情報の共有が促され、揉めがちな交渉を、双方が得する取引に変えた。
・他者に積極的に頼る
自ら積極的に他者に頼ることで、相手を信頼することにもなり信頼関係が築きやすくなる。人は頼られると自尊心が満たされて嬉しくなる。どんどん色んな人に頼って力を貰うほど助け合いの関係を築いていける。
日頃から色んな人に小さく与えているほど、ネットワークが築けて、助けが必要な時に人を頼れるようになり、力を貸してくれるようになる。
・相手の利益と自分の利益に沿った提案をする
どんどん相手に質問をし、お互いのニーズをよく理解しあったら、相手側の利益も理解し、自分の利益もアピールし、お互いwin-winになる提案をする
・利己的かつ利他的
失敗ギバーは、他者を助けるあまり自己犠牲してしまい損失の方が多くなるが、成功ギバーは自分の利益にもなりかつ他者の利益にもなることをする。
・お金で人を助ける人ほど収入が増える
より多く人に与える人は、その分感謝されたり、自尊心が満たせて幸福度が高まる。すると、もっと多く人を喜ばせようとするため、より多くお金を稼ぐようになる。
もちろん、助ける相手は自分で選んでいるからこそ、気分が良くなり満足感を得られる。
【一緒にパイを大きくし分け与える】
・グループ全体の利益が自分の利益にもなる
自分のグループに属する人を助ければ、グループ全体がより良い状態になるので、結果的に自分自身も助けることになる。
・特異な存在の人と繋がると特異性を保てる
人は他人と繋がり、コミニティの一員になりたいと思う。その一方で、他とは異なる存在になりたい欲求もある。両方の欲求を満たすには、特異な人たちが集まってるグループに属すること。それぞれが特異な存在でもあり、グループ自体も特異な存在であり続けられる。
【失敗ギバーにならないために】
・失敗ギバーの特徴
・信用しすぎる
・共感しすぎる
・臆病になりすぎる
人は誰でも善人だと思う傾向があり、他人は皆信用できるといった誤った思い込みで行動する。
・テイカーにはしっぺ返し戦略
最初はギバーで与えていくといいが、テイカーとしてお返しをして来ないと分かれば、マッチャーになり何も与えない。もしくは、相手を裏切る行動に出るといい。自分の時間をテイカーのために浪費すべきではないから。
ゲーム理論では「しっぺ返し戦略」と呼ぶ
最初は協力的な態度に出て、相手が張り合って来ない限り、その態度を維持するが、相手が張り合ってきたら、同じように張り合うことで態度を合わせる。
3回に1回はギバーに戻ってテイカーに名誉挽回のチャンスを与えるのもアリ
・他者や目標のために要求する
ギバーは、マッチャーやテイカーより控えめな要求をするので、自分からガツガツ貰うことが苦手。
ギバーが高い目標を設定し、それにこだわると他の誰かのためならなおのこと、自分のためではなく大切な人のために頼むことができるようになるので、堂々と他者の力を頼ることができるようになる。