62、1年ぶりの念願の再会
2021年、年が明けたころに妻からの朗報。やっと配偶者ビザが下りたのことだった。早速入国要件を確認し航空券の手配をした。
コロナ禍により飛行機の便数は僕らが自由に旅行していた時代と比べるとかなり減便していて、しばらくV字回復は見込めないといわれてはいたけれどもまだ少数ながら便は飛んでいた。
何とか手配した航空券も2回もキャンセルされ、三度目の正直、それが無事に飛ぶことができれば1月31日に福岡空港にて約一年ぶりの感動の再会となることができる。
その中で国境を越えるのも大変なことで、フィリピン側でもまずはPCR検査をパスし、空港へ向かうための通行証も必要、それらを準備してもってもフィリピンのことだから役人にいちゃもんをつけられて飛べないケースもありそうな気がする。
そして、いよいよ妻が搭乗する日が来た。よくよく考えたらちゃんと飛べるかも分からない綱渡り状態でパッキングして空港に向かい、無事に飛べればしばらくは帰国できない状態だろう。
さらに、スピード結婚で殆ど付き合い期間は無かったから、よく知らない人のところへ嫁ぎ、しかもよく分からない山奥でよくわからない仕事を一緒にやって行こうとしている人がいるっていう現実がすごい。本当に僕のことを信頼してくれているという事への感謝。
不安の最中、妻の便が無事にフィリピンを発ったことを確認し、それを迎えに空港へ向かう僕は8か月ぶりにもじゃもじゃに伸びた髭を全部そり落とす。
福岡空港へ到着し、到着ゲートで待つこと数時間、どうやらその日の便はほとんどが欠航しているようであり、数少ない人達が出迎えに来ていた。
そして、今か今かと首を長くしていたころ、やっと妻が出てきてくれた。
待ち焦がれていた感動の再会だった。この本の物語はこうしてハッピーエンドという形で締めくくることができた。
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