ドクカン【雪国】
ドクカン【雪国】
著者:川端康成 出版:新潮文庫
まず、読み進める前に”ドクカン”について以下3点お気を付けください。
① 単純にその本の読書感想文+@的なものです。
② もしかしたら+@がメインです。というか「メイン」です。
③ ネタバレ要素満載です。ただ、詳しく書きません。
以上の3点お気を付けください。
中学生?高校生?の頃、国語の授業でこの「雪国」を勉強した記憶がある。いや、もしかしたら勉強していないのかもしれないけど、いつかの学生時代にこの「雪国」の冒頭部分
「国境の長いトンネルを抜けるとそこは雪国であった」
のフレーズが何年も僕の頭の片隅にあった。
丁度、一年前。
留学を終えた僕は就職活動をしていた。その頃はまだ、そこまでコロナのニュースをやっているわけではなく、コロナ感染者を乗せたフェリーが横浜港にいます。ぐらいの報道しかしていなかった頃だ。
そのころの僕は就活の面接で「趣味はなんですか?」とありきたりな質問にどう答えるか僕は迷っていた。今も続けている”マラソン”の話(過去にフルマラソン3回、ハーフマラソン2回の完走したことがある)でもいいが、これだけでは少し面白くないのではないかと考えた。そこで僕は”読書”も趣味に追加しようと考えた。
面接官「趣味はなんですか?」
僕 「読書です(キリッ」
だが、ここで問題が起きた。
”趣味は読書することです”とすることで、仮に面接官も読書が趣味だった場合、僕は不利な状況になってしまう。なぜなら僕は好きな作家(主に内田康夫さんと原田マハさん)ばかりの本を手に取ってきたので、他の有名な作家さんの本をあまり読んだことがなかったのである。そんな人間が”趣味を読書”と表現していいものかどうか迷っていた。当時はまだ村上春樹さんや三島由紀夫、シェイクスピアなども読んだことがなかった。仮に面接官と読書トーークして盛り上がったとしても彼らの話題が出てきては、僕は何も対応できないのではないか、と思った。
その時にあのフレーズが頭を過ったのである。
「国境の長いトンネルを抜けるとそこは雪国であった」
僕は思った。今の僕にとって”トンネル”は今の就活状態のことを言うんだ、と。そしてトンネルには必ず終わりがある。前方がふさがっているトンネルはトンネルと呼ばない。それは穴なんだと。もしかしたら今の僕に必要なのはあのフレーズとそれ以降の物語ではないのかと、となれば僕は本屋へ行くしかない。この長いトンネルを抜けるヒントが少しでもあるのではないかと。そんな淡い期待を胸に僕はこの”雪国”を購入したのである。
(ちなみに5社面接を受けましたが趣味の質問は1度もありませんでした。)
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