風俗嬢に恋をしてしまった話 第7話


第7話「隣で微笑む君の記憶」

あれから数日後、Aちゃん初出勤の日だ。

とりあえず写メ日記でも見ようとページを開いて私は驚きを隠せなかった。

在籍女性からAちゃんが消えていた…。

おい、ちょっと待ってくれ。

嘘だろ…?

体調不良等でお休みなら仕方ないが、プロフィールごと消されてるって…

以前Aちゃんはこう言っていた。

「気になる相手ができたら風俗すぐ辞めるつもりだし」

もしかしたらこれか。

いいお相手がみつかったのかな。

もしそうならば推しメンの幸せは素直に喜んであげるべきだ。

それが推す側の礼儀だと私は思う。

ちょっと悔しいけど…(笑)

よくいるじゃん。

推しメンが結婚とかしたりしてさ、それにワーワー騒ぎ立てる人ら。

まじでさ、素直に喜んであげろよと思う。

人様の幸せに他人が口出すもんじゃないよ。

はい、話がそれました。

プロフィールが消えてから2日後にお店から電話があった。

仕事の時間帯だったので折り返し電話してみると。

「Aちゃん、面接で落ちちゃって。ご予約していただいてたのですがキャンセルになりました。」

こんな内容だった。

誰が納得できんの(笑)

宣材写真まで撮ってて面接落ちちゃいました?
合否出す前にプロフィール載せる?

その辺どうなんですかね。

私は風俗業界のこと全然知らない。

いやいや、でもさ、その理由には無理があるだろ。

客に正式な理由なんて話す訳がないから仕方ないけれども。

初めて会ったお店からもAちゃんのプロフィールは消されていた。

久しぶりの恋はあっけなく終わりを迎えてしまった。


次回
第8話「悲しい顔のまま覆う」

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