風俗嬢に恋をしてしまった話 第8話

第8話「悲しい顔のまま覆う」


詳しいことはもちろん知らない。

他の理由って可能性だって十分ある。

個人的なことだったり、家のことだったり。

とにかく、こうなればもうお手上げ状態だ。

どうすることもできません。

会うことも叶わない。

久しぶりにちゃんとした恋をしたつもりでした。

別にプライベートで会ったりとかしてないけども
本当にこの子のことを思うと仕事頑張れるって、生きる原動力になるってそう思っていた。

それが急になくなった今、私は何のために生きるのか。

何もやる気が起きない。

もう会えないのか。

他の子じゃダメなんだ。

君じゃないとさ。

寂しいな、純粋に。

死ぬまでにあと何度こんな恋愛ができるのだろうか。

分かっている。

そう。

「やっぱり好きになった相手が悪かったんだ。」

でも、こういう風に言ってしまうとAちゃんが悪いみたいな感じになってしまうな。

少し違うか。

たとえ風俗という業種に偏見などなく、ひとりの女性として好きになっていても一般の昼職とは違って入れ替わりの激しい業界の方を相手にガチ恋なんてするもんじゃないと。

そう言い聞かせることしかできない。

そんな虚しさ、悲しさ、寂しさ、もどかしさ、たくさんの感情を抱いている。

隣で微笑む君を思い出して今日も眠る。


次回
第9話「そして僕はしょうもない」


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