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家褒め

40年位前の事だろうか、友達が家を買い、見に来ないかと、お誘いを受けた。30代で家を買えるなんて凄い事だなと、皆思ったらしい。自分は無頓着と、言うか、大学を出てまだ就職もせず、ブラブラしていた頃だ。一方、彼は京都のD大学を出て、一流会社へ就職した営業マン。絵にか描いた様なエリート。何故こんな不釣り合いな二人が友達になったのか?50年前の与論島の旅行で知り合った。お互いに一人旅同士だった。

家を見に来た他の友達は、皆、家を見せてくれと、すべての部屋を見て回り、あーでもない、こーでもないと言ってくれるが、ひょうたん(僕の事)は、座ったまま、どの部屋も見せてくれとは言わなかった、と。そんな人は初めてだと、言われた。
エリートと対局に居る自分は、30代で家を手にいれることが、どれほど大変な事なのか、全く判っていなかったのだろう。

後に、彼は一流会社の役員まで上り詰め、子会社の社長を歴任した。
一方自分は会社倒産、自己破産、タクシー運転手、転職、転職・・・の絵に描いた様な転落人生。

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