ここが変だよ民泊新法その11 民泊運営で発生する問題(ホスト編)
前回の記事では、民泊を運営する上でゲストに起こる問題について書きました。
民泊運営で発生する問題「ホスト編」
今回は、ホストに起こる問題とその解決策について書いていこうと思います。ホストに起こる問題の主なものは、「近隣トラブル」「器物破損」「緊急対応」「収益性」ですね。
①近隣トラブル
これが最も頭を悩ませる問題だと思います。近隣の方も近くで民泊運営をしているのを良しとしないケースが多いので、騒音やゴミ出しの問題等、当然ホスト側で誠心誠意対応すべき事を言われるならいいのですが、なんとかやめさせようとやっきになる住人の方もいます。
私が運営していた物件でも、
「夜に電気をつけているから眩しくて困る」
「エアコンの室外機の風がうちにくるから場所を変えろ」
というような、クレームがありました。
■解決策は?
基本的な事なのですが、まずは近隣との信頼関係を築くように努めることです。私が運営していた物件では、運営開始時に近隣の家を回ってご挨拶し、自分の緊急連絡先を渡し、何かあったらすぐに電話もらえたら対応するように伝えていたし、実際何か電話があったらすぐに対応していました。連絡先を伝えている事で相手の安心度も増すので変なクレームも減るし、ゲストが困った時に助けてもらえたりもします。
実はここも行政で保護するべき事業者の運営する権利だと思っていて、事業者は近隣に迷惑をかけないよう運営体制を整えるべきだし、ゲストもホストと近隣に配慮して宿泊すべきだし、しっかり運営しているホストが事業を継続できるようなルールにするべきかなと。
②器物破損
ゲストが物を壊したり、汚したりというのは結構多いです。使い方が分からなくて電化製品や水道を壊したり、小さい子供も宿泊するので、おねしょをしてしまったり。Airbnbには問題解決センターなるものがあって、ゲストとのトラブルの仲介をしてくれるので、何かあったら基本的には問題解決センターを通して解決をはかるべきです。
■解決策は?
まずは、使い方が分かりにくい電化製品は置かない事です。あとは、ゲストに連絡してすぐに認めてくれて支払ってくれたらいいのですが、結構よくあるのは、「私達は知らない」「最初からそうだった」と言われることです。これはかなり多いし、我々も完璧に把握している訳じゃないので強く言えない部分でもあります。本当にゲストがやっていないケースもあるので、お互いの為にやるべきなのは、清掃後に、清掃担当者に全ての場所の写真を撮影してもらうことです。清掃を外注している場合は清掃クオリティの確認にもなりますし、何か物が壊れたときも、清掃後はこわれていなかった、汚れていなかったという証拠にもなります。ホストとゲスト間のトラブルは行政の介入は不要ですね。
③緊急対応
これはゲストに起こるトラブルでもあるのですが、「チェックインできない」「設備が壊れた」「お湯がでない」「Wifiつながらない」が代表的で、たまに「ゴキブリ出たけどどうしてくれるんだ」というような内容もあります。言いがかり的なものはAirbnbの問題解決センターを通しましょう。
■解決策は?
ゲスト編でも書いたように、設備に関してはマニュアルを充実させましょう。また、清掃終了時のチェック項目に、「お湯がでるか」「Wifiつながるか」「コンロはつくか」「エアコンはつくか」という項目を入れて、ゲスト入室前にしっかりと確認することです。結構な頻度で発生し、かつ緊急性を求められる問題が、「チェックインできない問題」です。これはキーボックスを開けられなかったり、ゲストが外出先で鍵を紛失してしまったりと、家に入れないケースです。それを回避する為に私がやっていたのが、「予備の鍵を設置しておく」普段は使わないのですが、予備の鍵をどこかに設置しておくことで、「キーボックスが開かないならここに予備の鍵を隠してあるから、それを使って下さい」と伝える事ができます。これはゲスト編でも伝えましたが、本当の緊急時の為にAirbnb側に窓口を設けて違う宿の手配を義務化するのは行政でやってもらえたらと思っています。
④収益化
これも結構深刻な問題ですね。初めてみたけど予約が入らず収益化できない。
■解決策は?
民泊の収益アップの方法については、別のシリーズで書いていこうと思います。私の運営していた物件は、ピーク時は家賃15万円で月100万円売上があったものもありますが、もともとの物件スペック(場所や間取り)によるところも大きいので、変えられない理由で収益があがらない場合は、撤退するしかないですね。
当然行政は介入不要の領域です。
ここまでで民泊運営で発生する問題を「近隣住民編」「ゲスト編」「ホスト編」に分けて考えてきました。
次回からはそれを踏まえて理想の民泊新法について考えていきたいと思います!