R2D2season5決勝 オカルト観戦記
瀬戸熊プロ、日吉プロ、そして雷電スポンサーでもあり、まんまるハウス代表のニノさんと共に解説を担当させて頂いたR2D2season5決勝。
昨年は勝又プロのデジタル解説だったので、今回はオカルト麻雀の解説担当として解説席に加わらせて頂く。
※この解説は全てフィクションです。
対局前
まず前提として、麻雀の「つながり」を考えなければならない。
2年前の決勝卓でアヤ牌になった7ソウや、昨年の決勝で南三局、オーラスと連続でアガリ牌になり、片岡の優勝を決めた1ソウは強く意識すべきだし、もう少し広く捉え「ソーズ(特に奇数牌)」がおそらく今年もアヤになるだろうなというところは、対局者全員が感じていたはず。
また、注目選手としては、
「補欠繰り上げ追い風ポールポジション!」(オカルトシステム99)
の高見。
「会場の周りの神社仏閣を押さえろ!」(オカルトシステム98)
「会場に一番のりはその場の気を制す!」(オカルトシステム97)
を両方押さえてきた岡田。
が先手を争う展開になるというのは間違いないだろういう予感のもと解説席に座る。
東一局
まずは自身、そして対局者の状態を測るべき開局の東一局。
高見がかなりトリッキーなあいさつ(仕掛け)を見せる。
本来開局時は、自身のツモ山としっかり向き合い状態をはかるのが正着とされていて、正直危険な仕掛けではあるが、追い風ポールポジションをいかして場を支配する、そしてしっかり全ての局に参加する(サボらない)という視点で考えると、あながち間違っているとは言えない勝負への入り方。
また、鳴いた牌が7ソウというのも、かなりアヤを意識した鳴きと言える。
しかしここは、同様にあいさつを済ませた森口が、3ソウをカンした後に、4ピンをつもって700-1300の先制を決める。
「おい高見、予選最終戦で、お前との格付けは終わってんだよ。」と言わんばかりの軽快なアガリ。お見事。
さて、ここでなぜアガリ牌がソーズじゃないんだと思った方もいるかもしれないが、選手のせめぎ合いの他に、色同士のせめぎ合いという概念がある。
当然ソーズが強い場になりやすいが、マンズとピンズも自分の色を支配色にしようという意識が働くことになる。
武士が鋒(きっさき)を争っている、そんな状態である。
特に開局時は場が不安定なので、各色がせめぎあうような構図になりがち。
ピンズの主張で東一局を終える。
東2局
ここで神社仏閣への参拝により手を入れた岡田が二巡目にカン七マンを引き入れて、先制の2-5マン待ちのリーチ。
会場一番乗りの効果で残り1枚の2マンをしっかりとツモる。
ここでマンズもしっかりと主張してくる。
東3局
ここまでピンズ、マンズと、色のせめぎ合いが続く中、分岐点となったのが東3局。ドラの南を高見に鳴かせた岡田。
小泉の鳴きも入り、岡田自身も発を仕掛けてしまう。
「メンゼン仕上げの次局、自ら動くことなかれ!」(オカルトシステムNO12)
前局2巡目聴牌の門前リーチをあがっている中で、この焦らされる展開は、「速度を合わせる」のではなく、むしろ「試されている」と感じなければならない。
本来は鳴かずに発を安全牌として放銃を避け、小泉と高見の勝負を見守るべき局面。
結果、やはり1マンの放銃にまわってしまう。
一気にコスモを失う痛恨の放銃。
東4局
説明不要の展開。
先ほど岡田からコスモ(小宇宙)が移動した高見の親番。
5巡目にリャンメンのリーチを入れて、ツモって裏1を乗せ、4000オールで他者を引き離す。
ここでこの半荘は勝負あったかと思われた。
東4局 1本番
2局連続のアガリで、この半荘は決したかに思えたが、高見がここで若さからか、岡田と同じミス(門前アガリの次局に仕掛け)をしてしまう。
この時点で高見にアガリはないので、この浮いたアガリを誰が手にするかという展開となる。
ここをチャンスと見た岡田が、3マンのカンチャンを鳴いて、2-5マンの先制聴牌を入れる。ここは本来鳴きに対して門前でぶつけるべき局面。
やはり、鳴きにより流れた3マンを引き入れて小泉のリーチ。
高見も食い下がり、鳴いて5-8マンのテンパイを入れるが、当然ここにアガリはない。
そのことを自身でも悟ったのか、早々に諦めて聴牌を崩す。
残り2枚の5ソウの引き合いを制したのは意外にも岡田。
ここは正直小泉のアガリ一択だと思ったが、岡田に内在するコスモの総量を褒めなければならない。
ここまでマンズとピンズにアガリを許していたソーズだったが、このめくり合いにより、場の支配色も一気にソーズに偏る。
おそらくここからはソーズがメインの場になっていくだろう。予想通りの展開と言える。
南1局
先ほど熱いめくり合いに負けた小泉には、当然手が入る。早いリーチから、しっかりと支配色の1-4ソウで待ち、早々にツモる。
しっかりと裏を一枚乗せて、1000-2000のアガリとなる。
ここからはいよいよソーズ以外のアガリが難しくなってくる場況。
南2局
岡田が7巡目に、絶好のテンパイを入れて、2-5マン待ちの高め一盃口の先制リーチ。山に5枚残り。マンズが主導権を取り返しにくる。
実況日吉プロも「2-5マンが唸ってる!」と言っていたが、そこはしっかり「いつまで枚数で麻雀してるんですか。」と注意をさせて頂く。
誰の目にも、マンズのアガリは相当厳しい場況。
結果は言うまでもないが、ホンイツで赤5ソウを引き入れて追いついた森口が、聴牌直後に岡田に6ソウをつかませてアガリ切る。
(これは最後までソーズになるな)と。
南3局
ここも転換点となる局。
打点の必要な岡田が、チャンタを強く見て三色のある4マンを2巡目に切ってしまう。
それに対し、しっかりと支配色を意識してソーズのホンイツに向かう小泉。
岡田は先制の聴牌を入れるが、三色を逃したペン7ソウ待ち。
確実にアガリのあるアヤ牌待ちとは言え、これでは打点が足りずリーチにいけない。
だが、終盤5ピンを持ってきたところでスライドしてリーチ。
そのリーチの一発目にホンイツで広い聴牌を入れた小泉。
ここは広さでは当然7ソウなのだが、リーチの一発目で出ていく牌がアヤ牌の7ソウというのは、必ず疑わなければいけない局面。
さすが小泉、しっかりアヤを感じて長考するが、最後は待ち枚数という「理」に頼ってしまい、7ソウを一発で放銃してしまう。
裏は乗らず2600点のアガリ。
岡田はアガリを拾ったものの、次局のオーラスは、ラスを受け入れてでも、先程の三色の供養を意識した進行をしなければならない。
南4局
放銃にまわったものの、しっかり勝負するべき手で放銃した小泉に手が入る。
5順目で高め678三色の聴牌を入れる。
ここでも小泉に厳しかったのは、待ちにしたかったソーズが先に埋まってしまい、ピンズ(6-9ピン)での聴牌となってしまう。
ここまで色が偏った場では、ピンズでのツモアガリはないので、他者からの出アガリ期待のリーチとなる。
ここはハネツモ条件を残した森口が、条件を満たす一通のシャンテンから6ピンを放銃。
めくるまでもなかったが、アヤ牌の7ソウがここでもしっかりとアヤを主張して裏ドラとなり、マンガンのアガリで小泉が2着浮上の結果となる。
放銃で3着に落ちてしまった森口だが、「放銃での着落ち」と見るのは浅はか。しっかりトップを見ての真っ直ぐな放銃だったので、次半荘に向けてコスモを溜めている状態と言える。
第1半荘の結果は以下のようになる。