「内発的な動機」の大切さ V8を逃して改めて実感する。
スティラーズが8連覇を目指すシーズンはサントリーとの試合に引き分けて幕を閉じた。(大会規定によりサントリーが次に進む) その試合が終わった時に、平尾がとても印象に残ったと言ってたのが 抱き合い喜ぶサントリーの選手や関係者。 全身で喜ぶと姿を見て「もし逆ならこんなに喜ぶだろうか?」と感じたとそうだ。
ゲームの分岐点はどこか? なぜ勝てなかったのか? 想定外の事はあったのか? どこが劣っていたのか?
もちろん いろんな要素はあり課題は一つとも限らない、まして今回は引き分けで試合に負けたわけではない。それでも決定的に、サントリーに劣っていると感じた点が見えてきた。
「内発的な動機」の差
純粋に勝ちたいとどの程度思っているのか? 一人ひとりの想いの総量、この差がとても大きいと感じた
最も大きな要因は見えてきた、、 が どうすればいいのか? 社会人になり一人ひとりが自立してそれぞれの価値観も違う。どんな想いでラグビーをしているのか? ギリギリメンバーになれる選手から、日本代表の中心選手もいる。もちろん試合に出ない選手に、監督やコーチ、キャプテンが強い想いを持つことも大切な事だが、簡単ではなく、特に7連覇を達成し勝つことが当たり前になりつつあったチームにこのテーマは実に大きい。そしてこのテーマは平尾自身が自分にも問いかけていた。
オリンピックなどでベストを出せる選手と、本来の力を出せない選手もいる。異常な緊張や場の空気に飲まれる事は当然ある。 それぞれに「勝ちたい」という純粋な自身の想い(内発的な想い)と「勝たなければいけない」というプレッシャー(外圧的な要因)がある。 平尾は「勝ちたい」という純粋な想いが「勝たなければならない」という外圧的な想いを上回る事が必要と言っていた。 こんな点からも、マスコミ必要以上に密着したり無責任に期待したり煽てたりするのも問題と感じてる。
平尾が講演で、高校3年生の時、古い体育会系のラグビー部の1,2年生と試合をした時の話をしていた。試合前、怖い先輩に指示されると大きな体をした連中が全力で走る姿を見て手強さを感じてた、、、けど いざ試合が始まると自分で判断する習慣がなく大した力が出せず呆気なく勝てたそうだ。 自分で考え判断して行動する力が著しく低い、モチベーションも自分でコントロール出来ない、怒鳴られると瞬間的にはいいプレーをするが 継続しないと言っていた。
全くステージは違うけど、私が働く職場でも、内発的な動機で動いてるか? 外圧的な動機か? そもそもやる気はあるのか??は気になるとこが増えた。(私も偉そうに決して人の事は言えません、すいません) 怒られるからやる、決まった事だから、だけでは外圧的な最たるものだし、そもそもお金のために働く事も外圧的な動機になると思う。 (ただ母親が子供のためにする事は内発的な動機にも思えてきた。) 内発的な動機を伸ばせる環境が作れたら皆んながイキイキと働き仕事の充実感も高くなる。 これは仮説だけど、そうなると生産性が高まり離職も減って職場は活気づく。と思う。 大きなテーマだけど、自分の出来る事だけでも楽しんでこのテーマに取り組んでいきたい。
平尾の話に戻るけど、しばらくして「改善策は見つかった?」と質問したら「アホか そんな簡単なもの違うわ。 しばらく待つ事も大切。」と私のアホな質問に笑って答えた。 内発的な動機はそんな簡単なモノでない。
またまた全く次元が違うけど、私レベルでは 自分で『やろうかな』と思った時に、人から『やりなさい』と言われたらその瞬間に冷めてしまう事がある。 また 全く同じ事を言われても 素直に聞ける人と、言われるとイライラしてしまう人もいる。 本を読んでいい内容だから参考にしたいと思ったら活かそうと思えるが、『この本はいい事を書いている。仕事の参加にしろ!』と嫌な上司に言われたとしたらやる気は失せる。また褒められて 嬉しいと感じる時と何となく鬱陶しいと感じる時もある。 かと言って何も言われなくなると寂しくもなる。人の心は難しい、、その分面白いのかもしれない。
ただシンプルに楽しい事には夢中になれる。 やはり楽しいはとても大切なように思えてきた。 社会で生きてく上でルールは守るのは当たり前だけど正しいより楽しいを優先して選んで行きたいと思う。
最後にもう一度平尾の話に戻るけど、、 私は定期的に旅行などで大自然の中に行く事が好きで同じ考えを持つ友達も複数いて旅行の話をしてたら、平尾は『自然の中に行って落ち着く感覚が分からへん。ある意味人間ほどの大自然は無いで。俺は人見てた方が落ち着く』と言った事を思い出した。