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ご近所づきあいの話

仕事から帰ってバイクを駐輪していると、近所の男性がスクータで帰宅してきました。

私は、挨拶しようとこちらを向くのを待っていたのです。
しかし、その方は私とは絶対に視線を合わせようとはせず、私を無視してそのまま自宅に向かって歩いてゆきました。状況から察するに私に気が付かないということはありえないでしょう。ご近所という事で珍しくない程度に顔を合わせるのですが、以前からずっとこんな具合です。かなり前は、顔を合わせれば会釈ぐらいはしていたし、挨拶をすれば挨拶を返すぐらいのことはやっていたのですけどね。

この方には息子がいて私の息子と同級生です。
それで以前は、たまに我が家にきて一緒にゲームを遊んでいました。でも、私の息子をないがしろにする、いわゆる『いじめ行為』をするようになったので付き合いを辞めるようにと伝えていました。

いじめ行為というのは私も実際に目にしていて、その時はスプラトゥーンというゲームを4人ほどで集まってオンラインで遊んでいたのですが、私の息子だけを観戦モードにしてしまって残った人で対戦をはじめていました。平たくいうと息子だけ仲間はずれにしていたのですが、聞くと以前にもあったし、似たようなことは頻繁にあるとの事でした。そして、その同級生はその後もうちに来ていたので、

「出ていけ。」

と言って外に追いだしました。

もしかしたら私を無視するようになったのはその後からかもしれません。ただ、先程述べたように以前からそういう傾向はありました。息子には、

「こんな糞な奴と一緒に遊んでいるとお前も糞になる。今は仲間はずれにする対象がお前だけど、もし、その対象が他の友だちになったらどうする?そいつが他の友だちを仲間はずれにしたら『辞めろ』といって止めることができるのか?」

と聞きました。
すると、

「止めたいとは思うけど、自信はない。」

と答えたので、

「それじゃ、付き合うのは辞めろ。お前はいじめをする側、そんな恥ずかしい人間になってはいけない。そうならないような人間関係を育てていけるようにならなくてはいけない。」

と伝えました。
その後、私が課題として読ませていた本に、こんな人間とは付き合いを断ち切れという事が書いてありました。それで、誠実とは思えない人間と友人関係でいる事は辞めた方が良いのだという事を、息子は自覚したようです。

まぁ、こういうのが原因で縁が遠のくのであれば私としては望むところなので、スキをみつけたら大きな声で挨拶をしてやろうと虎視眈々と狙っています。

また違う日、出勤のためにバイクをの段取りをしている時、後ろから、

「ちっ!」

という舌打ちが聞こえてきました。
この方も私に対しておかしな行動をとることが過去に何回もあるご近所さんです。おかしな行動で一番覚えているのは、雨の日に開いた傘を私に向けて突進してきたことです。たぶん、私とは挨拶をしたくないどころか、目も合わせたくないという気持ちの表れなのでしょう。

それで、今はそういう気持ちはさらに高まっているのでしょう。
仕事にでかけなくてはいけないから私のバイクの横にこなくはいけませんし、かといって私が出発するまでの段取りはまだ掛かりそうだということで、出勤をこれ以上、待っている訳にもいかなかったのでしょう。それで意図せずに舌打ちしてしまったのかもしれません。

この方には娘さんが二人いて、その姉の方とはちょこちょこと顔を合わせるのですけど、その姉の私への態度が、

「汚物を見るような目で私を見る。」

というようなもので、挨拶なんてする訳もありません。その蔑みきった視線を浴びると、

「私などただの汚い豚ですから踏みつけてください。お願いしますーっ!」

と言って土下座したくなる程です。
ただ、そういうのを目の当たりにすると、

「家で俺の事をどういっているのかわかるなぁ。」

と思う訳です。
こんな具合に敵をつくるような接し方をしてくるのは職場ではどうなのだろうかなんてついつい余計な事を考えてしまいます。たぶん職場では一生懸命に仕事してまじめな人で通ってるのだろうなぁとは思いますけどね。

職場でいい人ぶりすぎてその反動が私に向いてくる訳です。

「こんな程度の事でお役にたてるのであれば傘ぐらいいくらでも向けてくれていいですよ。」

と今度、手紙でもかいてみましょうか。
ただ、この方は、触らぬ神に祟りなしなんです。接し方を間違えると刺されそうなぐらいずっとイライラを私に向けてきています。

別にご近所だからといって仲良くしたいと思っている訳ではありませんが、同じ地域に住んでいるのですからお互いが気持ちよく過ごせるように挨拶ぐらいかわしといたらいいのになぁと思うのですけどね。まぁ、残念ながら、こんな考えは私の独りよがりなのでしょう。

最近はの世間の人たちは家族以外は敵みたいな認識で、悪い意味で目立つ傾向のある私のような存在は疎ましい以外の何者でもないのかもしれません。だから、悪しざまな言い方になってしまっていますが、多分、私の方に問題があるのでしょう。

それで、ある日の休日にバイクででかけようとしていると、

「元気か?がんばれよー!」

と声をかけられました。
認知症(たぶん?)がはいっている男性のご老人です。昼間、私がでかける時間に散歩にでるようでこの方もわりと顔を合わせる方です。

普段、

「認知症を患うなんてのはただの死に損ないだ。」

なんて言ってる私とちゃんと向き合ってくれるのは認知症の老人だけだというのが、妙に可笑しく感じるのでした。

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