ITaフェス 荒川戸田緑地 2023/04/15,16
ライブに通う様になって14年と少し。
人生で初めてのフェスに参加してきました。
バンアパは凄い!
主催は、the band apartで、1日目がフェス形式、2日目がワンマン。
もともと2018年の秋に行われる予定だったこのフェスは、川の増水期にあたることから2020年に延期され、コロナ禍がぶち当たったために再延期となり、この2日間での開催となった。
しかし、なんと前日に、会場のすぐそばでデカめの火事が起こった。私はそのとき仕事中だったのだけど、仕事終わりにTwitterでそれを知って戦慄した。「またか…」という思いが無かったかと問われると嘘になる。
ただ、もう正直、何度延期になっても開催されるのだと信じていたし、逆にまた、当日に再延期される可能性すら常に想定していたので、不思議と心は穏やかだった。主催者は本当に肝を冷やしたことだろう。開催されて本当に良かった。
私は、1日目は BUGY CRAXONE合わせ、2日目はワンマンに間に合う様に、両日共に14時ぐらいから会場にいた。
1日目、ちゃんと14時に着く予定で向かったのだけど、駅から会場を目指す際に違う川へ向かってしまったことにより、到着したときは"ふぁいとSONG"が始まっていた。「いろいろあるけど みんなで頑張ろうぜ」という歌詞が見事にハマる私にとっての開幕であり、これはこれでありだなと思いながら客席エリアへ。
降りしきる雨の中、それを全く感じさせない演奏が印象的だった。
ブージーは、明日も観に行く。イメージを膨らませながら、染み込ませるように、これからもどんどん好きになっていくバンドをなかなか訪れないであろう野外でしかも雨というシチュエーションで楽しむことが出来た。今もっとも、ファンが増えて欲しいと願ってやまないバンドです。
その後は外でコーヒーを飲んだり、後方で演奏を聴いたり、タバコを吸ったりしながらバンアパを待つ。場所によっては焦げ臭い匂いがした。火と草と、雨と川と、そして食べ物の匂いが混ざり合う空間に爆音が鳴り響く!
そうこうするうちに、1日目ラストのthe band apart!
全く弱まらない雨の中、"Eric.W""The Ninja"のキラーチューンが演奏され、会場で発売となったAlright e.p.より"Sunday Evening"へと続いていく。楽しみにしていた新曲は、突き抜けるような爽快感が印象的だった。
そして、原さんによる「板橋が生んだ星、坂本真綾さんです!」の紹介で、坂本真綾さんがステージに!すげえ!
ゲストミュージシャンも登場し、とても豪華な布陣で、坂本真綾さんと原さんのデュエット曲である"でも"が始まる。とにかく楽しそうだった。この曲は、とてもバンアパという感じの曲で、そこに何の違和感もなく真綾さんの声が鳴っているので必聴です。「落ちたら終わりさ」がこんなにポップに聴こえるって凄まじいです。
続けて"Be mine!"
何かトラブルがあったようで、一度目の間奏に入るところで演奏がストップ。本当にスムーズに木暮さんのドラムに合わせて演奏が止まり、ステージ上の真綾さんも荒井さんも止まったことに驚いていた様子だった。トラブルがあっても何事もなかったかの様に曲を止められるところに、熟練の凄みを感じた。こちらとしても、どうあれこのスペシャルな編成を1.5曲分楽しめることになったのは嬉しさしかない。
それにしても夢のような時間だった。私は板橋区民ではないけれど、星ですよね、板橋区の。雨の中、土手の上から見てる人がそれなりにいたのも何だか良かった。
坂本真綾さんとの演奏が終わると、本編ラストの"When You Wish Upon A Star"!
野外にとてもよくあう曲だなと思った。そして、アウトロがいつまでも続いて欲しいという毎度ながらの感情が、今までで一番強かった。
アンコールでは、"beautiful vanity"が演奏された。
毎度書いている気もするが、バンアパの曲終わりの全員で合わせる音の凄まじさ!本当にこれは、皆さんぜひ一度体感していただきたい。全身で浴びる音と対峙して、呑まれぬよう正気を保てるよう必死になれます。
最高の音とともに、1日目が終わった。
2日目は道を間違えることもなく、14時に到着。
素晴らしい天気と思いきや、見上げるとほうぼうに不穏な雲。
始まる頃には気温と不釣り合いな冷たい風が吹いており、開演前に掛川マネージャーから、「雷が鳴り出したら中断して避難してもらうのでよろしく」という旨のアナウンス。
二度にわたる延期、前日の火事、1日目は通しで雨、そして2日目は主催のワンマンでピンポイントの荒天!参加者としてはこのジェットコースターっぷりを楽しむ他なく、ニヤニヤしながら開演を迎えた。
"coral reef"から始まり、"higher"→"amplified sign"の嬉しい流れ。正直、ここから後のことは、ほぼ覚えてないので掘り起こしながら書きます。
一度目のMCが終わって、新曲が2曲演奏された頃にはもう雨が降り出していたような。
"キエル"のイントロが鳴ると、渋公のことを思い出し、しかしこの曲は広い空間にとても合うなぁとしみじみ。
"Taipei"のアウトロの曲調が変わるところ。そこに合わせる形で雨が豪雨に変わる素晴らしい演出!本当に粋だなと思いましたね。神は音楽にあかるい。
MCを挟んで、とても久しぶりにライブで演奏された気がする"FUEL"!盛り上がること!この曲の間に、雨がほぼ止み、そのタイミングで"MTZ"!
一番この場で聴きたかった曲です。傘を持たずにこの曲を迎えられたことが嬉しかったし、それはもう素晴らしい演奏で、広い空間でこの曲に合わせて身体を動かせたことはかけがえのない経験でした。
"ZION TOWN"のときには、歌詞の「この目の前に火を起こしてくれ」という歌詞がとても背徳的に聴こえるシチュエーションにアガった。演出!
多分この辺りのタイミングで雷が少し鳴り出して、本当にすぐPAテントから掛川さんが出て来て対応のためにステージの方へ向かったのを見た。全員がプロの集団なんだなと感じた。
野外でぜひ聴いてみたかった"Waiting"も聴けたし、明らかに最後じゃないタイミングで"夜の向こうへ"が演奏される驚きもあった。
本編最後は"Eric.W"で、この曲に始まりこの曲に終わるという美しい流れ。私は気付かなかったのだけど、どうやらこのタイミングで虹が出ていた様で、原さんが話していた通り、「神様がPAと音響を担当していた」ライブでした。
アンコールは"K.and his bike"!
何度も聴いて、それでも聴くたびに圧倒されて。その繰り返しでどんどんのめり込んできた曲は、この日もまた素晴らしかったです。
そしてダブルアンコールは"beautiful vanity"!
堪らないですよね。前日とは異なり、「猛毒を一滴たらして帰ります」のMCからのベースの轟音ですよ。痺れること!
アウトロが終わるとき少し感じていた寂しさも、結局はあの凄まじい音に昇華され、残ったのは、是非またこのイベントを可能なら定期的に開催してほしいという欲望でした。
人生初のフェスは、この日までの道のり(参加者という立場ではあるが)を含めて、とても素晴らしい経験でした。宝です。
また是非!
本当に楽しい2日間でした!
the band apartは最高です!
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