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気づいた時には後悔を…[2]IH(過去)編1話

○○:はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…

まだ朝方のこの時間でランニングをしている人は少ない…

いや、いない……

だからこそ僕は走る

僕は努力を人に見せたくないから

決まった時間

決まったルート

前の自分ならこんなことはしないはずなのに何故か今の僕は実行している

久しぶりだなぁ…

こんなにも毎日が楽しいって思えるのは…

ガチャッ🚪

○○:ただいまぁ〜

明香里:あらおかえりなさい、ご飯前にシャワー浴びてくる?

○○:うん、そうするよ

はぁ…

俺ってバスケ下手だよなぁ…

周りから上手いって言われても実際は怪我して利き腕が使えなくなって俺の積み上げたものは全て消えた

けど毎日が楽しい

バスケが上手くなる、強くなる環境に俺は出会えたのだから…

健太郎:お、ランニング終わりか!

○○:終わって今からご飯

明香里:お茶でいい?

○○:うん、ありがとう

健太郎:いただきます

○○:いただきます

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健太郎:そういえばバスケ部に入部してどうだ?楽しいか?

○○:ん〜…さぁねŧ‹”ŧ‹”( 'ч' )ŧ‹”ŧ‹”

明香里:顧問の先生殴ったらしいわよ?

健太郎:なんだと!

明香里:そうよ?ちゃんと怒って!

健太郎:勝ったか?

明香里:は?

○○:1発KO

健太郎:流石俺の息子!

明香里:健太郎!

健太郎:だ、だめじゃないか〜

○○:ご馳走様、んじゃ行ってくる

明香里:お弁当置いておくわね?

○○:ありがとう母さん…

健太郎:部活9時からだろ?早くない?

明香里:見た感じ楽しんでるのよ

健太郎:そっか…なら嬉しいかな

明香里:近所の高橋さんっているでしょ?

健太郎:うん、いるね

明香里:そこの長男の秋宗くんもバスケ部らしくてしかも同じクラスみたいよ?

健太郎:まじか!けど今の○○の心を開くのはなかなか…

明香里:私たちに言ってないだけで楽しんでるのかも

健太郎:それならいいけど…

─────────────────────

ダムダムダムダムダムダム…

シュッ…

スパッ…

シュッ…

スパッ…

シュッ…

スパッ…

コロコロ…

憲伸:お!○○じゃんおっはー

○○:おはよう憲伸

憲伸:早かったな、まだあいつら来てないぞ?

○○:それまでウォーミングアップするよ

憲伸:昨日は驚いたよ…まさかお前が剣と喧嘩で渡り合えるとはな

○○:お前はすぐ床に伸びてたもんな

憲伸:俺はお前と剣の喧嘩を止めようとしただけなのになんで俺が殴られなきゃいけないの!

○○:ごめんごめん笑笑

ギィ~…🚪

秋宗:お前家近くなんだから一緒に行こうって言ったじゃねーかよ

○○:ごめんあっきー

秋宗:そのあっきーやめろ

○○:いいじゃん!可愛いし

秋宗:俺は可愛いなんていらねぇんだよ!

真琴:何を朝から怒ってんの秋宗

○○:あ、おはよう

真琴:○○おはよう

憲伸:あれ?龍雅と剣は?

龍雅:いるわよ?

憲伸:うわっ!びっくりした!

龍雅:○○おはよー!!

○○:龍雅おはよう

剣:みんな早いねぇ〜…あ?体痛くてこないかと思ったけどよく来たな

○○:けっ…あんなんで休まねーよ

剣:ふっ…んじゃ揃ったから軽くやんぞ

門松:貴様ら何やってんだ?

剣:何って朝練だよ

門松:バカかお前ら!龍雅今何時だ!

龍雅:何時って…7時じゃん

門松:7時になんで朝練しなきゃ行けないんだよ!俺まだ朝ごはん食べてないんだぞ!

剣:知らねーよそんなの、つーかなんで俺たちがやってんのわかったんだ?

真佑:私よ?

剣:げ…真佑……

真佑:げっ!じゃないよ!なんで決まった時間からやらないの!

剣:おい秋、お前の彼女だろ…何とかしてくれよ

秋宗:あーなったらもう無理だ

真佑:あきちゃんなんか言った?

秋宗:いいえ、なんも言ってません!

龍雅:彼氏弱いわね

秋宗:ほっとけ

真佑:なら私が見てますから先生はご飯食べてきていいですよ?

門松:あ、まじ?んじゃお願いね!

真佑:全く…

ダムダムダムダムダムダム…

剣:おいノッポ、またボコってやるからやろうぜ

○○:うるせーよボケ

剣:お?負けるのが怖いんだろ?

○○:はいカッチーン!ぶっ倒してやる!

剣:そう来なくっちゃ…

龍雅:ねぇみんな…どっちが勝つと思う?

真琴:剣だろ

憲伸:俺も剣かな

秋宗:剣だろ…けど○○が勝つ日が来ると思うよ

龍雅:あっきーと同じ意見ね

真琴:剣が負けるなんて想像出来ない

憲伸:つーか○○って絶対に右利きだよね

龍雅:え!でも左でシュート打ってるじゃん

秋宗:いや、ハンドリングとか右のレイアップ見たらわかる…

真琴:確かに左と右で全然違うな

憲伸:でも剣が圧倒的だよなぁ…

龍雅:まぁね〜あ、剣が言ってたのよ

憲伸:なにが?

龍雅:ミニバスの頃に1人だけ面白い奴がいるって

真琴:まさかそれが○○って言いたいのかよ

龍雅:そうなのよ、覚えてない?ミニバスの全国大会で戦った宮舘ホークスってチーム

秋宗:ボコボコにしたところだろ?

龍雅:それ二戦目でしょ?1戦目苦戦したところあったじゃない

真琴:確かあの時6年生1人にやられたよな……ってまさか!

龍雅:うん、みんな家帰ったらDVD見てみな?

剣:何の話だ?

龍雅:あらお疲れ様

○○:くそ…あと少しだったのに…

剣:どこが惜しかったんだよお前、7-0じゃねーかよ

○○:なんも言えねえわ

剣:お前が弱いままだとチームも弱くなるんだよ、お前1年にもこのままだと負けんぞ?

この言葉は僕の胸に刺さった…

僕が1年に負けるとかじゃない

僕が弱いとチームも弱くなる……

またあの嫌な日々に戻りたくない…

絶対やだ!!

この日を境に全てが変わっていく

─────────────────────

武満:オラオラどうした!こんなもんか!

卓也:くそっ…

武満:そんなんじゃ俺には勝てねーよガハハハ!

卓也:クソゴリラ…

武満:誰がくそごりらだぁぁぁあ!!!

卓也:ギャァァァァァア!

マイク:アイカワラズアホダナ

京四郎:それはそうですね

日奈子:あの二人は置いといてドリンク飲みましょ?

京四郎:お!日奈子ありがとうね

マイク:Thank you

日奈子:いえいえ

健:京四郎さん!3P勝負しましょうよ!

京四郎:別にいいけど泣くのはそっちよ?

健:もう泣かないっすよ!

京四郎:んじゃやるか

ガチャッ🚪

若月:うるさいぞ!誰だ騒がしい奴わ!

武満:あ…おす…

卓也:おす…

若月:貴様らか!!そんなに走りたいなら走らせてやる!エンドラインに並べ!

武満:卓也のせいだろうが!

卓也:だからって殴ることないでしょ!

若月:いいから早く走れ!日奈子!フルを2セット!17もだ!

日奈子:は、はい!では行きます!

ビー!!!

大将:ほんとあの2人似てるよな

京四郎:ですねぇ〜…けどめんどくさいっすよ

大将:いつか卓也を追い越す逸材が生まれるんだろうな

京四郎:そうですか?まずは卓也が武満さんこさないと無理っすよ

大将:卓也が武満を倒す日が来るのか…それは楽しみだな

京四郎:健、先生機嫌悪いから終わったらやろう

健:はい!

マイク:コトシコソハリュウザンジタオス

大将:だな…俺たちなら出来るぜ

若月:大将!

大将:はい!俺なんかした?

京四郎:さぁ?

清衡:武満さんや京四郎さん、卓也を倒す逸材なんているのかな?

明智:信じられないよな…

優:もしそんな奴がいるなら相当な問題児だぜ?

健:会ってみてぇな〜…そんな奴によ

卓也:はぁ…はぁ…疲れた…

健:お疲れ様、ドリンク

卓也:あんがと…

若月:武満!!!貴様高総体で勝って満足してるわけないよな!

武満:もちろんです

若月:龍山寺を倒して優勝する為にこんなことしてていいのか?

武満:ですが佑美さん

若月:若月先生だろ

武満:卓也が俺の事をクソゴリラって言うんですよ?僕は傷つきました!

若月:本当の事だろ?

武満:は?

若月:お前クソゴリラじゃん

武満:……酷い!もう僕お家に帰る!

若月:お前今日午前練って言ったろ?逃がさんよ?

武満:いくら先生でも生徒にクソゴリラって酷いですよ!教育委員会に言いますよ!セクハラされたって!

若月:おい!私なんもしてないだろ!

京四郎:すげぇよな、あの若月先生ですら武満のペースに呑まれて崩れてるぜ?

若月:わかったわかった!だからまずは涙をふいて練習しよう!な?

武満:グスッ…酷い……

若月:はぁ…やれやれ…おい日奈子

日奈子:は、はい!

若月:ドリルね

日奈子:はい!

若月:はぁ…やれやれ

武満:行くぞお前ら!全力でドリルやんぞ!

部員:おう!

若月:ふふっ…この子達と優勝したいなぁ…

─────────────────────

秋宗:…………

蓮加:お兄ちゃん何見てるの〜って何?バスケ?

秋宗:うん、ミニバスの頃のね

蓮加:ミニバス?なんでまたミニバスの試合なんて……しかも全国大会のやつじゃん

秋宗:そう、初戦で戦ったチーム覚えてる?

蓮加:宮舘ホークスミニバス?覚えてないなぁ〜…

秋宗:俺も龍雅に言われるまで覚えてなかったんだよ

蓮加:龍雅さんに?何を?

秋宗:この試合スタメンは龍雅、健、真琴、俺、剣だったんだよ

蓮加:うん

秋宗:この試合のDVD見て思い出したよ

蓮加:何を?

秋宗:この紫のユニホームの7番は○○だ…

蓮加:え?○○さん?新屋敷○○さん?

秋宗:うん…確か点数は……あったあったほら見ろよ

蓮加:82-52で瀧澤バッファローが勝ったよね?わかってるよ?

秋宗:違う、この得点だ

蓮加:…………え!7番しか点とってないじゃん!

秋宗:52点中45点○○だぜ?ミニバスの試合でさ

蓮加:あ!あのダンクしたりすごいプレーしてた人でしょ!

秋宗:流石の剣でも止められなかったからな…あの試合からだよ、剣がストイックになったのは

蓮加:あの5人でも止められなかった……もし○○さん以外にもすごいプレイヤーがいたら負けてたのかな?

秋宗:それはわからん……けど俺たちは○○と戦ってる…そして誰もがこいつはやばいって思ったのになぜ忘れてたんだ…

蓮加:この時の○○さんって右利きなんだね、今は確か左だよね?

秋宗:うん、左のシュートが中途半端でな…いや、もし中途半端じゃなくなったら……

蓮加:あれ?お兄ちゃんどこ行くの?

秋宗:○○の家に行ってくる!

蓮加:待ってよ!蓮加もいく!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

○○:で、何の用だあっきー

秋宗:だからその呼び名をやめろ!

蓮加:○○さんやっほー!

秋宗:あれ?2人できたの?

蓮加:うん!

明香里:○○?お客さん?あら!高橋さんの所の……

秋宗:初めまして高橋秋宗です

蓮加:妹の蓮加です

明香里:○○の母です、良かったら中に入って入って?

秋宗:お邪魔しまーす!

蓮加:お邪魔しまーす!

○○:あ、おいお前ら!

ガチャッ🚪

秋宗:へぇ〜普通の部屋だな

○○:勝手に来てそれは酷くない?

蓮加:○○さん!聞きたいことがあるの!

○○:なに?

蓮加:なんで左でシュート打つの?

○○:左利きだから

秋宗:けどお前ミニバスの頃右利きだったろ?

○○:なんでそれを……

秋宗:俺ら瀧澤バッファローでお前らのチームと戦ったことがあるから

○○:なんだそういうことか……

蓮加:それでなんで?

○○:それをお前らに話してなにかメリットでもある?

秋宗:わからん、けど俺たち5人はあの試合でお前に50点近く取られた…試合に勝ったのはおれたちだ、けど個人で言えばぼろ負けした

○○:だから何?あの頃の俺と今の俺は違うよ?

秋宗:あの試合で1人物凄く成長して化けたやつを俺は知ってる

○○:誰だよ、そんな奴いねーだろ

秋宗:剣だよ

○○:は?剣が?

秋宗:なんで剣がお前に毎日のように突っかかってると思ってんの?

○○:は?知らないよ

秋宗:ま、それはあいつから聞くんだな

○○:もし俺が聞いたとしてもあいつは答えると思う?

秋宗:いや、答えないね

○○:なんじゃそれ

秋宗:少なからず俺たちはお前を認めてる…けど点が取れないなら後輩の道行にお前のポジションを奪われるだけだぞ?

○○:…………

秋宗:どうする?今からシュート練する?

○○:お前が教えてくれるのかよ

秋宗:俺左利きじゃねーもん

○○:…………はぁ、あんまりお願いしたくないけどあの人しか居ないか…

秋宗:あの人?

蓮加:どの人?

─────────────────────

○○:お願いします…僕にバスケを教えて下さい…

健太郎:なんでまた俺なの?お前の周りにはすごい子達がいるんだろ?

○○:いるよ……けどまだ怖い…裏切られるんじゃないかって

健太郎:ならなんでまたバスケをしたんだ?

○○:わからない…けどここで諦めたら俺一生後悔するって思ったから入部した

健太郎:今日は夜遅い…そろそろ寝なさい

○○:うん…変なこと言ってごめんなさい……

ガチャッ🚪

○○:父さん、母さんおやすみなさい…

健太郎:明日はオフか?

○○:うん…オフだよ?

健太郎:明日の朝早く起きろよ?これから忙しくなるからな……

○○:うん!おやすみなさい!

バタン🚪

明香里:本当ツンデレね

健太郎:俺が断ると思った?

明香里:いいや?親バカだからなんでも願いを聞き入れるの知ってるから笑笑

健太郎:○○が生きていてくれるだけで僕は嬉しいよ……それにあんな地獄を経験したスポーツをまたやりたいと思ってくれたこと…それに自分が強くなりたいために僕を頼ってくれたんだよ?父親として全面的にサポートしますよ!えぇ!

明香里:そうね…○○にはまた笑顔でバスケットをして欲しいわね

健太郎:そうと決まれば僕も寝ようかな

明香里:それじゃあ寝ましょっか

健太郎:うん

○○:…………はぁ、あの時もっと深く切ってたら死んでたのかな…

あの時は簡単に死ねるって思ったのに…

なんか今は…

どうなんだろ…

わかんないなぁ…

けどこれだけは確信できる…

また裏切られたらまた簡単に死を選ぶと……

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