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改めて貴方に惚れました

あなたが私に告白をしてくれたあの日の事を私は忘れない

告白場所は放課後の体育館裏

シチュエーションはベタで誰もが在り来りなって思うかもしれないけど私は場所なんてどこでもいい

だって片想いと思っていた相手から告白を受けるのだから

普段の様子からは全く想像出来ないあいつのもじもじ感

そして告白するまでの無言の時間

今から大好きな人に告白をされる

それだけで私は興奮していた

…………

ダメだ

あの顔はもう頭が真っ白でなんて言えばいいか分からない感じだ

○○:………ごめん…やっぱりまた今度で……

飛鳥:今度は無いぞ○○、今日しか判断しないよ

○○:飛鳥…

飛鳥:ゆっくりでいいから…ちゃんと○○の言葉で聞きたいな

○○:わ、わかった……

……………

しかし遅い

いつまで無言なんだお主

「好きです!付き合ってください!」

私は待ってるぞその言葉を

……………

舐めてるのか貴様

何がお日柄も良くだ

曇天だろ

やっと話したかと思えば天気の話だと?

舐めてるのか貴様

……………

○○:ふぅ……ふぅ……

自分の心臓の音がうるさくて言いたいことが……

○○:あ…飛鳥…

飛鳥:うん、なに?

○○:好きだ!付き合ってくだしゃい!

飛鳥:…………

○○:…………

飛鳥:噛んだ?

○○:噛みました…

飛鳥:ふふっ…こちらこそ付き合ってくだしゃい

○○:噛んだ?

飛鳥:お前のまねだバカ

○○:ぐっ……

飛鳥:せっかくの告白で最後噛む?

○○:う、うるさい!緊張してたんだ!やり直させろ!

飛鳥:むり、告白のやり直しは許しません

○○:え〜

飛鳥:○○の気持ちはちゃんと届いたから

○○:なら!

飛鳥:私も好き…だからよろしくね彼氏くん

○○:やったぁー!!!!

結果的にはちゃんと言ってくれたから許してやろう

そんな彼とは学校ではベタベタせずいつも通りの関係を続けていたけどやっぱりニヤニヤは誤魔化せないみたいだ

学校では友達

それ以外はカップル

いちゃいちゃするのは恥ずかしいけど

○○の為ならなんでも許してしまう私が怖い

そんな私が日課にしているのは

「うまくいきやすい彼氏と彼女」

という本を読みまくっているという事

彼女「大食い」

彼氏「料理上手」

なるほど

明日から○○にお弁当を作らせよう

次の日○○の手作りお弁当が食べたいと言ったら本当に作ってきた

○○:不味くても残すなよ!

言われなくても残すわけが無い

身に危険を感じたら残すけど

お弁当と言っても至ってシンプルで

おにぎり(焼き鮭)

卵焼き

唐揚げ

ほうれん草のおひたし

きんぴらごぼう

話を聞くと朝早く起きて自分のお弁当を作ってから登校しているそうだ

でも味は食べてみたいとわからん

飛鳥:ま、期待はしてないよ

しかし私の胃袋は簡単に掴まれてしまったようだ

○○:ど、どう?

飛鳥:ふつう

○○:そっか…ならもっと美味しいお弁当作らないとな!

彼は笑ったが少し寂しそう

本当はものすごく美味しかった

それなのに私は素直に言えなかった

ごめんね

高校生活が終わり大学へ進学

両親公認の間柄となり大学からは一緒に住むことになった

一緒に住むとわかることがある

私は1人では何も出来ないのだ

炊事は○○

掃除も○○

洗濯は最近覚えた

流石にまだ下着を見られるのは恥ずかしいから

彼のご飯の味はとても美味しい

毎日の楽しみは?

もちろん彼氏のご飯

私は何も出来ない

それなのにわがままを言ってしまう

○○が私のプリンを食べた時なんて大喧嘩

たかがプリン1個なのになぜあそこまで怒る必要があったのか今となっては不思議でしかない

結果私が謝った

だって私が八つ当たりをしたんだもん

それなのに

○○:確認しなくてごめんね💦

なんて言う

正直ウザイ

けど好き

意味わからなくていい

○○にだけ伝わればいいから

そんな愛しの彼氏の誕生日

高校の時はあんなにニコニコしてたのに

社会人になった彼は

○○:いつもありがとうね

なんか対応が大人でムカつく

お前が生まれた日なんだぞ!

もっと喜べよ!

けどそんな彼は……

ガチャッ🚪

○○:Happybirthday!!!

飛鳥:……

○○:Happybirthday!!!Foooooooooooo!!!!

ガチャッ🚪

○○:お、おい!なんで閉めるんだよ!

私の誕生日の時は馬鹿みたいに準備して馬鹿みたいに喜ぶ

ほんとバカ

けどありがとう

………………

私思うんです

結婚式の神父って本当の神父じゃなくてアルバイトとかなんでしょ?

なんでそんな偽物の奴の前で誓わないといけないの?

神父:その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、そ……

飛鳥:はいはい誓いますよ

○○:飛鳥!

やばっ…

やらかした

○○:僕も誓うから!一緒に居ようね!

飛鳥:う、うん

○○:キスしよ!

神父:な、汝…

○○:うるせー!キスの邪魔すんな!

神父:すみません…

バカで助かった…

沢山の人に祝福され

沢山写真を撮り

沢山の御祝儀が支払いで無くなった

昔は結婚にメリットがどーたらとか言ってたけどやっぱり好きな人とずっと居れるのは嬉しいよね

けどそんなある日

医者:おめでとうございます2ヶ月目です!

飛鳥:………え!まじ!

○○:………え?まじ?

○○との子供

むふふ

嬉しくてニヤけが止まらん

けど○○の表情は少し暗い

家に帰って私は彼と向き合った

飛鳥:子供の事だけど……

彼は目を伏せ私の目線から逃げる

私だけなのかな

子供が出来て喜んでるのは

やっぱり彼は子供なんて望まないのかな

それなら私は

○○:……怖いんだよね

怖い?

何が怖い?

飛鳥:何が怖いの?父親になる事が?

○○:ごめん…

あんなに愛し合って愛し合って

ま、互いにぶつけた欲の結晶がこどもだもんね

欲しくてセックスしてるわけないもんね

互いの性欲処理の結果よな

けどなんか悲しいな

○○:俺の誕生日覚えてる?

飛鳥:6月8日でしょ?それが?

○○:僕の母さんの命日なんだ

飛鳥:え

私は泣いた

恐らく人生で1番泣いたのかもしれない

彼の苦しみを知らず私は今までの自分の行動を恥じた

彼が自分でお弁当を作る理由

家事が得意なこと

2人きりになるとウザイくらい愛おしいくらい甘えてくる所

全てが繋がったような気がした

だからこそ私はこの子を産む

そして私と○○2人で赤ちゃんを育てたい

改めて誓のキスをした

………………

飛鳥:○○…

○○:飛鳥…

飛鳥:私死なないから

○○:絶対に守るから

飛鳥:ふふっ…女の子だよ

○○:うわぁ…可愛い…

飛鳥:泣きすぎ

○○:ありがとう…

夫のためにも私は簡単には死ねない

というか死なない

○○の事だ私とこの子を今まで以上に愛してくれるだろう

飛鳥:○○大好き

○○:僕も大好きだよ…ゆっくり休んで

飛鳥:うん…少し疲れたから寝るね…

それから飛鳥は静かに眠った

……………

医者:おめでとうございます!今度は双子ですよ!しかも2人とも女の子!

飛鳥:………え?双子?

○○:………え?双子?

………………

飛鳥:本当にあんたの遺伝子強すぎ

○○:飛鳥の遺伝子と俺の遺伝子が合うんだな!

飛鳥:普通にキモイ

○○:はい泣きます

飛鳥:泣け泣け

○○:けどあんなに夜可愛い声で…いったぁ!

飛鳥:うるさい

○○:夕飯何食べたい?

飛鳥:あなたのお弁当が食べたい

○○:いいの?

飛鳥:うん、あれがいいのよ

○○:なら買い物行きますか

飛鳥:そうしましょう

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