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気づいた時には後悔を…[2]IH(過去)編7話

○○:あちぃー…

秋宗:夏だからな…

憲伸:この後だよな俺たちの試合

龍雅:ちゃんと水分取らないと死ぬわ…

真琴:はぁ…次はどこだっけ?

龍雅:鷹場中よ?

秋宗:鷹場?

○○:どこ?

龍雅:知らないわよ、倒せばどこだって同じよ!

○○:トイレ!

秋宗:はいよぉ〜

龍雅:ゼリー食べようか

憲伸:賛成!

真琴:コーラ飲みてぇ!!

○○:はぁ…すっきりすっきり〜…ドゥンドゥン…うわっ!びっくりした!

『グスッ…あ、すみません…』

○○:いえいえこちらこそすみません💦痛かったですか?

『あ、いえ…試合に負けて悔しくて…』

○○:そうでしたか…

『バスケ辞めようと思うんです…ってすみません…急にこんな話されても困りますよね』

○○:僕もバスケを辞めたいって思ったこともあります…それにバスケを辞めた時期もあります

『じゃあなんで今もバスケをしてるの?』

○○:なんだかんだいろいろあったけどやっぱりバスケが好きなのかもね笑笑

『君は強いんだね…私は君みたいに強くないよ…』

○○:強くなくて良くない?むしろ弱くていいじゃん

『え?なんで?』

○○:自分で強くないってわかっているという事は強くなるまでの伸び代が物凄くあるから最高じゃない?

『は?』

○○:だってだって!今どん底なんでしょ?けど底まで来たらあとは上がるしかないじゃん!最強だよ!

『けどまた落ちるかもよ?』

○○:そういう困難があるから1度きりの人生を楽しもう!って思えるんだよ…死んだら何も出来ないからね…

『そうだね……』

○○:それにさ…選手だけがバスケットボールじゃないよ?広く視野を持ってみな?絶対に世界と人生が変わるから!!ね?だから下を見ないで前を見てみよ!

『あ…あなた…』

○○:ん?僕のこと知ってるの?

『去年の全中でアリウープダンクした人だ…』

○○:見ててくれたんだ!ありがとう!

『なんで見ず知らずの私を助けてくれたの?』

○○:助けてって聞こえたから

『え?』

○○:なんか昔の僕に似てたから…誰も仲間や友達がいなくなってさ…何を信じて何をどうすればって考えるけど人が怖いんだよね…

『うん…』

○○:な、なんで泣いてるの!?

『わからない…わからないけど…嬉しくて…』

○○:そんなに泣いたら可愛い顔が台無しだよ?

『ば、ばか///』

○○:そうそう!笑顔笑顔!

秋宗:なげえトイレだなおい、そろそろ試合だぞ?

○○:はーい!それじゃあまたね!

『ね、ねぇ!また会えるかな?』

○○:ん〜…わかんない!けどバスケを続けていたらもしかしたら会えるかもね笑笑

『あ、待って!ジャージ!』

秋宗:おい急げ!時間だぞ!

○○:やべっ!怒られる!行くぞあっきー!!

秋宗:あ、おい待てよ!

『瀧澤中バスケ部…新屋敷○○…君…』

─────────────────────

2Q 41-10

○○:っしゃぁぁぁぁあ!!!

門松:いいぞ○○!!

蓮加:○○君……かっこいい♡

真佑:すっかりメロメロじゃん笑笑

ブー!!!

TO:青タイムアウトです!

審判:ピッ!青タイムアウト!

門松:よーし!よしよし!

龍雅:ここで弱めちゃダメ!しっかり最後まで頑張るよ!

部員:はい!

憲伸:○○ナイスダンク!

○○:あはは!!

選手だけがバスケットボールじゃないよ?広く視野を持ってみな?絶対に世界と人生が変わるから!!ね?だから下を見ないで前を見てみよ!

『ふふっ…かっこいいじゃん新屋敷○○くん…』

「紗耶?みんな帰るってよ?」

紗耶:私はこの試合を見たい…

一也:わかった、それじゃあ先生に挨拶してくるから待っててね

紗耶:うん…

秋宗:○○!

スッ…

ガシッ!

シュッ…

スパッ…

46-12

○○:よし!

憲伸:おいずるいぞ!

真琴:いいからディフェンスだ!

憲伸:シュン…

紗耶:す、すごい…

「凄いよな…ガードからセンターまで全てのポジションができる中学生……そして得点に対して貪欲な性格…実に欲しいな」

紗耶:……

若月:あ、急に申し訳ない…私はこういう者だ

紗耶:都立乃木坂高等学校男子バスケットボール部顧問…若月佑美さん?

若月:うん、所で雪白山のキャプテンがこの試合を見てるなんて…しかも1人で

紗耶:私は仲間なんていませんから…

若月:そう…

紗耶:所で若月さんはなぜこの試合を?

若月:来年うちにどうしても来て欲しい選手がいてね

紗耶:新屋敷○○くんですか?

若月:知り合いなの?

紗耶:知り合いと言いますか…その…

若月:訳あり?

紗耶:まぁ…はい…

若月:そっか…それに推薦は新屋敷くんだけじゃない、私はあのマネージャーも欲しくてね…

紗耶:マネージャーも推薦あるんですか?

若月:珍しいでしょ?良いマネージャーとキャプテンがいい時は勝つ!なんて言葉があるんだけどそのために必要なんだよね〜

紗耶:マネージャー…

若月:ぶっちゃけあのマネージャーの子には断られたんだけどね笑笑

紗耶:え?

若月:だからマネージャー枠がひとつ空いてるんだよ…

紗耶:それって私が立候補してもいいんですか?

若月:雪白山のあなたがマネージャー?あはは!

紗耶:何かおかしいんですか?

若月:だってあなたマネージャーした事ないでしょ?ずっと選手の貴方に全国BEST4のバスケ部のマネージャーになれる?

紗耶:わかりません……

若月:それにこの話はあなただけで決めれる話じゃないわよ?

紗耶:はい…

若月:マネージャーの枠が空いてるのは事実…この穴を埋めれる覚悟と勇気がもし出来たらその名刺の番号に電話して?
その時は話聞いてあげるから

紗耶:はい!ありがとうございます!

若月:けど君は恐らく全国の強豪校から声が来ると思う…周りからたくさんのお節介があると思うけど決めるのは全て自分だからね?
それじゃあ私喉乾いたから飲み物買ってくるから失礼するよ

紗耶:はい…

決めるのは全て自分……

ピピピッ!

審判:レフェリータイム!

─────────────────────

○○:はぁ…

ガラガラ🚪

秋宗:ちーす、元気か?

○○:元気じゃねーよ…優勝した所に俺いなかったし……

秋宗:怪我の具合は?

○○:うん…ま、靭帯やって2ヶ月だな

秋宗:そうか…ってことは夏休みの残りは病院か……寂しいな

○○:お前ぶち殺すぞ?

深川:こらこら〜病院でぶち殺すはだーめ

○○:あ、まいまい

秋宗:まいまい?

深川:○○くんの担当看護師の深川麻衣です!

秋宗:高橋秋宗です

○○:所でまいまい話って何?

深川:実はお客さんが来てて…

○○:お客さん?

健太郎:よう!

○○:なんだ父さんか…

健太郎:なんだって酷い!父さん泣いちゃう!

○○:いいから話って何?

健太郎:お前と秋宗くん2人に用があるって人が居るんだよ

○○:俺たちふたりに?

健太郎:どうぞ〜

若月:失礼します…

○○:ま、まさか…愛人……

健太郎:んなわけあるか!俺は明香里一筋だ!ってのは置いといて、こちら若月佑美先生だ

若月:新屋敷○○くん、高橋秋宗くん初めまして…
東京にある都立乃木坂高等学校男子バスケットボール部顧問をしている若月佑美と言います

秋宗:乃木坂高等学校…

○○:ん?あっきー知ってんの?

秋宗:去年夏冬全国2位、今年のインターハイはBEST4!超有名強豪校だぞ!

○○:そうなのか!

若月:説明ありがとうね秋宗くん

秋宗:あ、すみません……

若月:それで単刀直入に説明すると…

『2人とも乃木坂高校に来ないか?』

○○:……は?

秋宗:……は?

深川:すごーい!乃木坂高校に推薦?

健太郎:2人ともどうする?強豪校からの推薦だけど

秋宗:すげぇ…ほんとっすか?

若月:うん、どうかな?本来はこの時期の中学生への接触はダメなんだけどどうしても2人に来て欲しいから!

○○:なんで俺と秋宗なんですか?

若月:え?

○○:普通に考えてなんでスコアラー2人なんですか?

若月:え?そこ?

○○:それに怪我して昨日もちゃんとしたプレーできなかったし…秋宗を推薦するのは正解ですけど…
俺を推薦取るなんて本当にその強い学校の顧問なんですか?頭悪いんじゃないですか?

健太郎:おい○○!

○○:ちなみに東京の学校って言いましたよね?

若月:そうだよ?

○○:俺はもう東京でバスケはしないんで!

秋宗:○○…

○○:話は以上ですか?すみません…具合悪いので…

深川:若…出てもらえる?

若月:うん…ごめんねまいまい…

健太郎:先生ちょっとお話が…

若月:あ、はい…

秋宗:○○…俺も帰るよ

○○:ごめんな秋宗…

秋宗:気にすんな

─────────────────────

健太郎:うちの息子がすみません…

若月:いえ…こちらこそ彼のメンタルを考えずに急な訪問をしてしまいましたので…

健太郎:今の○○にはもしかして高校の事は考える余裕がないのかもしれません…

若月:あの

健太郎:はい?

若月:さっきの…

『俺はもう東京でバスケはしないんで!』

若月:とは一体…

健太郎:あぁ…中2の春までは東京の学校に通っていました…夏前に名古屋へ転校してきて今の瀧澤中にいます

若月:東京の学校で一体何が……

健太郎:いじめですよ

若月:いじめですか…

健太郎:はい、○○はだんだん1人になっていきました…そして2年に上がると○○はバスケ部を退部しました、○○にとって東京でバスケをやるということは自ら死にに行くような感じなんです…

若月:そんなことが…

健太郎:それに友との約束を果たせなかったことが一番の原因かと…

若月:それは一体…

健太郎:私の口からは言えません…

若月:わかりました…それでは○○くんを口説き落としてから聞きたいと思います

健太郎:○○はそう簡単には落ちませんよ?それに怒ると誰にでもキレますから笑笑

若月:そのようで…笑

健太郎:それになんで○○なんです?

若月:○○くんのことは去年の全中から目をつけていました…そして今回の県大会、全中を見て○○くんのファンになりました…
彼と……○○くんと共に頂点を目指したいと思いました!○○くんは波があります、それはとてつもなく荒波です…そんな彼に命を懸けてでも色んな景色を共に見たいと思っています!

健太郎:やべっ…俺が先生に惚れるところだったわ

若月:そ、そんな!健太郎さんにそう言っていただけるだなんて私幸せです!

健太郎:流石設楽さんの教え子だ…

若月:ありがとうございます…

健太郎:それじゃあ私はこれで…

若月:はい、私も失礼します

健太郎:あ、若月先生

若月:はい?

健太郎:○○と秋宗の組み合わせも最強ですけど…秋宗くん1人の能力をあまり舐めないでくださいね?

若月:え?

健太郎:○○より怖いですよ?

若月:肝に銘じておきます…失礼します

健太郎:○○より怖いって言い過ぎたかな?

秋宗:健太郎さんから見てそう思っていただけたのなら嬉しいです

健太郎:ま、事実だからな〜、剣くんと○○と秋宗くんの3人は1人ずつ誰にも負けないものを持ってる…それが理解出来ればみんな最強になる…

秋宗:最強……

健太郎:誰が剣くんの武器をものに出来るかな?はぁ〜…来年からの高校バスケが楽しみだよ〜

秋宗:剣の武器…俺の武器…○○の武器…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

○○:誰が東京なんて行くかっての…アホくさ……

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