ジロ・デ・イタリア2024、ポイント賞(マリア・チクラミーノ)事前予想
正直多すぎた。総合表彰台の1000000億兆倍の長さになりそうだったので別記事に。他の総合成績はこっち。
今年のプロファイルを見た印象として、フィニッシュ直前にアップダウンでひとクセ味付けされたようなステージが非常に多いように思われる。よって予想は登坂をやや重視で評価した。
候補1:ジョナタン・ミラン Jonathan Milan (リドル・トレック)
昨年のポイント賞ジャージ獲得者でもあり、今年も最右翼。
今年のティレーノでは、現役最高のスプリンター、ヤスパー・フィリプセンを相手にステージ2勝とポイント賞をもぎ取り、バレンシアナからポイント賞2連勝。本格的にスプリンターとしての開花も見せている。
スプリント前の流れにやや難があるような印象も受けるが、大柄なトラック競技出身者だけあって2位くらいまでは自前のパワーだけで十分上がってくる強さがある。
バーレーンに所属していた昨年はヘイグとカルーゾで総合も狙う編成だったが、今年移籍したリドルはかなりスプリントに寄せたメンバー編成。トレインが最高のポイントで発射してくれれば圧倒的なパフォーマンスが期待できる。
候補2:ティム・メルリール Tim Merlier
(クイックステップ)
今シーズンすでに7勝と、とにかく波に乗りまくっている男。
登れるスプリンターでもあり、ステージレースのファーストスプリント勝率が異様に高いスタートダッシュ男でもある。おまけにシクロクロッサーでもある。
なんだかんだグランツールのポイント賞には縁がない選手だったが、この絶好調に加えて若い天才ルーク・ランパーティのリードアウトとウルフパックトレインがあれば念願のポイント賞ジャージに手が届く可能性は十分に高い。
候補3:ビニアム・ギルマイ Biniam Girmay (アンテルマルシェ)
22年のジロではポイント賞2位につけながらも、ステージ優勝後の表彰台でプロセッコのコルクが顔面を直撃して無念のリタイアを喫したアフリカ期待の星。
22年ジロでは小集団スプリントでマチュー・ファン・デル・プールに競り勝ってジロ初勝利を収め、大集団スプリントでも勝てる次世代のサガン候補。上記2名と違ってチームとしてポイント賞を支える編成ではないのが難点か。
その他有力な候補
栗村修大先生の言葉を借りると、スプリンターは「勝ち始めると一気に勝ち始める」ため、正直誰がきてもおかしくはない。が、書き始めるとキリがないので他の候補たちは下にまとめる。
カーデン・グローヴス Kaden Groves (アルペシン)
ダニー・ファン・ポッペル Danny van Poppel (Bora)
フェルナンド・ガヴィリア Fernando Gaviria (モビスター)
カレブ・ユアン Caleb Ewan (ジェイコ)
エースを張れるスプリンターが複数人いるチーム
二人とも強力ではあるが、ポイント賞を狙う意味では分け合ってしまうよりも明確なエース一人の方が強力なのでは?と思ってしまうチーム。
各チームのエースナンバーは、どちらかといえばリードアウト役な選手がつけているあたり、余計にどうするのか謎。
ヴィスマ・リース・ア・バイク Team Visma | Lease a Bike
クリストフ・ラポルト Christophe Laporte、オラフ・コーイ Olav Kooij
大集団ではコーイ、登り基調ではラポルトが強いか。
エースナンバーはラポルト。
グルパマ・FDJ
ローレンス・ピシー Laurence Pithie、レウィス・アスキー Lewis Askey
おそらく平坦ではアスキー、登り基調ではピシーか?
エースナンバーはピシー。
チューダー Tudor Pro Cycling Team
マッテオ・トレンティン Matteo Trentin
アルベルト・ダイネーゼ Alberto Daineze
マリウス・マイヤーホーファー Marius Mayrhofer
スプリント時の序列はダイネーゼ>MM>MTだと思われるが、全員強力。
エースナンバーはトレンティン。
チームDSM
ファビオ・ヤコブセン Fabio Jakobsen
トビアス・アンデルセンTobias Andersen
実績から考えればエーススプリンターはヤコブセンだが、直前のトルコツアーでは21歳のアンデルセンがステージ3勝と大爆発している。
エースナンバーはバルデ。
またおまえか:タデイ・ポガチャル
今シーズンはカタルーニャで集団スプリントの先頭が2回(うち1回は早駆けに成功したニック・シュルツが勝利し、ポガチャルはわずかに及ばず同タイムの2位)、ミラノ~サンレモで3位と、調子の良さを伺わせるスプリンター。スプリンター……?まあスプリンターか…… 半分くらいは冗談で書いてはいるが、もう半分が冗談で済まないのがこの男の恐ろしいところでもあり、魅力でもある。新人賞が貰えなくなって獲得できるジャージが減った分、こっちを欲しがるかもしれない。
普通に考えれば、そもそもマリア・ローザを狙う選手にあれもこれもと欲張る余裕はない。しかし彼は去年のツールを開幕から荒らしに荒らしたポガチャルであり、しかも今年は勝利すべくして勝利しにきた絶対的ワン強である。山頂フィニッシュを根こそぎ奪ったポイントにチョイ足ししてジャージまで獲得しにいく余裕があってもおかしくはない。常識はあまり信じられない。ちなみに本当に総合とダブルで獲得した場合、1983年以来の快挙となる。
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