Claudeで作る資産分析システム~シンプル版でのポートフォリオ分析~
はじめに
こんにちは。
前回の記事では、モジュール構成を検討しツールガイドを実装したシンプル版を作成したとお伝えしました。
今回は、そのシンプル版を使ってテストデータによる資産分析を行った結果をレポートします。
テストデータの概要
今回は作成したシンプル版でテストデータを利用し、資産分析を行った結果をお伝えします。
まずは、以下のテストデータをご確認ください。
●テストデータ(以下のcsvデータをClaudeで読み込んで分析を行います)
分析ツールの機能
前回実装したツールガイドの内容に基づいて分析を実行していきます。
このツールでは以下の2つの分析が可能です:
1. 資産配分分析
2.リバランス分析
*実行方法で記載している指示内容をチャットに入力して実行します
分析結果と考察
資産配分分析の結果
1.artifactによる分析結果の表示
2.チャット回答欄の出力
csvのテストデータは問題なく読み込めており、円グラフによる資産配分の内訳が一目瞭然となっています。
chatでグラフ化を逐一指示しなくても、Claudeが自動で数値データをグラフ表示してくれる点は、資産分析のようなデータ処理に非常に適しています。 加えて、分析結果には改善提案の項目が自動で補足されており、Claudeの優秀さを感じさせます。
預貯金比率が47%と高めなことから、一部を収益性の高い資産へ移すことを検討できるとのアドバイスは妥当と考えます。
リバランス分析の結果
続いて「リバランス分析」を実行してみましょう。
先ほどの資産配分分析と同様にchatでリバランス分析の実行を指示します
1.artifactによる分析結果の表示
2.チャット回答欄の出力
リバランス分析の実行によって、資産配分の分析では、今後の運用方針に関する提案として預貯金比率が47%と高めであることから、一部を収益性の高い資産への配分を検討できるという結果が得られました。具体的には47%の預貯金を具体的な調整案によって30%まで引き下げ、以下の資産へ再配分する提案となっています:
先進国株式
新興国株式
保険商品
リバランス効果は以下の表の通りです:
$$
\begin{array}{|l|c|c|} \hline \text{項目} & \text{リバランス前} & \text{リバランス後} \\ \hline \text{リスク} & 12.5\% & 13.2\% \\ \hline \text{リターン} & 4.8\% & 5.6\% \\ \hline \end{array}
$$
リバランスによってリスクは若干上昇しますが、投資信託による分散投資の効果を考えれば、リターンの上昇幅は悪くない水準だと評価できます。
今後の経済見通しと資産運用への示唆
ニッセイ基礎研究所のレポート「中期経済見通し(2024~2034年度)」によると、消費者物価上昇率(除く生鮮食品)は以下のような予測となっています:
レポートによれば、今後10年の平均インフレ率は1.7%と予想されています。
日銀の目標である2%には届かないものの、このペースでインフレが続けば、手元の現金の価値は着実に目減りしていくことになります。
したがって、現金比率を下げて、インデックス投資信託などの分散投資商品にシフトしていくのは1つの合理的な選択肢と言えるでしょう。
今回のリバランス案は、まさにそれを具現化したものと捉えることができます。
まとめ
今回は資産分析システムのテスト運用として、サンプルデータを使った分析を行いました。
Claudeの自動グラフ化機能により、csvデータがビジュアルに表現され、ポートフォリオの課題が瞬時に把握できました。
加えて、リバランス案の提示など、Claudeからの能動的なアドバイスも印象的でした。
単なるデータ処理だけでなく、実用的な改善提案までしてくれる点は、資産管理において十分なサポート機能を果たせそうです。
次回以降、続けて資産分析システムで実行できるリスク分析、ポートフォリオ最適化のテスト作業を行い、結果をお伝えできればと思います。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう。
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