Claudeで作る資産分析ツール~AIを活用した投資分析システムの開発
投資をされている方なら、こんな経験はありませんか? 自分のポートフォリオについて、誰かに相談したいけれど、プライバシーの観点から躊躇してしまう。 あるいは、投資の初歩的な質問をするのに気が引けてしまう...。
私も同じような悩みを抱えていました。そこで、AIを活用した投資分析システムの開発に挑戦することにしました。この記事では、その journey の始まりをお話ししたいと思います。
はじめに:投資家としての私の立ち位置
まずは簡単な自己紹介をさせていただきます。
私は一般のサラリーマン投資家です。
主な投資先は、eMAXIS Slimシリーズやバンガード社のVOO(ドル建て)などのインデックスファンド、それに加えて高配当株や個別リートにも投資をしています。
ポートフォリオ分析やキャッシュフロー分析ができるシステムを探していたのですが、自分の要望にマッチするものが見つからず、「流行りのAIを使えば自分で作れるのでは?」と考えたのが、この挑戦のきっかけです。
なぜAIを活用した投資分析なのか?
AIアドバイザーの特別な価値
投資分析にAIを活用する最大のメリットは、プライバシーを保ちながら、気兼ねなく相談できる環境が手に入ることです。
たとえば、ファイナンシャルプランナーに相談すると、どうしても保険や投資商品の営業を受けることになりがちです。また、初歩的な質問をするのにも躊躇してしまいますよね。
その点、AIは:
24時間いつでも自分の思い立った時に相談可能
何度でも質問できる
初歩的な質問でも嫌な顔をしない
プライバシーが守られる
という特徴があります。
客観的な分析の価値
AIによる分析は、プロのアナリストのような直感的な判断は提供できません。しかし、それは逆に大きな利点にもなり得ます。
設定された論理に基づいて、オーソドックスな分析を提供してくれるAIは、感情に左右されがちな投資判断に対して、冷静な視点を与えてくれます。
なぜClaudeを選んだのか?
処理能力の比較
投資分析システムの開発にあたって、ChatGPTとClaudeを比較検討しました。以下が主な比較ポイントです:
$$
\begin{array}{|l|l|l|}\hline \text{比較項目} & \text{ChatGPT} & \text{Claude} \\ \hline \text{コンテキストウィンドウ} & \text{32000トークン} & \text{200000トークン} \\ \hline \text{テキスト処理容量} & \text{約12万文字} & \text{約80万文字} \\ \hline \text{Web閲覧機能} & \text{あり} & \text{なし} \\ \hline \text{グラフィカル表示} & \text{限定的} & \text{Artifact機能で充実} \\ \hline \end{array}
$$
選択の理由
ChatGPTは万能型のAIで、WEBブラウジング機能により最新情報にアクセスできる利点があります。しかし、この機能は時としてハルシネーション(現実には存在しない情報を事実のように提示してしまう現象)を引き起こすリスクがあります。
一方、Claudeには以下の特徴があります:
長文処理能力が優れている
Artifactによるグラフィカルな表示機能がある
情報源をユーザーが管理できる
特に個人資産の分析という機密性の高い情報を扱う上で、Claudeの閉鎖的な性質は逆にメリットになると考えました。Anthropic社が意図的にWEBブラウジング機能を搭載していない背景には、システムの安全性を重視する姿勢があると推察しています。
なお、Claudeの知識のカットオフは2024年4月となっています。これは、AIの持つ知識が2024年4月時点までの情報に限定されることを意味します。ただし、投資分析システムでは、ユーザーが提供する最新のデータを基に分析を行うため、この制限は大きな問題にはならないと考えています。
これからの展開について
この記事を皮切りに、非エンジニアである私がAIを活用してプログラムを作成し、実際に運用していく過程を共有していきたいと思います。
テスト作業の様子なども、このブログで読者の皆さんと共有できればと考えています。
投資の道のりは一人一人異なりますが、AIという新しいツールを活用することで、より良い投資判断のサポートが得られるのではないでしょうか。
皆さんも投資分析でAIを活用することに興味をお持ちでしたら、ぜひコメントで感想やご意見をお聞かせください。一緒により良い投資環境を作っていければと思います。