2024年Blue Jaysトレード総評
ご覧いただきありがとうございます。
こんにちは。Blue Jaysファンのとりすきです。
TDLが終了しましたね!
ということで、2024年TORのトレード総評を行っていこうと思います。
さて、早速振り返っていきましよう。
今季のTORですが、ドラフトからTDLまでの約三週間で、なんと8件のトレードが成立しました。よくまとめましたね…
Yimi Garcia、SEAへトレード
鉄腕にして剛腕リリーバーYimi GarciaをSEAへトレードしました。直後SEAはRyne Stanekを放出したため、セットアッパーのグレードアップに成功したといえるでしょう。
TORは22歳の外野プロスペクトJonatan ClaseとキャッチャーのJacob Sharpを対価として獲得。
・Jonatan Clase
Jonatan Claseは20-80スケールでスピード70の高評価を受けている俊足型の外野手。昨季マイナーにて20-70を達成したことで話題となりました。守備は両翼がメインですが、ルートどりが洗練されればCFに固定できるかもしれません。
今季はAAA(SEA)にて59試合OPS.856 wRC+111の好成績を残しメジャー昇格。MLBでは19試合OPS.452 wRC+32と振るいませんでしたが、今後TORにてパワーアップしてくれることを望みます。
またキャッチャーのプロスペクトJacob Sharpも獲得。キャッチャーはいくらいてもいいですからね。
(Jacob Sharpは現地7/30のA+にて移籍後初のHRを記録。これからよろしくな。)
怪我から復帰したばかりのイミガルでしたが、なんとか放出が間に合いました。しかもCFに就けるかもしれないメジャーデビュー済みの若手という、個人的には丁度欲しかった対価です。マリナちゃんありがとう。
Nate Pearson、CHCへトレード
かつての球界トッププロスペクトNate PearsonをCHCへトレード。これはちょっと驚きましたね。今季の年俸800Kであと2.5年保有できるのですが…
一方のCHCですが、Bigge・Mark Leiter Jr.といった複数年コントロールできるリリーフを放出しつつ、Pearsonを獲得するムーブはちょっと意図が読めません。(どういうことなの)
TORはYohendrick PinangoとJosh Riveraら傘下30位以内の野手二人を獲得。
・Yohendrick Pinango
Yohendrick Pinangoはコンタクト能力に秀でた22歳の外野手。守備走塁は平均的で、マイナーではLFを中心に守っています。
今季はA+にて22試合OPS.1061 wRC+194と覚醒、AAでも55試合OPS.661 wRC+99とそこそこの結果を残しました。
ただし今オフルール5対象であり、場合によっては今年限りでサヨナラの可能性もあります。
・Josh Rivera
Josh Riveraは守備走塁に優れた23歳の内野手。今季は全てSSで出場しています。パワーの評価はそこそこ高いものの、ヒットツールに課題あり?
今季はAAで苦戦しており、68試合でOPS.537 wRC+67となっています。
Danny Jansen、BOSへトレード
強打のキャッチャーDanny Jansenを同地区BOSへ放出しました。第一捕手を担える選手のレンタルというと、直近では2022年に
BOSーHOU間で行われたChristian Vazquesのトレードが思い浮かびます。
一方TORはCutter Coffey・Eddinson Paulino・Gilberto Batistaを
獲得。
・Cutter Coffey
Cutter Coffeyは身体的ポテンシャルの高い20歳の内野手。2022年ドラフト41位指名の選手で、ドラフト当時は最も優れた二刀流高校生の一人と見なされていたそうです。守備位置は3BとSS。
今季はA+にて61試合打率.238ながら14本塁打、OPS.784 ISO.224 wRC+118を記録。ヒットツールに課題があるものの、パワーはあるようです。
・Eddinson Paulino
Eddinson Paulinoはヒットツールに定評のある22歳の選手。既にAAに到達しており、69試合でOPS.740 wRC+113とまあまあな成績です。守備位置はSS・3B・2Bがメインですが、過去にはセンターも守っており、ユーティリティ性があります。
しかし、彼もまた今季ルール5対象者。今季限りの在籍かもしれません。
またGilberto Batistaという19歳のルーキーリーグ投手も獲得。今季はFCLにて8試合20.2イニング 防御率3.92 K%24.2 BB%13.7を記録しています。
こちらも予想以上の対価をもらえたような印象です。このトレードで獲得した選手の中から、Christian Vazquesの見返りであったWilyer Abreuのようにメジャーで花開く者は現れるでしょうか?
Justin Turner、SEAへトレード
JTおじさんをSEAへトレードしました。年俸基本13M+打席数に応じた出来高を支払う必要があったため、放出できてよかったです。
一方TORは見返りとしてRJ Schreckを獲得。
・RJ Schreck
RJ Schreckは2023年ドラフト9巡目277位指名の24歳外野手。大学で5シーズンを過ごしたため、少し年を食っています。
今季はA+にて78試合打率.261 HR12本 OPS.865 wRC+148と活躍、既にAAへ昇格しています。
守備は両翼を中心に守っていますが、大学時代のハムストリング負傷を考えると、上のクラスではLFがメインになるでしょう。
菊池雄星、HOUへトレード
HOUに左腕先発の菊池雄星を放出しました。先発に負傷者が続出していたHOUにとって補強は必須であったため、そこにうまく付け込めた形です。
TORはJake Bloss・Joey Loperfido・Will Wagnerを獲得。
日本メディアにすら大盤振る舞いと言わせる程の対価を手にしました。
・Jake Bloss
Jake Blossは2023年ドラフト3巡目99位指名の右投手。
今季はA+(4試合)AA(8試合)で防御率1.71と優秀な成績を残しており、HOUの先発事情もあって僅か一年足らずでメジャーデビューを果たしました。
メイン球種は高めに投じる平均94マイル弱の4シームとやや横変化の大きいスライダー、そしてかなり大きく落ちるカーブ。また今季からスイーパーも投げ始めたようです。
中でもスライダーは優秀で、55球(MLB)という少ないデータではありますが、Stuff+115・Location+114を記録しています。
またカーブはStuff+こそ80ですがLocation+110とよくコントロール出来ており、Whiff%も38.9とすごい数字です。
4シームはMLBで滅多打ちにされていますが、平均約2400回転から生じるホップ成分とメジャーでも高水準のExtensionという持ち味があるため、個人的には何とかなるだろうと楽観視しています。
(Stuff+:コマンドを排除し、速度や変化、リリース位置などで球種の質を評価するもの。 )
(Location+:カウントや球種に基づき、適切な場所に投球することが出来る能力を評価したもの)
Stuff+, Location+, and Pitching+ Primer | Sabermetrics Library (fangraphs.com)
ただし、彼の懸念材料としてMLB初登板後に右肩の炎症で離脱した点、またHOUがあまりにも早く昇格させすぎた点などがあります。
前者についてはMRI検査時に構造的な損傷は見られなかったそうですが、今後怪我のリスクが多少なりとも存在することは意識しなければなりません。
後者に関してですが、フロントはしばらくマイナーで成長を見守ることにしたようです。これを機にスイーパーをより洗練させてほしいですね。
・Joey Loperfido
Joey Loperfidoは2021年ドラフト7巡目208位指名の25歳外野手。
パワーとスピードを兼ね備えたソリッドなプレイヤーで、外野3ポジションに加えて1B・2Bの守備に就くことが出来るユーティリティ性もあります。
今季はAAA39試合で打率.272 HR13本 OPS.931 wRC+121(PCL)の
好成績を残しており、MLBでも38試合で打率.236 HR2本 OPS.657 wRC+87(HOU)と新人にしてはある程度の結果を出しています。
懸念点は非常に高い三振率で、今季はAAAでK%28.0、MLBで36.4とよろしくない数字。長打力はあると思うので、何とか三振を減らして成績も上げてほしいです。
・Will Wagner
Will Wagnerはアプローチに優れた26歳内野手。なんと彼の父はHOUの名クローザーBilly Wagnerです。(そんな選手を獲得したとかこれNTRだろ) 守備は1B・2B・3Bに就くことが出来ますが、メインのポジションは1・2Bになりそうです。
彼はヒットツールで高い評価を受けており、今期はAAA70試合で
打率.307 OPS.853 wRC+121 BB%16.7 K%10.2 を記録しています。
一方、PCL環境でありながらHR5本 ISO.123とパワーレス気味。インターナショナルリーグ所属のBisons(TOR傘下AAA)で結果を出せるかが懸念材料です。
また、彼も今オフのルール5対象者。今後40人枠には入れると思いますが、ポジション及び打者としてのタイプがSpencer Horwitzと完全に被っているため、オフ或いは来年のTDLまでにトレードされるかもしれません。
このトレードでX(旧Twitter)は皆震撼していましたね。特にHOU界隈は阿鼻叫喚の嵐でした。正直もらいすぎ感は否めないので、菊池には移籍先でどうにか好投してもらいたい。
Trevor Richards、MINへトレード
便利屋Trevor RichardsがMINへとトレード。6月までは獅子奮迅の働きをしていましたが、7月は10.1イニングで防御率13.06と完全に崩れてしまいました。移籍先での復調を願います。
TORはこのトレードでUTLのJay Harryを獲得。彼は2023年ドラフト6巡目の選手で、現在A+に位置しています。よろしくな。
Isiah Kiner-Falefa(IKF)、PITへトレード
超スーパーUTL 二刀流のIKFがパイレーツへトレード。まだAAAでリハビリ中だったため、金銭負担ありとはいえ放出できたことに驚きました。
IKFは昨オフ補強組の中で最も且つずば抜けて活躍していました。別れは惜しいですが移籍先でも頑張って欲しいです。
IKFキャリア初二桁本塁打達成希望!!!!
一方TORはCharles McAdooを獲得。
・Charles McAdoo
Charles McAdooは2023年ドラフト13巡目377位指名の22歳内野手。(TBもそうですが去年のドラフト指名選手を多く獲得していますね。)
すごく貫禄のある風貌です。
大学時代は二塁手だったようですが、今季は主に3B、たまにRFを守っています。ただ、スカウティングレポートでは将来的に1B或いは両翼へのコンバートを予想されています。
打撃に関してですが、今季A+でOPS.976 wRC+169、AAでOPS.837 wRC+134を記録しています。特筆すべきはそのパワーで、A+・AA双方でISO.220以上を発揮。個人的には、今季獲得した野手の中で一番成長を期待しています。
TORファームの投手陣がガタガタなので、PITの潤沢な投手プロスペクト層の恩恵に与りたかったと思う所は多少ありますが、ポテンシャルありそうな若手をもらえたのでOKです。
Kevin Kiermaier、LADへトレード
レジェンド外野手Kevin KiermaierをLADにトレードしました。
今季限りでの引退を表明していたKiermaierおじさんを雑に扱うのは非常に心苦しいものがあります。しかし、WS制覇の可能性がある球団で彼の守備を見られるのはよかったことなのかもしれません。
TORはちょっと前にDFAされていたRyan Yarbroughを獲得。
一連のTDLでリリーフがすっからかんになっていたので、便利に使える彼が来てくれたのはうれしいですね。
ところで、Yarbroughが来たからPaolo Espinoいらないような… EspinoをDFAして今オフルール5対象者のTrenton Wallaceを枠内に入れてほしい。丁度AAAにあがったし。
獲得したプロスペクト及び球団内ランキング一覧
総評
なんと今回のトレードで約17Mのサラリーダンプに成功!!!!!
開幕前は、贅沢税計算上のペイロールが250Mほどだったため、これで
贅沢税課税ライン約237Mを(多分)下回りました!!!
これで来年も思い切り金を使えますね。
あれ?なんかSum of Other Payments (Luxury Tax Only)なる項目のせいで計算が合わないぞ…
菊地のよく分からんAAV調整で+2Mされてるな…
なんだこれは?
まあとにかく課税ライン237Mは下回っているのでヨシ!!
今回獲得した14人の選手の内3人しかピッチャーがいない(さらに内一人はYarbrough)ことは気になりますが、対価も概ね満足です。
投手プロスペクトは今年のドラフトでたくさん指名したから大丈夫でしょ!!!!(なおドラ1のYesavageとはまだ契約できていない。)
(※追記 Yesavageやっと決まりました!!良かったあ!)
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参考文献
https://x.com/mlbtraderumors/status/1805330259870413232(8/1確認)
(8/1確認)
MLB Stats, Scores, History, & Records | Baseball-Reference.com
(8/1確認)
FanGraphs Baseball | Baseball Statistics and Analysis
(8/1確認)
Baseball Savant: Statcast, Trending MLB Players and Visualizations | baseballsavant.com
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MLB | Spotrac.com
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