BlueJays 9月戦績振り返り
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先月の振り返りはこちら↓
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ご覧いただきありがとうございます。
Blue Jaysファンのとりすきです。
MLB2024年レギュラーシーズンが終わりました!まずは皆様お疲れさまです!
いやあ、162試合なんてあっという間に過ぎてしまいましたね。ほんの最近、今年はWS優勝だと意気込んでいたような感覚ですが、それも半年前の話。時の流れは早いものです。
球団によっては10・11月も野球をするそうですが、Blue Jays(以下TOR)は残念ながら現地9/29日をもって今シーズン終了となってしまいました。もう少し長くカケス選手たちがマウンドで活躍する姿を見たかった…
しかし、終わってしまったものは仕方ないので、早速9月のTOR戦績振り返りをやっていきましょう。
9月のTOR戦績
:24戦中7勝17敗
(地区最下位 /首位と20G差/WC3位と12G差 )
あまりにもひどい
いくらロッタリーフェイスしてるからって限度があるやろ…
勝ち越したシリーズは1つのみ(現地13~15 STL戦)、被スイープ二回(現地3・4 PHI戦、現地27~29 MIA戦)と目を背けたくなるような内容。先月は投打で好成績を残して月間勝ち越しを決めただけに、かなりショックが大きいです。(せっかく来シーズンに向けての希望が見えたと思ったのに)
特に絶望的だったのは、今年最後のシリーズであるホームMIA戦。最後くらいはロジャースセンターで良いところを見せて欲しいと思ってたらボコボコにされていました。
因みにシリーズでは元TORプロスペクトのOtto Lopezが大暴れ。(勘弁しくれよ)
当時の感想↓
チーム成績
ここでは、9月のチーム成績を野手・先発・リリーフの部門別に見ていきます。
・野手
チームの顔であるGuerrero Jr.や、今年完全開花したSpencer Horwitzは先月に引き続きwRC+130以上の好成績を残しており、またDanny Jansenの放出によって正捕手に返り咲いたAlejandro Kirkも後半戦以降の好調を維持しています。(月間fWARはチーム内TOP)
もう一つ付け加えると、現地9/19に昇格したJonatan Claseもサンプルこそ少ないものの短い期間に印象的な活躍をしていました。
一方で成績が振るわなかった選手も多く、特にLeo Jimenez以外のルーキーは全員不調。あとチーム最高年俸受給者のGeorge Springerさんももちろん不調です。(もはやこれがデフォルト?)
さらに怪我の影響でシーズンを完走できなかった者も複数人現れてしまいました。
お次はチームの月間打撃成績を確認。
悲しい、ただただ悲しい。8月と比較してすべての数字が下がり、MLB内でも下位の攻撃力に落ち込んでしまいました。
特に長打力が著しく減少しており、HR数・ISOは共に全体最下位クラス。
チーム盗塁数に至っては大谷翔平選手が9月に記録した16回の半分しかありません。(走れないなら転がれ)
8月の輝きは一体何処へいってしまったのか。あの打線に未来への希望を見出した筈なのに…
どれもこれも、チームOPSが悪魔の数字.666になったせいだ!DSの陰謀だ!(錯乱)
・先発
全体的に良かったんじゃないですかね。9月もFrancis・Gausman・Berriosの三本柱がチームを牽引しました。また、中身や消化イニング数に目を瞑れば、Yariel・Bassittも防御率3点台です。
先月のAL Picher of the monthに輝いたBowden Francisは、球速がどんどん落ちている中でも巌のような安定感抜群のピッチングを継続。またKevin Gausmanも同じくすばらしい活躍でした。
Jose Berriosに関しては、4登板22イニングで防御率3.68と先月比では振るわない数字ですが、これは今季最後の登板となった現地9/27のMIAにて3回6失点の大炎上したことが原因であり、それ以外では19イニングで3失点しか許していないのでそこまで悪い印象はありません。
問題なのはこの二人。Yariel Rodriguezと
Chris Bassittです。
前者は今月も80球前後の投球制限が設けられ、9月は1登板あたり12.8個のアウト(イニングに直すとIP4.1未満)しか取れていません。防御率、FIP共に3点台で投球内容は左程悪くないとはいえ、もう少し長く投げて貰わないと戦力として計算できません。
後者は防御率(3.26)こそまともに見えますが、中身がひどい。BB%13.1、WHIP1.97ってどうなってんだ。9月始めのPHI・NYM戦こそ満足のいく投球を見せたものの、その後は5回を消化することすら出来ず低調なパフォーマンスに終始します。
この二名、特にBassittには高額の年俸を払っているので、来年もこの調子だと非常に困ります。
お次は先発陣全体の月間成績を確認。
内容はともかく、防御率はMLB上位。消化イニング数の少なさに関しては、他の球団よりも1~2試合ほど少なかった点、またオープナー戦術を使った点などが要因として挙げられるでしょう。
意外だったのはHR/9も好成績だったこと。今年は先発・リリーフ共に被弾が多かったのですが(野手はHR打てないのにね)、9月はそれを抑えることに成功したようです。
しかし防御率とFIPの乖離はいかんともしがたい。与四球は比較的少ないとはいえ、奪三振が稼げなければFIPは悪いままです。特にGausmanが三振を奪えなくなってしまった以上、オフに制圧力のある先発を連れてくる必要があるでしょう。stuff魔人Nick Pivetta絶対獲得!!
・リリーフ
ウェーバーや金銭トレードで獲得してきた6人(Nance・Lucas・Tate・Frias・de Geus・Robertson)をお試し。先月から活躍しているTommy NanceやカットボールがすごいLuis Friasなど、中には使えそうな人もいましたが大体はハズレですね。拾いものなので当然ですが。
既存の中継ぎに目を向けると、Chad Greenの月間防御率がとんでもないことに。11.42はもはや面白いくらいですね。K/9じゃないよ、防御率だよ。(彼一応Romanoの代理でクローザーやってんだけどな…)
また、5月以降ずっとフル稼働してきたGenesis Cabreraがとうとう崩れてしまいました。ただ、好投を続けている間もFIPが悲惨だったので、いつかは爆発すると思っていました。それにしては案外持ちましたね。(後何故か今月の球速が爆上がりしていた。)
一方で今月最大のポジティブポイントがこちら。
去年の中継ぎエースながら今年は大不振だったErik Swansonが完全復活しました。
先月は10イニングで防御率3.60とある程度復調の傾向はありましたが、9月に入ると一気に覚醒。10.2イニングで防御率1.69、K%31.6と2022、23年を思い出したかのような活躍ぶりです。
個人的には、フォームの微調整と4SFBの球速向上、またスプリットフィンガーの改良が成績改善に繋がっていると思うのですが…
上の図はErik Swansonの代名詞スプリットフィンガーに関するデータです。4~6月のものと比較すると、リリースポイントが地面から約0.1フィート高く、水平方向に0.05フィート伸びています。(ついでにExtensionも微増)さらに平均回転数も大幅に減少し、それに伴いよりドロップするようになりました。
この微調整が功を奏したのか、スタッツが大幅に改善しています。
かなり文字数を使ってしまいましたが、とりあえずErik Swansonが復活したということは伝えたかった。
その他、Ryan BurrやロングリリーフのRyan Yarbroughも堅実な働きをしてくれました。ありがたい。
お次はリリーフ全体の月間成績を確認。
知ってた
当然のように最下位クラスのリリーフ陣です
そうだよな、質が最悪のリリーフ陣にオープナー起用も相まって出場機会が増えるとそりゃ成績も悪くなるよな。はあ
TORのリリーフがヤバいなんて過去の記事で何回も言ってきたような気がするので、これ以上は差し控えます。
オフの補強頼むよマジで
とりすきが選ぶ、投打月間ピックアッププレイヤー
このコーナーでは、私とりすきが9月のピックアッププレイヤーを、独断と偏見に基づき投手と野手一人づつ選出していきます。
・Alejandro Kirk
前半戦ではDanny Jansenがメインキャッチャーとして起用され、出場機会に恵まれず成績も当初振るわなかったKirkですが、TDL以降はオールスターに選ばれた2022年に準ずるレベルで活躍しています。
9月の成績は、
OPSやwOBA、wRC+こそまあまあくらいの成績ですが、9月はかなりクラッチで、チーム最多の月間13打点を記録。さらにKirk最大の強みである守備も合わさって、こちらもチームトップのfWAR0.8を稼ぎました。
攻守で躍動と言ったところでしょうか。
ハイライトは現地9/25日のBOS戦。キャッチャーとしてスタメン出場し、その日は打撃で4打数3安打3打点の活躍、またキャッチャーとしては先発Gausmanの6回1失点の好投をアシストしました。
そしてもう一つ触れておきたいことがあります。
現地9/21日のTB戦にて、なんと自身キャリア初のスリーベースヒットを放ちました。
Kirkの体型をみれば大体分かると思いますが、彼は非常に足が遅い。Baseballsavantによると、Sprint SpeedはMLB下位4%です。多分転がった方が早い
TOR監督のJohn Schneiderも彼の偉業(?)を讃えて、こんなことを話していました。
※ちなみに、このKirkの三塁打において彼が3塁ベースを踏むまでにかかった時間は約14.28秒。めちゃくちゃ遅いですが、この記録は今シーズンの最遅三塁打ではないそうです。(正直ビックリ)
・Bowden Francis
8月に続いて2ヶ月連続の選出です。前述の通り、巌のような安定したピッチングでチームを支えました。
9月の成績は、
奪三振こそ少ないですが、ほとんど四球を出さず塁上にランナーがいること自体少ないという鉄壁のようなピッチング。
月間の消化イニング数、防御率、WHIP、BB%、これらすべてがチームトップで、はっきり言ってこれが先発転向初年度の成績とは思えません。
ただし懸念点もあります。それは球速の低下が著しいこと。
上記の図を見ると分かりますが、すさまじい勢いで4シームの球速が落ちています。最後の2登板は多少持ち直しているものの、それでも93マイルには届いていません。
彼の4シームは投球割合の5割以上を占めており、そんな投球の軸となっている球種の質が低下し続けているのは由々しき事態です。
その他、与四球は少なくても、奪三振数の少なさと被弾の多さが起因してFIPが4点台後半になっていることも心配。
今後の不安材料は複数ありますが、とはいえFrancisが後半戦のTOR先発陣を引っ張ってくれたことは間違いないので、その点は素直に賞賛したいと思います。そして今後に期待。
ハイライトは現地9/11日のNYM戦。なんと自身二度目、現地8/24以来約3週間ぶりのノーヒットノーラン未遂を達成しました。
惜しくも9回にMetsのスターFrancisco Lindor のソロホームランでノーノーは阻止されてしまいましたが、素晴らしいピッチングであったことには変わりありません。ようやっとる。
(球数が心配すぎて早く降ろしてほしかったのは内緒)
おわりに
ここまでご覧いただきありがとうございます。振り返りなのに長々と7000字以上も書いてしまった…
TORの2024年シーズンは終了してしまいましたが、一年の総まとめや個人的プロスペクトランキング更新、AFL派遣選手特集など書きたいことがまだまだ残っているので、今後もnoteでの投稿は続けていきます。
またご縁がありましたら、そのときはぜひ覗いてみてください。
ご覧いただきありがとうございました。
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参考文献
京都大学貴重資料デジタルアーカイブ『続英雄百人一首』
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00010673?page=40