白球に打ち込んだ夏
2003年
3年A組 米部 留守
野球に打ち込んできました。悔いはありません。それが目標だったし、夢だったからです。勉強は苦手でしたけど、とにかく野球に打ち込めればそれでよかった。その気持ちは、卒業を迎えた今でも変わりません。
1年目は、とにかく体力作り。朝練、授業、昼練、授業、夕練、晩飯、夜練。ストレッチ、走り込み、筋トレ、全部やりました。毎日やりました。
一番キツかったのは飯です。毎食白飯3合、正直キツいです。練習に耐えられる体作るために食うんです。吐く時もありました。白飯見たくない時もありました。でもレギュラー取りたいから食いました。
だから2年でレギュラー決まった時はめちゃくちゃ嬉しかったです。泣いて親に電話しました。スイングのビデオ、監督にチェックしてもらって。朝晩素振り2000。背筋ばっか鍛えすぎだってみんな笑って。ケンタ、ザキ、チャチャ、ハッシー。こいつらと絶対やるぞって。最高でした。
2年の夏、デビュー戦。前の日眠れなくて、寝不足で行ったら監督めっちゃ怒って「いけんのか」って。「いけんのか!」「いけます!」って3回繰り返したら、「よしじゃあ行ってこい」って肩思い切り叩かれて。絶対やるってグラウンドに走って出ました。
その時初めて見ました。野球。直径2mぐらいですかね。白くて、毛が生えてて、柔らかくて。思い切りバットで叩くとその瞬間だけめっちゃ硬くなるんです。最初に打ち込んだときに俺、バット後ろに吹っ飛ぶかと思いましたもん。「体でリズム刻んでいけ」って監督が。それで練習思い出して、バシッ、バシッって。野球、ビクともしなかったですね。そしたらブーンって音がして。何だろって思ったら、真っ白になって。気がついたら試合終わってました。先輩方がめちゃくちゃ頑張って655点出たらしいんですけど。俺は腕無くなっちゃったんで、そこまでです。
ところであの球なんなんですかね?
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