愁い
今日はナイーブらしい
気づけば好きじゃないはずの元カノを思い出していた
どうしたものか
狭い部屋で一緒に寝たあの夜
起きたけど眠たくてまた一緒に寝た朝
コンビニで買った質素な昼ごはん
あの部屋で一緒に聴いた音楽
もうどうでもいいはずなのに
ちゃんと嫌いになったはずなのに
ふとした事で思い出してしまう
まだ好きなのか
そんな気持ちを殺しながら黙らせる
あの髪の匂いも
服に染み付いた柔軟剤の匂いも
どんな強風が襲いかかろうと
決して消えはしない
まだ鼻が、脳が、身体が、心が覚えすぎている
酒に頼りタバコに縋り
頼りないその細い糸に全体重以上の重さをのせる
まだ切れないがいつ切れてもおかしくない
何時まで自我があるのだろう
崩れた自分がどこに逝くのか
あの頃の二人に戻りたい