価値の出し方
話さないと無価値であり、話すとしてもいろんな提言のレイヤーがあることはこちらで整理しました。
https://note.com/jintae/n/n5eff9e399f3e
それは会議での提言力の高め方でしたが、プロジェクト全体での価値の出し方について今回は書いてみたいと思います。
価値の「はひふ」
先ず価値の「はひふ」というものがあり、速く広く深いという観点です。
つまりは、いかに速く仮説を回すか、いかに広く情報を集めるか、いかに深い示唆を出せるかというもので、例えばキックオフ会議は今後の推進の為にも基本的に「圧倒」するに越したことはないので、大まかな方向性に関する仮説を早めに打ち込んだり、関連する方法論や情報を広めに出したり、プロジェクトの要諦を述べたりして深さを狙います。
「はひふ」の役割分担
体制の中の役回りで価値は充足していきます。
スタッフは、主には速さと広さ重視です。逆に言うとホウレンソウすら遅く速さがない子はタスクを抱え込んでしまわないか心配になりますし、リサーチなどで頼まれた御使いしかやってこない子も不安になります。更に裏返すとそれがスタッフの価値の出し方になりますね。
プロマネはもちろん速く仮説を回すことが第一ですし、チーム全体で出していく仮説を深く踏み込むことをドライブするのも重要です。
他としてはパートナーの出す深さで、ファームの競争力はスタッフが出すファーストカットの成果物の高さ次第という論がありますが、パートナーが出す示唆の深さもモノサシです(お飾りパートナーが順調?とだけ聞いてくるのはご法度です)。
あとはアドバイザーは専門領域に関する広さの補完が主ですが、たまに悪乗りして深さまで足してくれるぐらい関与してくれる人は深謝の限りで重宝します。
「はひふ」のペース配分
毎週なにがオモシロポイントなのかをチームで話していくのも重要です。結局のところコンサルは知的水商売なので、今週どういう価値を感じてもらうつもりなのか、スタッフレベルから意識するのはチーム全体が出す価値の総和の底上げに繋がります。
行き当たりばったりな価値の出し方は良くなく、ペース配分も重要となります。例えば速めに仮説を当てるのは良いのですが仮説を当て続けすぎても「速く進め」となりますし、広めなリサーチ結果を持ち寄り続けた日には情報過多の食傷気味になり「だからうちはどうすべきなのか」という深さが欲しくなるものです。
期待を上手く残しながら繋げていくように会議を展開することが大事であり、だからこそ会議設計は重要なのでそちらに関してはまた今度書いてみようと思います。
コクとキレ
余談として、上記が価値の出し方についてなのですが、価値の伝え方に関してはコクとキレという境地もあります。
キレッキレで斜め上な分析結果を基に盲目の窓をこじ開けにいくスタイルもあれば、コク重視で質実剛健な安定感のある意思決定の促進で定評を得るコンサルもいます。どちらでいきたいかはご自身のスタイル次第でありますし、客の好みに応じて使い分けれるようになるのも大事です。
忘れていけないのは、コクやキレはあくまで「はひふ」が揃った上での境地であるという点です。そもそもの価値の出力が足りていなければキレもコクもへったくれも無いので。