#5ガマズミという不思議な名にあの先生も悩んだようだ
小さな紅い実がたくさんついているこの木はガマズミ。
ガマズミという変わった名の語源はどうもはっきりしない。ガマは鎌(カマ)ズミは酸実(スミ)からという説が語られるが、これだというものではないらしい。たとえば東北地方のマタギのあいだでは、その実を山の神の贈り物として神の実とし、それがガマズミになったと伝えられているそうだ。
またズミという木があり、こちらは染色に用いられるので染み(そみ)からズミになったとされている。このズミも、ガマズミと同じように小さな紅い実をつける。
牧野植物図鑑はガマズミについて「語源は不詳で各説がある」としている。たぶんいろいろ調べたが決めかねて、悩んだ末にこのような記述になったのだろう。
ガマズミの鮮やかな紅い実は装飾に利用されるとともに、完熟したものは食用になる。青森県南部ではガマズミをジョミと呼び、ジュースなどに加工し市販もしているそうだ。
以上、ガマズミの話しでした。