#6イヌダテは、子供も大人も可愛い別名を語る
アユの塩焼きなどに添えられるタデ酢は、タデの葉をすりつぶし酢に混ぜたものだそうだ。
そのタデ酢に使用するのはヤナギダテ、これには辛み成分があり料理の薬味になる。イヌダテは、見かけはヤナギダテに似ているが辛み成分が含まれていないので、タデの頭に否(イナ)をつけそれがイヌダテになったという説があるそうだ。
いかにも食べるのをためらいそうなイヌダテだが、野草大百科(北隆館)は以下のような調理方法を紹介している。
「食用にするには4月~8月頃、新葉・若葉を摘み天ぷらにする。また重曹をいれた熱湯でゆで、冷水にさらし、花がつおしょうゆ味や酢みそあえなどにするのもよい。若い花穂も天ぷらにできる。」
これはイヌダテというより食べられる野草に共通する調理方法のように思えるが、どうなんだろうか?
ところで昔の子供たちは、イヌダテをアカマンマと呼んでいた。たしかに薄赤い花は、小さな赤飯の粒のように見えて親しみやすくアカマンマと呼びたくなりそうだ。
イヌダテという本名を知らなくても、別名のアカマンマならあーあれですかとその姿と色を語る大人もいる。このアカマンマは、俳句では秋の季語になっているそうだ。
以上、イヌダテの話しでした。