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キューバ音楽#4 キューバ音楽の原点といわれる「ソン」とは
キューバは、ルンバ、マンボ、チャチャチャなど、数々のダンス音楽を生み出した。これらのキューバ音楽を調べると、「ソン」という言葉がたびたび登場する。この「ソン」とは一体何なのだろうか?
「ソン」は1920年代から1930年代にキューバで流行したダンス音楽。通常はギター、トレス、マラカス、クラベス、ボンゴ、ベースの6人で構成され、マラカスかクラベスを演奏する人が歌を担当することが多いそうだ。この音楽はスペインとアフリカの音楽要素が混ざり合い作られた、キューバを代表する音楽と言われている。
下に載せたのは、映像も音声も不鮮明だが、ソンの演奏とダンスの様子が分かる。舞台は屋外に仮設されたようで、日本であればお祭りの歌謡ショーのようなものだろうか。
下に載せたのはキキ・バレラとファミリア・バレラ・ミランダ・バンドによるによるソンの演奏。この映像は昼間に収録しているので画像も音声も鮮明で会場の様子や楽器もよく分かる。たとえば右端のキキ・バレラが弾いているのはトレスの代わりに使用しているクアトロ(四弦ギター、弦は複弦なので8本)。またコンガが加わり7人編成のセプテット、さらにトランペットが加わり8人編成のオクテットに変化している。
仮設の舞台と観客は撮影のために用意さたかもしれないが、演奏やダンスをする様子は「ソン」を知る参考になりそうだ。
最後に紹介するのはキューバの古都サンチャゴ・デ・クーバで活動するセステート・ソナルテ(Sexteto Sonarte)。これは最初に紹介した映像のグループと同じようで、夜間に屋外で演奏している。彼らはCDをリリースしており、そこには下の映像にある曲Amor Silvestre(mi cielito lindo)も収録されている。このページ先頭に載せた画像は、そのCDジャケット。
ここまで「ソン」と呼ばれる演奏映像をいくつか見てきたが、「ソン」とは何かは、いまだにモヤモヤしたまま。それでも、街角で演奏され、歌われ、そこに集まる人々が踊る様子を見ると、キューバの人にとって身近な存在のように感じる。