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聴き直しヒット曲#1 リー・リトナー キャプテンカリブ

 リー・リトナーの「キャプテンカリブ」は、アルバム「ジェントルソーツ」に収録されていた。アルバムのリリースは1977年、私は出遅れというか周回遅れのリスナーだったようで80年代に聴いていたような。


1.ジェントルソーツ・リユニオンのキャプテンカリブ

 今回、聴き直したリーリトナーのアルバムは、2005年にリリースされた「OVERTIME」、これは2004年に行われたジェントル・ソウツ・リユニオンの演奏。その日本盤ボーナストラックに「キャプテンカリブ」が収録されている。リユニオンは、再会とか同窓会という意味があるそうで、アルバム「OVERTIME」はかつてのメンバーが再集結した演奏会。

 久しぶりに聴くキャプテンカリブは、記憶の中のサウンドよりスムーズでメリハリもあってイイ感じだ。その分かりやすいメロディと軽快なリズムからジャズファンからは軽視されがちだが、これはフュージョンの代表となる名曲演奏だと思う。

2.パトリース・ラッシェンもアルバムに参加

 オリジナルのジェントルソーツに参加していたパトリース・ラッシェンは、リユニオンにも参加している。彼女は、しばらく前に紹介したシーナ・イーストンのスタンダード・ナンバー・アルバム・ノーストリングスを制作したプロデューサー。このアルバムの「キャプテンフィンガーズ(Captain Fingers)」ではエレクトリック・ピアノ(エレピ)のフェンダー・ローズを弾いている。下に載せたのはそのライブ映像、エレピを弾いているのがパトリース・ラッシェン。

3.オリジナルはダイレクトカッティング・レコードだった

 オリジナルのジェントルソーツがリリースされた1977年は、まだCD登場前なのでジェントルソーツはレコードでリリースされた。しかもそのレコードは、演奏と同時にレコードのマスターとなるラッカー盤をカッティングするダイレクトカッティング方式で制作。その時にテープも同時収録され、後にリリースされたCDはこのテープを使用したそうだ。

4.キャプテンカリブの聴き比べ

 この1977年に収録された音源をいまCDで聴くと、どのような感想をもつだろうか?

 演奏が少し堅苦しいと思ったのはダイレクトカッティングのことを知った、こちらの先入観の影響かもしれない。時代を考えれば十分良い録音と言える。

 さらにかつて幻のアルバムという噂があったジェントルソーツ TAKE 2 も聴いてみた。内容はTAKE 1 と同じで、聴いた限りでは演奏に差がないように思う。しかし収録時間をみると、TAKE2 のキャプテンカリブ・ゲットアウェイは、TAKE1より約40秒ほど短くなっているので明らかに演奏内容が違うようだ。

 今回、3種類のキャプテンカリブを聴いたが、もしこの中から一つだけとなるとアルバム「OVERTIME」に収録されたものを選びたい。やはり全員がリラックスして演奏しているようで楽しく聴ける。

 ところでキャプテンカリブは、アメリカではさほどヒットしなかったと言われている。今回の「OVERTIME」も輸入盤はキャプテンカリブを収録していない。ボーナストラックは余分と感じるときもあるが、この日本盤に加えられたキャプテンカリブは、私にとってうれしいボーナスと言える。

5.レコード沼の話

 ここまで書いたところで、ginger.tokyoのオーナーさんがリーリトナーのレコード紹介をNoteに上げたことに気づいた。店に立ち寄ったときはジェントルソーツは見つからなかったが、その後発掘されたようだ。

 Gingerさんのコレクションにはいつもお驚かされる。メジャー・マイナーを問わずロック・ポップス・ジャズなど幅広いジャンルのレコードを収集されている。

 こちらが、おぼろげな記憶でこんな曲ありませんでしたかと言うと、これでしょうとレコードをさらっと出してくる。それは、テレビドラマで有名になったセリフ「あるよ」のシーンを思い出させる。さらに「うぐいす芸者歌手」のレコードなど日本歌謡史の資料のようなものもあり、そのコレクションの沼の深さは計り知れない。

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