聴き直しヒット曲#2 シャカタク ナイト・バーズ
80年代に登場したシャカタク(Shakatak)は、イギリス生まれのフュージョンバンド。そのサウンドは、メロディアスな曲調に女性ボーカルが加わりどこかオシャレ感がありテレビやラジオでよく流れていた。
1.初期シャカタク・サウンドはツインボーカル
シャカタクの演奏を年代順に追ってみよう。下に載せたのは1982年リリースのセカンドアルバム「ナイトバーズ(Nightbirds)」に収録されているタイトル曲の「Nightbirds」。シャカタクの特長となっていた女性ツインボーカルとノリの良いダンサブルな曲調が心地よい名曲の一つ。これは初期シャカタク・サウンドがよく分かる映像だろう。
ボーカルはジル・セイワード(Jill Saward)とジャッキー・ロウ(Jackie Rawe)の二人が並んで歌うツインボーカル。さらにキーボードもビル・シャープ(Bill Sharp)とナイジェル・ライト(Nigel Wright)が左右にいるツインキーボードだったことが分かる。
2.1980年代なかばのシャカタク・サウンド
言葉で説明するよりも下の映像をみれば一目瞭然だろうが、1985年のシャカタクは、ボーカルのジャッキー・ロウとキーボードのナイジェル・ライトが去り、ボーカルはジル・セイワードがメインとなりパーカッションも担当、さらにバックボーカルが二人。キーボードはビル・シャープだけになり、演奏スタイルが1982年から大きく変わっている。
3.2000年代初めのシャカタク・サウンド
下に載せた映像は、2003年イギリスのエプソム・プレイハウスでのナイト・バーズ演奏。ジル・セイワードは、パーカッションがますますパワフルになっているが、バック・ボーカルのジャキー・ヒックス(Jacqui Hicks)とのボーカルパートは初期サウンドに戻ったような印象がある。
4.ロニー・スコッツのライブ盤のこと
先頭に載せた画像は、シャカタクが1997年にイギリスのロニー・スコッツ・クラブで行ったライブ演奏のアルバム。演奏内容は、その後のエプソム・ハウスのものとほぼ同じだが、バックボーカルに初期ツインボーカルの一人だったジャッキー・ロウの名があるのだ。2000年代はじめのエプソム・ハウス・ライブ演奏をYoutubeで見たとき、ボーカルが初期サウンドに戻ったように感じたのはこのあたりと関係があるかもしれない。
5.まとめ
シャカタクは、限りなくポップス寄りのメロウなフュージョンバンドだと思っていたが、それはもはや古いイメージのようだ。シャカタクのサウンドは時代が進むにつれてビート感が強くなっていくようで、彼らがブリティッシュ・ジャズ・ファンク・グループと呼ばれるのも分かるような。