スティービーワンダーのサントラ盤
映画のサウンドトラックを収録したいわゆるサントラ盤は、古くからあるレコードジャンル。映画のストーリーそのままにセリフ入りのものもあれば、この曲はどのシーンで流れていたのだろうかとなるアルバムもある。いずれにしろヒット映画にサントラ盤は欠かせない存在だった。
1.ウーマンインレッドはコメディ映画だった
「MUSIC PRODUCED BY STEVIE WONDER」と表記されているサウンドトラックアルバムがある。ウーマンインレッドというタイトルだけを見ると、紅い国から来たスパイ映画かと想像したら、都会を舞台にした軽いコメディタッチのオシャレな作品。主演のジーンワイルダーは監督も兼ねており、笑える要素が至るところに散りばめられていた。
じつは1985年日本公開されたこの映画を断片ながらビデオで観たことがあった。知人に連れられて入った店でこのビデオが流れていたのだ。そのときはストーリーもまったく分からず、ただこの歌声はスティービーワンダーだろうとなっただけだった。
2.サントラ盤というより新作アルバム
映画のことはしばらく忘れていたが、BSで放映された映画を観てタイトルがウーマンインレッドであることを知りサントラ盤を購入。収録されている曲はスティービーワンダーによるもの、なかでも「心の愛」( I Just Called to Say I Love You)は、ビックヒットになりラジオでもよく流れていたことを思い出した。
収録曲はいずれも素晴らしく、映画では一部しか流れなかった楽曲がフルバージョンで収録されている。しかしサントラ盤だが映画のシーンと結びつかず、どうしてもスティービーワンダーのアルバムという印象をもってしまうのだ。
3.もう一人の主役はディオンヌワーウィック
このアルバムで私が一番気に入ったのは、ディオンヌワーウィックとのデュエットで歌われた It's you 。バートバカラック作曲のオシャレ感ある楽曲を歌ってきたディオンヌワーウィックは、スティービーワンダーとのデュエットでもその魅力を発揮している。作曲家・プロデューサーとしてのスティービーワンダーの才能は抜きんでているが、ディオンヌワーウィックの歌のうまさはそれに負けていない。
4.まとめ
多くのヒット曲をもつスティービーワンダーだから、その曲が映画の中に登場することはあっただろう。しかしウーマンインレッドに収録されている曲は、この映画のために作られたもの、いわゆる書下ろし作品だ。スティービーワンダーのこのようなサウンドトラックアルバムは何枚ぐらいあるのだろうか?ちょと気になる。