キューバ音楽#2、チューチョ・バルデス
ブエナビスタ・ソシアルクラブで開かれたキューバ音楽への興味は、現代のキューバ・ジャズ・ミュージシャンへ。
チューチョ・バルデスは、グラミー賞を6回も受賞したキューバ出身のジャズピアニスト、アメリカのジャズとアフリカをルーツとするリズムを融合したアフロキューバン・ジャズ・バンド「イラケレ」のリーダーでもあった。彼の活動範囲は広くアメリカを含めて海外でもコンサートを行い、演奏形式もソロ、トリオ、グループなど様々。
下に載せたのはアフロキューバン・ジャズ・バンドのイラケレの演奏。
チューチョ・バルデスは、歌手の伴奏もしている。下に載せた映像はビル・エヴァンスの演奏で有名なスタンダードジャズの名曲「マイ・フーリシュ・ハート」、歌はジャズ歌手のダイアン・リーブス、伴奏はチューチョ・バルデスという組み合わせ。一見押し出しの強そうに見えるチューチョ・バルデスが、ここではひたすら伴奏に徹している。
チューチョ・バルデスは、ピアノ・ソロコンサートも行っている。そこではアフロキューバンとはまったく違う繊細で美しいサウンドを創り出している。クラシック音楽のメロディーが登場するのは、若い頃にクラシック音楽を学んだことの影響だろうか?
このようにチューチョ・バルデスは、多様な演奏をするミュージシャンだが、やはりキューバ生まれの曲となるとひときわイキイキしているような。
たとえば「シボネイ」や「そよ風とわたし」で知られるキューバ出身の作曲家エルネスト・レクオーナの作品は、キューバ出身のミュージシャンがよく演奏する。そのなかにあってチューチョ・バルデスが弾くレクオーナ作曲の「ラ・コンパルサ」は、まるでチューチョ節と呼べそうな躍動感のある音の展開がある。下は、映画Playing Lecuonaに収録されているチューチョ・バルデスの「ラ・コンパルサ」。