80年代、ウォークマンでニューエイジミュージックを聴いていた
はじめに
80年代にウィンダムヒルからリリースされたジョージ・ウィンストンのアルバム「オータム」は、TVCMに採用されよく耳にしたし、ウォークマンでもよく聴いていた。今回はその話をしよう。
1.ニューエイジ・ミュージックとは何だろうか?
ジョージ・ウィンストンのアルバム「オータム」は、ジャズでもないしイージーリスニングでもないニューエイジ・ミュージックと呼ばれた。
いまもそうだが、ニューエイジ・ミュージックとは何かと問われても、はっきりこうですと答えられない。クラシック風もあればジャズ風もある、アコースティック系がある一方シンセサイザーもあり、空気感をたたえた音作りもあれば、多重録音でしか作れないようなものもある。つまり曲調も楽器も音作りも多種多様だ。
とはいえ、ニューエイジ・ミュージックはグラミー賞の一部門になり、音楽分野として定着しているのは確かだ。
2.ピアノソロアルバムで思い浮かべたのは、あのアルバム
初めてジョージウィンストンのオータムを初めて聴いた時、これはキースジャレットの新作かと思ったが、しばらく聴くうちにどうも違う。
ジャズピアニストのキースジャレットは、1975年にピアノソロ・アルバム・ケルンコンサートをリリースした。透明感のある静けさを秘めながらもエモーショナルな音の展開は、ジャズらしさを感じる。
ジョージウィンストンのオータムは、同じように透明感のあるサウンドだが、あくまでも静のイメージをもっている。なにをいまさらと言われそうだが、両者は似ているようで全く違う個性をもっている。
3.80年代の外出時のお供はウォークマンとカセットだった
いま外出時に音楽を聴くならスマホだろうが、80年代はウォークマンとカセットテープ。
持ち運ぶカセットテープは3本ぐらい、その中の1本にジョージウィンストンのアルバムを選ぶことが多かった。残り2本は、ポップスやジャズなどに入れ替わったが、ジョージウィンストンは指定席のようにいつもあった。
たぶん自覚はなかったがストレスがあったのだろう、無意識ながらそれを和らげるためジョージウィンストンを選んだかもしれない。80年代は「オータム」からはじまり、つぎの「ディセンバー」とジョージウィンストンのアルバムをいつも身近においていた。
4.まとめ
久しぶりにウォークマンでジョージウィンストン「オータム」を聴いてみる。時代は違うし状況も異なるので退屈するかと想像したが、そんなことはなく最後までじっくり聴けた。むしろ以前より細かい音の展開が見通せるような。このアルバムは、いまなお安らぎを与えてくれるようだ。
ところで、このカセットテープのケースは、よくある透明プラスチック製の開けるタイプでなく、縦に挿しこむようになっている。出し入れが素早くできて便利なケースだが、これはウィンダムヒルのこのシリーズでしか見たことがない。このタイプのケースは何という名だろうか?