人生で初めて浅草ロック座のストリップを見た話
友人Rに連れられて浅草ロック座のストリップを見に行った。
Rは浅草で生まれ育った生粋の浅草っ子で、大人になってからストリップにハマり、会話の流れで連れて行ってくれることになった。(R、本当に貴重な機会をありがとう。。)
当日、Rと浅草のカフェで近況報告やM-1グランプリの話をし(その日はM-1グランプリの翌日だった。私は真空ジェシカ推しです)、浅草ロック座に向かった。
この時点で正直ストリップに対して多少の偏見と緊張があった。ストリップ=風俗みたいなイメージが多少あったし、実際目の前で人の局部を見たら、グロテスクで気分が悪くなってしまうかもしれない、、失礼覚悟で言うが、そんなことを思っていた。
得体のしれない体験を目前に、楽しみと恐怖が混ざり合っていた。とてもじゃないけど紅茶を飲んだ後に、人様の局部を見るテンションにはなれない。会場に入る前に、Rにコンビニでお酒を一缶買っていくことを提案した。(飲み物は持ち込みOKらしい)
良い感じにほろ酔って、いざロック座につく。いかにも昔ながらのビルの入り口には、でかでかと看板があり、「ファッションヌードシアター」と書いてある。物は言いようだ、、
慣れた様子でサクサクとビルの階段を上がるRに、ドキドキしながらついていく。チケット売り場は2階。男性が確か6,000円くらい、女性が4,000円で、1日3公演を見放題なので、思ったよりコスパが良い。
開演10分前くらいに着席した。会場はマイナーな映画館みたいな広さだ。正面のステージから客席の真ん中にある丸いステージまで花道が繋がっている。(会場外ではなく、内にトイレが設置されており、何かを察した私。)
Rは地方の場末ストリップも見にいくほどのストリップファンなので、会場によってステージの規模やストリッパーの年代、客との距離感が全く異なることを教えてくれた。やはりその中でも歴史ある浅草ロック座は日本でもトップレベルなんだとか。
そうこうしているうちに会場が暗くなり、開演した。
※ここからはネタバレも含まれるかもしれないので、これから浅草ロック座のストリップを見にいく人は要注意
結論から言うと、ストリップに対してのイメージがガラッと変わってしまった。なんやこれめっちゃかっこええやん、、、というのが一番の感想。
見る前の私の勝手なストリップのイメージは、ストリッパーがステージに登場した時点でほぼ裸(西洋絵画みたいに手で大事な部分をおさえている)で、マリリンモンローのイメージソング(プップピドゥ♪みたいなやつ)にあわせてちょっとずつ手をはがし、官能的に踊って男性を誘惑する演出だった。
まあそういう要素も多少なりともあるんだけど、全然それだけじゃない。
1回の公演で7,8人のストリッパーが出てくるのだが、それぞれ自分で衣装、構成、演出、振り付け、音楽などを考えている(多分)。そこに各ストリッパーの個性が出るので、とても面白く見応えがあり2時間ずっと飽きないのだ。
みんな最初はバリバリに着衣で踊るのだが、ある人はフリフリの衣装を着てアイドルソングを歌ったり、ある人は探偵が事件を解決するミュージカルをしたり、ある人は女子プロレスラーの登場みたいな演出だったり、ある人はお姫様になりきっていたり、ある人は花魁みたいな衣装着てハラハラと舞ったり。本当にバラバラだ。
脱がなくても充分見応えあるステージなのに、面白いのが、どんな演出でも最終的にみんなすっぽんぽんになることだ。当たり前なんだけど。
演出もバラバラで面白いが、人の裸も個性があって面白い。
モデルみたいにスラッとした人もいれば、筋肉質な人も、肉づきの良い人もいる。身長も低かったり高かったり様々だ。
でも総じて言えることは、どんな裸も本当に美しい。
どんな人間も完璧を求めて自分の欠点に目がいきがちだが、得に女性はストリップをみて自分の裸を肯定できるのではないかと思った。
そう思わせてくれる最大の理由は、きっとストリッパーたちが何より自分たちの裸を誇りに思い、そして魅せ方を熟知しているからだ。
胸が小さい人は脱ぎ方を工夫して動きで色気を出すし、肉付きが良い人ははじけるような元気な曲で踊って魅了する。暗闇の中、スポットライトに当たる曲線はそれぞれ異なっていて美しい。「みんな違ってみんな良い」というフレーズはまさに今ここで使うべきだと思った。
ちなみにグロテスクなのではないか、と不安に思っていた人様の局部だが、実際は全然そんなことなかった。(席が若干ステージから離れていたのであまり近くで見てないせいもあるかもだけど。)ストリップマニアのR曰く、ストリッパーによっては綺麗にみせるために手術で形を変えてるんだとか。お肌も触れてみたくなるほどすべすべだし、人に夢を与えるための涙ぐましい努力を感じた。
話は戻るが、演出&ストーリー+裸。この2つの要素があるから、それぞれの裸に意味が生まれる。この2つの要素があるから、ただ「エロい」だけで終わらないグッとくるものがある。かっけぇという感想はそんなところから生まれた。
風俗じみた舞台と思ったら大間違いだ。見終わった後は「ファッションヌードシアター」という言葉に心から納得できる。これは紛れもなく女性にしか提供できない癒しとトキメキのエンターテイメントショーだ。
このショーをみてストリッパーになりたいという人がいてもおかしくないし、将来娘ができて「ストリッパーになりたい!」と熱い眼差しで言われたら許可してしまうだろう。
それくらいストリッパーの生き様やプライドが垣間見え、まんまと心を掴まれてしまった。
次回、ドヤ顔で誰かをあのステージへ連れて行きたい。
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