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あの日

小学校、中学校は地元の学校へ通っていた私。

推薦を受け、距離的に通うのには少し大変な他学区の高校へと進学した。

田舎だったので電車やバスが不便で、そこへ進学する他学区の者は下宿をした。

1学年5クラスあった中で私のクラスは英語を中心としたクラス(英語科みたいな感じ)で、唯一他学区からの生徒がいた。クラスは40人のうち、30人が女子で10人が男子。そのうち他学区からは私を含め3人。あとは地元の子たち。クラス替え無く3年間一緒に過ごす。

入学当初は張り切って友達を作ろうと必死だったなぁ。地元ではないので一切知らない子ばかりだったし、今ほどコミュニケーション能力が無かった私は変なプライドみたいなものもあったなぁ。でもそれなりにみんなに溶け込もうと必死だったなぁ。

結局親しくなった子はいたけれど、その子たちに仲間外れにされて無視されていじめを受け、高校を辞めようと思ったり、死ぬほど恨んだり、登校拒否しようとしたり・・・

でも、夏休みになって下宿から地元へ戻り、実家で親の手料理を食べ、幼馴染と会って遊んで話をして、そのことが夢か幻かと思えた。ずっとこのままこの場所に居たかった。あの子たちと離れて、いじめにあっているという現実から離れたかった。

8月31日の夜、明日からの現実を思うと涙が出てきた。死にたいとさえ思った。

私は「推薦で受かったからには出身中学の名前を汚してはいけない」「親の期待を裏切ってはいけない」という思いが邪魔をしていたけれど、あの時、辛いという一言を言う勇気があったら。手紙でもなんでもいいから誰かに言うことができたら。

どうか自分だけで抱え込まないで。

#8月31日の夜に

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城之内 はじめ
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