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「推理してる時点でクソ」
人狼ゲームとはどういうゲームか、という話をします。
この記事ではいわゆるアルティメット配役を想定して書きますが、(占い師がいるなら)他のどの配役にも共通する話です。
※アルティメット配役
村6/占1/霊1/狩1/狼3/狂1
初日占いランダム白、連続ガードなし
・占い師は常に最強の役職
人狼ゲームにおいて、村側最強の役職は占い師です。
これはよほど特殊な配役でもなければ不変だと思ってください。
ではなぜ最強なのか、それは"占い師の出す結果には推理が介在しない"という部分にあります。
例を挙げて解説します。
占いCOしているのが一人だけの場合、その占い師は真確定と考えられます(欠けあり配役ではその限りではない)。
真確定した占い師がグレーを占って黒を引いた場合、そいつは確定で人狼です。だって確定占い師が占ったんだから。同じように、確定占い師が白を引いたらそいつは確定で人狼ではない。
当たり前だと思いますよね?でもこれが村側の理想的な展開なんです。
もう一つ例を挙げましょう。
既に占い師が噛まれていなくなった場面を想像してください
この盤面で、真確定している霊能者が「こいつ絶対狼!自信ある!」といってグレーを指定しました。ではこうして指定されたグレーは確定で人狼だと言えるでしょうか?
当然、そのグレーは人狼とは限りません。
"絶対狼だと思ったやつが村だった"なんてことはある程度人狼をやっていれば誰もが経験しているでしょう。私だって何度もあります。
真確定した占い師が黒を出したやつは確定で人狼。
真確定した霊能者が狼だと思って指定したやつは人狼とは限らない。
何が違うのか、一度記事を読む手を止めて1分ほど考えてみてください。
良く考えましたか?では答え合わせをしましょう。
模範解答は「前者は占い師の能力によって得た結果で、後者は推理」です。
推理は外れるリスクを常に孕んでいます。しかし占い師の結果が外れるということはありえません。このことから、"占い師の結果は推理の上位互換"であると言えます。言い方を変えると"推理は占い師の結果の下位互換"です。
"推理は占い師の結果の下位互換"
覚えておいてください。
・人狼側にとって占い師とはどういう存在なのか?
村側にとって占い師とはどういった役職であるのかを説明したので、今度は人狼側にとって占い師がどう見えているのか、という話をします。
人狼ゲームの真理として、「人狼側は村側がミスしないと勝てない」というものがあります。
村人が全員推理を絶対に外さない村があったとします。そうなると、村人が推理によって判明した人狼を順番に吊っていくだけで村側が100%勝ちます。
村陣営が完璧だった場合、人狼側に勝ち目は全くないわけです。
なので、人狼が勝つためには村側にミスさせなければいけません。
ではどのようにしてミスを誘発するか?
これは簡単で、人狼が誰か分からない状態を作ればいいだけです。人狼が誰か分からない状態で、村側が吊りを決めると、村側か人狼側のどちらかが吊れます。村側が吊れた場合、それがミスとなります。
・占い師の結果にミスはない
占い師の結果がミスすることはありません。人狼を占えば100%黒が出ますし、村人を占えば100%白が出ます。
占い師が黒を引けば、人狼が誰か分かっている状態になるので、村側にミスはなくなります。白を引いた場合も同じで、占い師が白と判断した村人を村側で吊ってしまうというミスの可能性がなくなります。
人狼側は村側にミスをさせなければならない。
しかし占い師はミスになりうる要因を占い結果によって潰していきます。
人狼側にとって占い師が脅威である理由はここにあります。決して、占い師に占われたら人狼であることがバレるから、ではありません。
占い師がいると村側にミスをさせることができない(難しくなる)から、脅威なのです。
・占い師にどのように対処しているのか
占い師を野放しにしておくと人狼側はまず勝てません。ミスをさせることができないのだから当然です。
なので人狼側は占い師に対して何かしらの対処を行うことになります。
具体的には、
占い師を噛む
占い師を村側に信用させない
このどちらかの方法で対処することになります。
1.占い師を噛む場合
占い師を噛むことで、これ以上占い結果を落とすことができない状態にできますし、その夜に占った結果も村に落とすことができなくなります。
占い結果がなくなると、誰が人狼か分からなくなるので、村側がミスしうる。
きわめて有効な対処ですが、狩人によって阻まれるリスクがあります。
連続ガードなしの場合2回噛めば済みますが、連続ガードありの場合占い師に護衛が張り付くことになるので、先に狩人を噛むか、もしくは狼側から占い騙りを出すことで護衛の選択肢を増やし、狩人の護衛をミスさせることを狙います。
2.占い師を村側に信用させない
主に占い師に対抗して、占い師を真確定させない状態にします。
占い師が真確定しない場合、村側は占い師の真贋を決め撃つ必要が出てきます。
どちらの占いが偽なのか分からない状態で、どちらを信じるか決めなくてはなりません。
そうなると、ここでもミスが発生しうるわけです。
村側が判断をミスして偽物の占い師を信用した場合、本物の占い師の機能を停止させることができる。
こうして狼側が勝つわけです。
・推理をするとミスが起こる
通常人狼は上記の二つの方法のどちらかを用いて、占い師に対処します。
占い師への対処に成功すると、どちらを選んだ場合でも村側は推理しなくてはなりません。
占い師を噛んだ場合は、占い結果がない状態で残りのグレーから誰が狼なのか推理しなくてはならない。
人狼側が占い騙りを出して、占い候補が2人になった場合、どちらを信用するのか推理しなければならない。
推理は必ずしも当たるとは限りません。最も重要な場面で推理を外したなら、狼側が勝ちます。
つまり人狼側が勝つために何が必要か、言い換えるなら人狼側の真理は、
「村人に推理をさせることで、ミスを誘発する。」ことに集約されています。
村人が推理しなければならない事柄が増えれば増えるほど、そのどれかでミスが発生する確率が上がっていきます。
ミスが発生すれば人狼側の勝ちが近づきます。
人狼側はこうして村を滅ぼしているわけです。
・村側の本質
人狼側の本質について読み解いたので、今度は村側の本質について考えてみましょう。
といっても、これは簡単で単純に人狼側の本質の裏返しです。
人狼側は村側に推理をさせて、ミスしてもらいたい。
では村側としては、できるだけ推理をしないことで、ミスを減らしたい。
村側の真理は「可能な限り推理しない」ことです。
そのためにはどうすればいいか、ここまで読めばもう分かるでしょう。
そう、占い師に頼るんです。
真占い師が出す確実な結果に従って吊る。推理をしないので、ミスは生まれず、ミスしなければ村側は確実に勝ちます。
しかし、当然ながら人狼側もそうさせないためにあの手この手で占い師を潰しに来るわけです。
即ち、
「できるだけ推理をしたくない村側に推理を強要する人狼側」
人狼ゲームとはこういった構図によって成り立っています。これが、真理です。
そしてこの真理の中心にいるのが占い師です。
占い師は村役職の中で最も「村人に推理をさせない力」が強い。
だからこそ、占い師は最強なのです。
・おわりに
どうでしょうか。見える世界が一つ変わった感じがしませんか?
今のあなたなら、
「こいつ絶対狼!自信ある!」こんなことを言い出す霊能者はクソだと分かるはずです。
「占い師がいなくても推理で狼見つければ勝てる!」こんなことを言い出すやつがいたら、
「ああ、こいつは人狼ゲームのことなんも分かってないんだな」と、思えるでしょう。
最後まで読んでくれてありがとうございます。それでは。
(質問などあればコメントでお願いします。)
・おまけ:他の役職の話
占い師以外の村側の役職がどういった役割を持っているのか、少しだけ書きます。
この記事の内容を理解できる人なら、ここを見なくても少し考えれば分かることですが、答えがあった方が理解が深まるでしょう。
まず霊能者ですがこれはゴミです。霊能COして指定することができる能力を持ってるだけの市民と考えていいです。
どうゴミなのかというと、霊能者というのは「村人に推理させない力」がほとんどありません。
霊能者自身の役職COによって、人狼候補を一つ削るのがせいぜいです。
占い候補が複数いる場合、例えばその占い師が出した黒を吊ることで霊能結果によってその占い師が破綻するかどうか確認する、といった仕事もありますが、これが実際に機能することはなかなかありません。
なぜかというと、狩人が護衛しなければいけない対象が二人いるからです。
霊能者が噛まれたら当然霊能結果は村に落とせないので破綻しているかどうか判定できませんし、霊能者が噛まれなかったとしても代わりに噛まれたのが真占いなら何の意味もありません。
その時点で占い師の機能が停止しているからです。
もちろん狩人が護衛成功した場合は霊能結果が有効に機能します。
それ以外だと、占い師が死亡して占い結果に頼れない状態になった時に、吊った人の霊能結果からラインを考察する、なんて役割もありますが、考察しなければいけない時点でクソです。
霊能者の能力は死人にしか発動しないので、グレーを吊った場合、霊能結果が白だろうが黒だろうが、確定で誰が人狼か分かることはありませんし、確定で誰が村人か分かることはありません。
総括すると霊能は占い師のおまけくらいの価値しかありません。
限られた状況でのみ占い師の真偽判別に役立ちますが、それ以外は常に霊能COして指定できるだけです。
次に狩人ですが、こちらは二つの役割があります。
一つ目は占い師の保護。占い師は最強の役職ですが噛まれたら死ぬという欠点を抱えているのでそれを解消することでより最強、というわけです。
二つ目は平和を起こして縄を増やすこと。生存人数が偶数→奇数に切り替わる平和を起こすと消費できる縄数が一つ増えます。人狼候補を追加で1つ削ることができると考えても良いです。
占い候補が二人以上いる場合に霊能者を護衛する狩人は結構いますが、基本的にリスクの割にリターンが小さいので避けたほうが無難です。
占い師が噛まれたら推理しなければいけなくなりますし、霊能者が噛まれてもそれほど困らないからです。
ただし平和によって縄を増やせる場合や、増やせない場合でも2回平和を出せる期待がある場合は別です。
よく"狩人の仕事は噛まれてはいけない人を守ること"と言いますよね。
これは正しいです。
重要なのは噛まれてはいけないのは誰か、という部分で、だいたいの場合それは占い師になります。なので占い師を護衛しておくのが無難。
ただ狩人は縄を増やすことができるという唯一無二の能力を持っていて(狐配役での占い師もだけど)、これが上手くいった場合占い結果を1つ落としたのと同等以上の価値が生まれます。
狩人で護衛先を決める時のコツは"平和を出すことに価値があるかどうか"を考えることです。平和によって縄を増やせるなら少し攻めた護衛先にしても悪くないです。