好きな食べ物が答えられない
大学4年生になり最近は減ってきたが、自己紹介をする場面は多々ある。
その中の無難な(とされている)テーマとして好きな食べ物があるが、これがなかなか難しい。
第一、ドラえもんでいうどら焼きみたいに、何がなんでもこれが好きでたまらない!みたいな好物がある人なんているわけがない。そういう人は嘘をついていると思う。
好きな食べ物なんてその時の気分で変わってしまうものだ。
それを自己紹介で発表してしまうとこれからも同じ熱量で好きで居続けなくいけないような気がしてしまうのである。
例えば、僕は寿司が比較的好きであるが、月に1回食べられれば満足である。「お前寿司好きなんだってな」と毎日寿司を食べさせられたら、4日目ぐらいに肉をくわせろバカヤローと言って、ワサビをソイツの眼球に擦り付けてやると思う。
また、これはずっと好きだろうなという食べ物は、大抵の人は好きなのである。
例えば、寿司や焼肉なんて嫌いな人の方が少ない。
自己紹介で、「焼肉が好きです!」なんて言っても、当たり前のことを堂々というおバカさんだと思われるのがオチである。
ではあまり王道でないものに言おうとすると、キャラ付け感が増してしまい、なんとも恥ずかしい。
高級→金持ちぶってる
ゲテモノ→無理してる
長文横文字→気取ってる
スイーツ→可愛い子ぶってる
家庭料理→偽善者
バナナ→ゴリラ
尻子玉→カッパ
と思われるのではないか。(そんなことはない)
じゃあどうすればいいのだ。
一応僕の中で正解のようなものはある。
まずは自分から好きな食べ物は発表しないことである。
そして、会話の流れや質問によって発表せざるを得ない場合に、
相手「好きな食べ物はなに?」
自分「うーん、そうですねえ」(少し考える。あまり考えすぎてはいけない。用意している感を消せる程度で十分)
自分「なんだかんだ言って、(軽くためる)焼肉ですね」
これが正解である。パチパチ(賞賛の拍手)
そうなのだ。この「なんだかんだ言って」がポイントなのである。
「なんだかんだ言って」という言葉を付け足すことで、焼肉という安易且つ王道の回答が深みを持つのである。
ただの「焼肉」では、他の食べ物を知らなさそうであるが、「なんだかんだ言」うことで、全ての食べ物を食べた上での感想ということになるのだ。
これが正解なのであるが、イチイチこんなことを考えるのは非常にメンドクサイ。そして会話もあまり盛り上がらない。
好きな食べ物を真剣に聞いてくる人なんていないのだから、勝手にテーマを絞って、寿司の中だったらとか、焼肉かステーキだったらみたいな所で会話したほうが盛り上がるんじゃないかな。