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エドゥアール・マネ / メトロポリタン美術館
思ってた曲と違う
カラオケというと、8トラックのカセット、レーザーディスク、通信になっても入力するリモコンが少数しかない時代を経て、いまやタブレット様の端末で自分で曲を選択する時代になった。カラオケだけでも大きく技術が変わってきたことを思う。
レーザーディスクの頃はもちろん、通信方式になってもしばらくは、分厚い冊子で曲名を探し、固有の曲番号を入力して選ぶ方式だった。上司とカラオケスナックに同行したときは、番号をメモした紙をカウンターに運ぶことが、部下の役目のひとつでもあった。
同じタイトルの曲があったり、番号の入力をミスすると、全く知らない曲が流れることになる。イントロが流れても誰も歌い出そうとしない、「この曲知らない」、「誰が歌うの」という、その場にいる誰もが周りを見渡すなんともいえない微妙な雰囲気をふと思い出した。
あの空気をもう感じることはないんだなと、ちょっと感傷的になりそうになったが、よくよく考えると別に惜しくもなんともないわ。