Good Morning Little School Girl 聴き比べ
この曲はブルース界隈では有名なスタンダードのひとつで、いろんな人が演奏していて楽しいです。歌詞がいきなり「おはよう女学生さん、君の家に行っていいかい」なので、誰が言うかでかなり印象が違ってくるのもニヤッとしどころです。
最初に録音したのは戦前、サニー・ボーイ・ウイリアムソン(戦後に違う人が同じ名前で活躍しており、名前の後ろにⅠ,Ⅱをつけることがあります)とされています。
のどかな、田園地帯の通学風景が浮かびます。
ブルースミュージシャンはいろいろな人が演奏していますが、
私のお気に入りは、ジュニア・ウェルズ『ブードゥーマン・ブルース』に収録されているこれ
田園ではなく、暗い路地裏、怪しくリズムは弾む。ボーカルはねっとり、もう、変なおじさん丸出し。「I'm a school boy, too」って、絶対信じない。
いや、言いたいのはそこじゃなくて、このアルバム、大好きなんです。バディ・ガイがギターを弾いているんですが、ソロで演る時とはうってかわって、バッキングに徹しています。ドラムはタイトで、ベースはときどき妙なラインを弾き出したりして、全体的に音はスカスカなんだけど、なんとも言えない緊張感のある名盤です。
そして、ジョニー・ウインターはその名も熱い『ライブ』から
ドラムのイントロ、2本のギターのからみ、カッコいいんですよねぇ。このアレンジのスクールガールは革ジャン着ておっかないリストバンドしているとおもいます。
アルバム全体が熱気に溢れていて大好きです。
バック・トゥ・ザ・フューチャー主題歌でおなじみヒューイ・ルイス&ザ・ニュースは、彼ららしい安定感のある演奏。
ジュニア・ウェルズっぽいアレンジをベースにしていますが、いやらしさが消えて落ち着きを感じます。スクールガール達の通学路はきれいに整備され、道路脇にはポリスマンがいる。しかし、いい声してるなぁ。
貴公子、ロッド・スチュアートも歌ってました。
アレンジはサニーボーイに近いですが、かなりさわやか。良いとこのハイスクールの悪ぶってるイケメンですよ。ロッドに歌われちゃあ、スクールガールも朝からキャーキャーでしょうな。
ちなみにこれ、ジェフ・ベック・グループに参加する前に、録音されたものとのこと。この曲でシングルデビューしたものの、さっぱりだったそうです。当たり前だけど、歌うまいなぁ。
アルバムは持っていませんが、ウェブで検索して上位にくるのは、テン・イヤーズ・アフター。ウッドストックでも人気を博したバンドです、アルビン・リーの早弾きが話題でした。このカバーがすごく良い!
クリームのサンシャイン・オブ・ラブを彷彿とするようなギターとベースのユニゾン、ボーカルも良い。検索上位はダテじゃない。ここのスクールガールは鼻にピアスしてタトゥーが入ってますね。
グレイトフルデッドも同時代ですが、こちらはモロ、ジュニア・ウェルズのアレンジ。後半は往年のオーティス・レディングっぽく展開していて、あぁみんな同じものが好きで憧れていたんだなと、ニヤけてしまいます。スクールガールもノリノリで踊ってます。
もうひとつ、タジ・マハール。ブルースのミュージシャンです。こちらは、サニー・ボーイ・ウイリアムソンの明るい雰囲気と同系統ですね。牧場の間をスクールガールがてくてく歩いていますね。
ん?!
これ、『帰ってきたヨッパライ』っぽく聴こえませんか?
タジマハールのは1969年、フォーククルセイダーズはシングルを1967年に出しているので関係ないですね。けど、なんだか面白いなぁ。
振り返って、すべての『Good morning little school girl 』演奏で、『帰ってきたヨッパライ』が歌えちゃうんじゃないかと、ひとり妄想。