![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/41283085/rectangle_large_type_2_2984e79b1c52c430766560ba18842dbb.jpeg?width=1200)
管(くだ)としての私
人間は一本の管(くだ)に過ぎないと言った人がいる。
先週、大腸内視鏡検査を受けて、このことを改めて実感した。
内視鏡検査をスムーズにこなすには、大腸をキレイにする必要がある。今回の医療機関で指示されたのは、前夜から下剤を飲み、固形物をあらかた出してしまうことだった。そして、当日は朝から2~3時間かけて腸内の汚れを押し出すために、2リットルの液剤を飲用した。ほぼ水なのだが、腸で吸収されずにそのまま下から出てくる。車のオイル交換で、フラッシングをするようなものだ。
口から飲んだ薬液が、30分ほどすると下から出てくる。これくらいの時間で結果が出ると、口から出口まで一本の管であることを実感する。
いつもは、管の入り口から入ったものが、その途中で、消化されて、吸収されて、カスとして集約されて、出口から出るということだ。
外界から入ってくるのと、外界に出すのと、端的に言ってこの二つの出入り口しかないのだ。ああ、本当に管だよ、管だ、と。
水まきなどで使うホースのことを考えると、たいてい調子が悪くなるのは末端、蛇口との接続や、水出し口といった、酷使される部分だ。たまにホースの中程に穴が開くこともある。
これは、我々の身体も同じだろう。たいてい真っ先に調子が悪くなるのは、口元か、尻元だ。今回の検査でも、多数のトイレ通いを強いられたため、管の出口は悲鳴を上げていた。ああ、オレの管よ。
クラゲやナマコは、口しかない。口から食べて、口からカスを出す。人の身体で想像したらとんでもないことになる。細胞分裂からの発生の仕方が、人や動物と違うことは、生物学で習った。彼らは管ではなく、袋のようなイメージか。
人間をはじめとする動物、鳥類、は虫類、両生類、魚類は、全て口と排泄口があり、管に属するとのこと。「先口動物」「後口動物」って分類するヤツだ。久しぶりに生物学用語を思い出した。
ともあれ、人は管(くだ)である。
くだをまくのは、酔っぱらい。
「管を巻く」と書くのは当て字だそうで、この場合の「くだ」は「くだらない」の略だそうだ。
「くだらない」の中に愛が、、、と歌ったのは源さん。
髪の毛にパンを感じたことはなかったな。
今朝食べたパンは、くだ(管)の中にある。