はじめて泣いた物語を思い出した
調べてみたら小学2年生の教科書に掲載されていたようだ。
教科書を読むたびにオロオロ泣いていた記憶がある。いや違う、自宅か保育所のどちらかにも絵本があって、教科書で見る前に知っていたように思う。
『かわいそうなぞう』である。
大人が読むと、戦争はよくない、というのがメッセージになるのかもしれないけど、子供のころの感情を刺激したのはそういうところではなかったと思う。おぼろげだが、とにかく象がかわいそうで、そして可愛がっていた象を殺さなければならない飼育員の気持ちがツラくて、泣いていたのではなかったか。
教科書で読んで以来、いちども読み返したことがないので曖昧な部分はあるだろう。それでも、その時の読むたびに悲しくなった気持ちはしっかり記憶に残っている。
寿命ではなく死なねばならないこと、または見殺しにすることに対しての率直な感情だったのではないかと思う。
小学校高学年頃には、死ぬことに対してものすごく恐怖を覚えて眠れなかったことがあった。深層心理に、不慮の死への恐怖が植え付けられていたのかも知れない。
ひとはなぜ死ぬのだろう。それを考えると必然的に、ひとはなぜ生きるのかという問いになる。死んだらどうなるのだろうというのも、大きな疑問だった。
特に子供のころはよくそんなことを考えていたなぁ。あなたの知らない世界に夢中になるわけだ。
いつのまに、気にならなくなったんだっけ。
もうちょっと落ち着いたら、久しぶりに動物園へ象でも見に行こう。