ストーブの前で見る派
日が暮れると、職場のトイレの窓からスキー場の灯りが見える。ああ、ナイター営業やっているんだな、灯りがつくとずいぶん近くに見えるもんだと、のんきに考えていた。
ふと、向こうからもこちらの灯りが見えるはずであることに気がついた。そう考えたら気もそぞろになったが、窓の位置から考えて、こちらの下半身が見えるわけではない。いちおうしゃがんで確認して、落ち着きを取り戻した。
こちらから見えているということは、向こうからも見えている。そのことに気付いたのはいつ頃だったろうか。
職場からスキー場まで、車なら5分くらい。その気になれば、昼休みに滑りに行くこともできるし、実際に毎日通う猛者もいた。スキーやスノーボードが好きな人は、活き活きと冬の日を過ごしているのだろう。
ひとはひと、わたしはわたし。寒いのに気張って動いて汗かいて、汗が引いてさらに寒いをするなんて、考えただけで寒いじゃないか。
とはいえ、土地柄のせいもあり冬の競技はなじみ深い。
あたたかいストーブの前で観戦するのは好きだ。だらしない格好でも、向こうからは決して見えないという安心感がある。しかし、一方的に見るだけというのも、よくよく考えると妙な感じがしてくる。
いよいよ始まった。楽しんで、応援しよう。