歓声は心の中で
会場で音楽を聴くのは実に久しぶりだった。
札幌交響楽団の正指揮者に川瀬賢太郎氏が就任し、そのお披露目を兼ねたコンサート。
目の前で演奏される音楽は、やはり素晴らしい。指揮者の熱、演者の息づかいや表情、目で見ながら感じるリズムというのもある。
特に、ホルン界のレジェンド、ヴラトコビチ氏との協奏曲は圧巻だった。おかげで本日、私の中の世界3大ビチが完成した(ヴラトコビチ、ストイコビチ、ジョコビチ)。
拍手をやめたくなかったのは、ようやく目の前で聴ける機会をもてた嬉しさということも、確かにあったと思う。
感想というレベルですらないけれども、まずは聴けて良かったということを記録しておこう。
会場では、自分で半券をもぎって渡し、パンフは手渡しではなく平積み、クロークや軽食はすべて中止、ホール内での歓声不可を周知と、対策が講じられており、安心して鑑賞できた。
演奏が鳴り終わるまえに食い気味に「ブラボー」を言う人がいないのは、静かに余韻を楽しみたいタイプの私にとっては良かった。まだまだいろいろあるけれど、悪いことばかりではないのかもしれない。