透化する世界は等価交換
時の輪が接する場所で巡り合える世界まで旅立っていきましたね。
松本零士様
ガラスのクレアの物語が大好きでした。
男おいどんを読み漁っていた数十年前から、日本ってすごく狭くなったな。。と感じる昨今です。
銀河鉄道999のレコードを何度も聞いていた少年時代に、住んでいた四国の村からは「東京」という場所が遥か遠く、イスカンダルにも似た桃源郷のように感じておりました。
年齢を重ねるにつれて、自力で移動できる距離が伸びていくのはほとんどの方が同じだと思います。
自転車が漕げるようになる 車の運転ができるようになる 飛行機、電車の運賃を支払えるようになる。
少年少女が成長するという事は「行ける場所が増えていく」という事になるのかもしれません。
行ける場所が増えるという事は、今いる場所や世界から視点をずらせるという事でもあると思うのです。
この視点のずれというものが世界観を広げる、視野を広げるという事に繋がるのかもしれませんな。
思えば脚フェチの多い人生を…まちごた。思えば恥の多い人生を送ってきました。
人生にどうしようもなく行き詰っていた20代の頃、手を差し伸べてくれた今の会社の面接に行くための電車賃が無くて、宝物だった銀河鉄道999のコミック全16巻を古本屋に売って電車賃に変えて面接に行きました。
今、とても日本が狭く感じるのは新幹線のスピードが上がったとか、飛行機に乗りやすくなったとか、それだけの理由ではない気もします。
遥かなるイスカンダルを目指してコスモクリーナーを手に入れるための旅路の中、あるのかないのかわからない桃源郷を目指して、未だに走り抜けている日々を送っている日本人がほとんどなのだとも思います。
俺の旗の下に俺は自由に生きる キャプテンハーロックの様には生きられないと悟りながらも、どうにかこうにか似たような志を持った振りをして暮らしていくのが精いっぱいなのかもしれません。
神明が少年だった頃からはずいぶんと交通網と情報網が発達し、あらゆる場所に行く手段と、あらゆる事を知る手段が身近にある現代。
でも、手段が増えただけで活用するチャンスを掴みとる為に、背中を押してくれる力が必要なのだと思います。
少年少女たちには。
それは影響を受けた漫画だったり、身近な親だったり。
自分以外の誰かや何か。
誰しも大なり小なり道は踏み外すでしょう。脚フェチの多い人生…まちごた。恥の多い人生を送ってきた余も例外ではありません。
むしろだいぶ道は踏み外してきたと自覚しております。
でも、あの時古本屋に売った銀河鉄道999全16巻で得た数百円がなければ、今の立ち位置はきっと得られなかった。
偉大な作家の作品というものは、あらゆる意味で力を分け与えてくれるものですね。
合掌なのでございます。