【記者日記】カジノ中止を求める抗議行動に参加
編集部 かわすみかずみ
4月17日 大阪市中之島フェスティバルホール前で行われた万博·カジノに反対する府市民の抗議行動に参加した。
この行動は夢洲カジノを止める大阪府民の会が主催し、府内から約80人が参加した。
それぞれに手書きのプラカードや夢洲の地図と危険なポイントなどを示したボードを持ち、通行人などにアピールした。
この日はフェスティバルホールで万博開催1年前の記念イベントが行われるため、反対する府市民が集まった。交差点の4つのブロックに立ち、通行人に万博工事中の爆発事故が掲載された東京新聞の記事のコピーやビラを配った人たちもいた。
府民の会は、4月10〜12日に大阪市役所前で連続の座り込みも行っていた。だが、取材に来るメディアは少なく、府民には不満が残った。
また、3月28日に夢洲一区の工事中に起こったガス爆発事故についても、記事化したメディアの多くはユーチューブメディアやフリージャーナリストだった。
この爆発事故はトイレの工事中に溶接で散った火花に地中のメタンガスが引火したものと言われているが、府市はその原因も未だに公表していない。事故の写真は1枚だけで、各社同じ写真を使っての報道だったようだ。紙面の中でも小さく扱われ、目立たないようになっていたという市民もいた。
抗議行動のアピールでも在阪メディアの忖度に憤る声が上がっていた。
抗議行動に参加した男性は、「座り込みでNHKの取材を受けましたが、爆発事故についての発言を切り取られていました。おそらく上層部から流さないようにと言われたのだと思います」と発言した。府民の会は在阪メディアに対して、万博やカジノの報道を公正にするよう、要望書を出した。だが、万博やカジノで巨大な利権を手にする関西財界や大阪維新の会のメディアに対する圧力はすさまじいようだ。
また城東区から参加した女性は「街ゆく人に爆発事故を知っているか尋ねました。145人の回答者のうち半数は知らなかったんです。これはメディアが伝えていないからですよね」と憤った。
教職員や退職者で作る労働組合の男性は「学校ごとに万博に行けというが、爆発事故が起こった場所に、安全に子どもを連れて行くことはできません。わたしたちは、大阪市教育委員会と、この点について交渉していきます」と発言した。
最後は集まってコールを響かせた。
「万博カジノ中止!」「子どもたちを万博に連れて行くな!」約80人のコールは圧巻だった。
大阪市のホームページで夢洲爆発事故について検索したが、全く関連事項は出てこなかった。府市の定例会見でも質問は出てこないと参加者のある男性はいう。府民の会は子どもたちを万博に連れて行かないよう要望を出し、大阪市に爆発事故についての質問状も提出している。
また、豊中市、此花区などは学校を一校づつまわり、校長に爆発事故の事実を伝えるなど地道な活動を始めている。
ある校長は「それは知りませんでした」とびっくりした。またある校長は「学校単位ではいかないと決めました」と言ったという。
府市民の闘いは多岐にわたり、多くの人がフル回転だ。だが、子どもたちを危険な場所に行かせるわけにはいかないと懸命に活動する。
大手メディアが報道しない中で、万博·カジノの巨悪を暴き続けてきた府市民のたゆまぬ努力とあきらめない姿勢に心打たれる。