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【続く政府との闘い】在ミャンマーの活動家にインタビュー 空中から自国民を虐殺する軍事政府のテロ
4月12日 「デモクラシー・ナウ!」
エイミー・グッドマン(米のジャーナリスト、コラムニスト。
「デモクラシー・ナウ!」共同創立者)
翻訳・脇浜義明
グッドマン…今日は、ビルマの軍事政権による空爆での民衆虐殺を取り上げます。ビルマ軍は、4月11日に市民集会を空爆、推定100人(うち、子ども30人)を殺害しました。アル・ジャジーラやBBCがネット配信で、その痛ましい映像を伝えました。軍は民衆のレジスタンスを弾圧するために空爆で学校や診療所を狙い、地上では大量逮捕、拷問、殺害、メディア弾圧を繰り返しています。
今日はビルマの活動家で『ミャンマー軍空からテロ、地上では斬首』の著者マウン・ザルニさんと話します。
まず、最近のビルマの状況を聞かせてください。
ザルニ…2年前のクーデター以降、民衆は武装してレジスタンス運動しています。そのため軍は地上では押され気味で、空爆を頻繁に行うようになりました。
ほとんどの人々が、レジスタンスに関わっています。
軍は、テロで民衆を必死になって威嚇しています。昨日は私の故郷のパジジという村で、村人が地区行政サービス事務所を開設し、その開設式に800人が集まりました。軍はそれを知って空爆したのです。民間人を標的にした攻撃であり、だから私は「空からのテロ」と言うのです。
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──アムネスティ・インターナショナルは、「ビルマへの航空燃料の販売を停止すべきだ」という声明を出しましたね。どこが航空燃料を供給しているのですか?
ザルニ…シンガポール、タイなど、アセアン諸国です。何としても止めるべきです。
しかし、問題は航空燃料だけではありません。3つ問題があります。
一つは、国連安保理事会が何ら効果的行動を取らないことです。安保理は麻痺した機関です。
第2は、中国が「軍事政権支持」を打ち出していることです。民主主義派レジスタンスと言えば、概念上、「米国やEUが背後についている」と思うからでしょうか。
第3は、地元のアセアンの沈黙です。昔、カンボジアの大量殺戮のときもアセアンは何もしませんでした。また、40年後のロヒンギャ族虐殺のときも沈黙しました。
そして今、アセアン加盟国のミャンマーが自国民をロシア製武装ヘリコプターで虐殺しているのに、やはり何もしません。西側民主主義も、我々の民主主義レジスタンスを支援してくれません。ウクライナでは過剰なくらい支援しているのに。
──「ミャンマー」は軍事政権の造語なので、私たちは「ビルマ」を使っていますので、ご了承ください。他にどんな国がビルマ軍を助けているのですか?
ザルニ…タイ、インド、中国が、さまざまな戦略的競争や経済的競争関係の配慮から、軍に協力しています。同じことが、西側企業にも言えます。
例えば米国、カナダ、英国、EU、オーストラリア、日本の企業です。
その状況は、帝政ロシアと同じです。帝政ロシアを経済的に支えていたのは、フランスの銀行と英国の政治・経済的利害関係企業でした。そうした状況下で、ロシア革命がありました。
我々のレジスタンスは、ロシア革命みたいなものです。
大変厳しい闘いですが、国連も助けてくれません。ビルマ人の間には、国際社会に対する怒りと不満があります。
しかし、60年間も続いてきた軍事独裁に服従するわけにはいきません。みんな闘っています。
女性も爆弾作りをやり、破壊工作に従事しています。
若者、ジャーナリスト、医者、技術者、文字通り何千人もの人々が武装抵抗を行い、それを家族ぐるみで支えています。1940年代にナチと闘ったパルチザンと同じです。
──2年前に米政府は、米国にあるビルマ資産が軍将軍の手に渡らないように凍結しましたね。10億㌦以上あります。それをビルマ人民に流す方法はないのでしょうか? 米国は凍結した我々の資産を、レジスタンスに返すべきです。
ザルニ…ええ、クーデターから10日ほど経ってから、バイデン大統領が資産凍結を発表しました。アウンサンスーチーの文民政府が米国の金融機関に預けた金で、それはビルマ人民の財産です。
それを我々レジスタンスに返して欲しい、と言っているのです。
米政府はウクライナに500億㌦以上を支援しています。我々もロシア製武器で武装したビルマ軍と闘っているのに、西側からの軍事支援はありません。私たちは、ウクライナみたいに米国民の納税金で支援してくれ、と言っているのではありません。
「我々の金を、我々に返せ」と言っているだけです。空腹ではレジスタンスができませんし、火炎瓶だけでは有効な闘争ができません。
ミャンマー軍は、ロシアのミグ29戦闘機や武装ヘリコプターと中国製兵器を持っているのです。我々も同じレベルの兵器が欲しいです。軍のジェノサイド、軍の人道に対する犯罪を止めるためにも、兵器援助や金銭支援が必要です。
バイデンは資産凍結を解いて、それを我々に回すべきです。
バイデンはソウルの民主主義サミットで演説したとき、一言もミャンマーに言及しなかったが、ウクライナ人民の勇気を褒めたたえました。
ウクライナの同志が西側の支援受けているのは喜ばしいことですが、同じように、我々も支援すべきです。
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(人民新聞 2023年6月5日号)
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