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【選挙対策?】立命館大学の新校友会長に現職の京都市長が就任 学問の自由・公正な選挙が揺らぐ可能性も

京都市中京区にキャンパスを構える、有名私立大の立命館大学。建学の精神は「自由と清新」で、教学理念には「平和と民主主義」を掲げている。

そんな立命館大学の新しい校友会長に、現職の京都市長である門川大作が選ばれた。校友会はいわゆるOB会にあたるもので、一般的にはその学校の卒業生を中心に組織されるネットワークを言う。

校友会長就任についての意気込み(校友会ホームぺージより)

来年の市長選に暗雲垂れ込める門川体制

門川大作は1950年の京都市中京区生まれ。69年3月に市内の定時制高校を卒業したのち、京都市教育委員会に就職し、働きながら立命館大学法学部第二部を卒業した。2001年に京都市教育長に就任し、07年に退職後、市長選に出馬して初当選した。以降は自民党や公明党はもちろんのこと、民主党や果てには社民党までも含む与野党からの推薦を得て現在4期目を迎えている。4回の選挙では毎回、共産党推薦の無所属候補と戦ってきたが、いずれも接戦の末に門川が勝利してきた。
今後の進退は明言しておらず、来年3月に迫る市長選での出馬にも含みを持たせている。そんな、いつまでも市長の座にしがみつこうとする門川に対して自民党府連はしびれを切らした。今年の1月に、京都府連会長の西田昌司参院議員が、次期市長選に門川が出ても推薦しないことを発表した。西田自身は「政令市長選の推薦を原則3期までとしており、門川氏の4期推薦は異例だった。例外的な推薦を何度も続けるわけにはいかない。代わる人に出てもらうのが筋だ」と発言している。門川は5期目を前にして逆風が吹いている現状を見て、母校を使って支持者集めに踏み出したのかもしれない。
https://www.sankei.com/article/20230107-6HL6ULIM5ZJVNO2XBJT4LQBWWQ/

また、調べたころ立命館大学校友会の前会長は村上健治氏という経営者だった。大和物流・ダイワラクダ工業代表取締役会長をしている。2004年から2011年には、大和ハウス工業元代表取締役副会長・社長を務めた人物だ。当たり前だが、政治家などではない。

校友会のホームページでは、校友会の活動内容について以下のように書かれている。

現役学生への支援として校友会奨学金の給付事業、学生諸活動支援、就職活動支援などを行っています。

これからは門川の名の下で、現役学生に奨学金の給付が行くことになる。おそらく立命館大学のうち少なくない在学生が、京都市内に住んでいることだろう。奨学金を通して好感を抱いた学生は、市長選で「門川大作」と書くかもしれない。これは間接的な有権者買収にあたる可能性が高い。

「政治への影響はない」 立て板に水の回答

これらの懸念を受け、校友会の事務局へ電話取材を行った。窓口の担当者に門川の校友会長選出理由を聞くと、「リーダーシップを取れる」ことと「母校支援をしていただける方」という理由を挙げた。校友会長就任は6月3日の幹事会で決定されたと言った。
「選挙の公平性を欠くのではないか」という質問に対しては、「会長の業務は政治とは関係ありません」「政治への影響はない」という断言するかのような回答だった。立命館大学は京都市内に設置されており、下宿などで市内に住む現役生徒の票が期待できることは言うまでもなく、卒業者でも市内に家を構えている人もいるだろう。少なくとも、選挙において校友会長になることはプラスでしかないのだ。
「門川市政を批判しにくくなり学問の自由が侵害されるのでは」という質問には、「学問の自由はなくなりません」と答えるのみだった。

政令指定都市の現首長の校友会長就任という、前代未聞の人事がこのまま承認されてしまえば、学問への政治の介入はより露骨なものとなっていく。ましてや京都市は、財政破綻の危険性や、オーバーツーリズムと言われる観光公害など、問題が山積みの状況だ。今後も注視していく必要がある。

校友会報「りつめい」

※質問・異議申し立てはこちらへ
[ 立命館大学校友会事務局 ]
〒604-8520 京都府京都市中京区西ノ京朱雀町 1
電話番号:075-813-8216
https://alumni.ritsumei.jp/procedure/info/contact/

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