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The Vapes にシビれる。

 マジで感動した。スゲーと思った。何かとんでもないものを目撃した気がした。そしてThe Vapesは自分にとって重要なアーティストになった。

 2024/4/15 渋谷サイクロンで行われたThe Vapesというバンドのライブに足を運んだ。このバンドのライブは4度目になる。

 このバンドを知ったキッカケは、私が応援しているアーティストさんとつながりがあったこと。ライブに足を運んだのも。その流れでだった。曲も演奏も好みだったし、ちょっと気になるバンドになったのは間違いない。じゃあ、好きになったのかといえば、そこまでじゃなかった。今回も応援しているアーティストさんに大きな動きがあって、そのご挨拶もかねてという感じもあった。

 このバンド、ドラムがバツグンに素晴らしくて好きだ(これは第一印象から変わらない)。ギターもベースもNanaさんのボーカルもいいと思う。ただ、これは自分の感じ方の問題か、体験したライブのタイミングの問題かもしれないれけれど、なんか「4人の演奏」でガツ!っとくる感覚が少なめなこと、ちょっと物足りなさを感じていた(上から目線な文章で申し訳ない!)。「今日はベースがよかった」「今日はギターがよかった」はあった。でもバンドでドンと来る感覚というか。せっかくドラミングでエンジンがかかっても、そこからの+αをなかなか感じられなかった。

 ちょっと厳しいことを書くけれど、自分にとって「当たり!」の演奏をライブハウスで体験するのって、それほど高い確率ではないと思っている。若い頃もそうだったし、年とってライブハウスなんてほとんど行かなくなったら、さらに確率は低くなる。一番多いパターンは「楽しそうにやってるなぁ」で、ライブ自体は楽しませてもらえばいいわけだから、それで充分だとも思っている。けれどやっぱりビビッっとくる演奏、スゲぇと感じるアーティストに出会いたい。という欲求もある。しかしライブはハズレの方がむしろ多い。これにはいろんな理由があると思うけれど、やっぱりそこには「すっごい人たち」と「そこそこの人たち」との間にある壁が存在していると思っている。だからThe Vapesについてもライブは楽しかったけれど・・・だった。※余談だが、この5年間でライブハウスで「うわ! すげえ!!」となった数少ないバンドはThe Muddiesだった

今日は違った。

 自分の体験からイメージするThe Vapesのライブじゃない。進化とかの表現ではないレベル。最初のサウンドチェックの時から「!」ってなった。そして開演。このバンド、こんなスゴかったっけ?! 芸人の世界で言えば「化けた」というレベルである。

 ドラムが刻むリズムはいつもながら素晴らしいのだが、今日はそこにベース、ギター、ボーカル、それぞれがバンドのピースとしてピタッとハマっていた。このドライブ感はたまらない。そしてそうそう味わえるものではない。しかも今日はどの曲もよかった。30分があっという間、それどころかもっと聴いていたかった。バンドの成長ってすげーな!

 Nanaさんのボーカル、すっごくよかった。このバンドの「魂」の部分はNanaさんに負うところが大きいと思う。本当の意味でのフロントマン。今回はそれが演奏とガッチリ噛み合っていたし、そこに余裕が感じられた。語弊があるかもしれないけれど、パフォーマーはオーディエンスのために余白を残すことが大事だとアマチュア落語家でもある私は思っている。それをしないとオーディエンスはパフォーマンスの中に入ってこられず、他人事としてしか受け取ることができず、心が動くことがない。今日のNanaさんのパフォーマンスはいつものパワーに加えて、「もっとやっちまえ!」と聞いている人を引きこんでしまうような魅力があったと思う。

 なんかエラそうに書いてしまった気がする。不快に感じさせたら申し訳ない。私はただのオジサンだし、音楽に造詣が深いわけでもない。ただ何とかこのライブで自分が感じたスゴさについて理解してもらいたいだけである。だからそんなオジサンだからこその魂の叫びを聞いて欲しい!

 オジサンになると感性は鈍くなる。悪いけれどはっきりいって鈍感になる。だからちょっとやそっとじゃ心なんて動きやしない。ましてや音楽でも、である。そんなオジサンをここまでロックさせた。それだけでもスゴいと思う。

♪ああ、ぼくは今、生きててよかった♪

次? もちろん行きますよ。このレベルが体験できるんだったら喜んで。毎回じゃなくてもできるだけ。そんなアーティスト。みなさんもぜひぜひ。


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