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Before you Believe vol.47(2025/02/18)

 たまきさんのライブに足を運んできた。今回もとてもこぢんまりした会場。弾き語りの方が揃ったライブだったが、今回は残念ながらたまきさんの演奏だけで退出。

Before you Believe vol.47
2025年2月18日(火) 18:45開演
場所:幡ヶ谷36°5

<セットリスト>

  1. はなまる

  2. 消えない

  3. ※題名未定

  4. 愛と執着

  5. ありったけ

  6. いい感じのシンガーソングライター
    ※初出に誤りがありましたので訂正しました

 今回は6曲中3曲がライブ初お披露目というチャレンジングなセットリスト。そのせいもあってか、前回同様、撮影の手を止めて聴き入ってしまっていた。

 今から思えばなのだが、私が休止前にたまきさんの魅力として感じていた部分は、おもにシンガーとしての表現力だった気がする。自作曲ももちろん好きだったけれど、その当時の活動で聴く機会としては圧倒的に「歌ってみた」系が多かったからだと思う。

 活動再開後、たまきさんは自作曲を披露される機会が増えた。配信の時に、まだおおまかな感じの段階で演奏される時もあった。自分の受け止め方は様々なんだけれど、今回の「消えない」のように、初めて耳にした時にすごく印象に残る曲もある。「はなまる」も初めて配信で披露された時に、やっぱり強く印象に残った曲で、それがCDに収録され、ライブで披露されるごとに、どんどんたまきさんの本当の意味での持ち歌になりつつある。そんなこともあってか、今は、たまきさんのオリジナル曲の方に強く関心をもっているかもしれない。

 たまきさんも降りてくるという表現を使ってるけれど、曲作りはアーティストにとってはやっぱり大変なことなのだと思う。ただ、たまきさんが活動再開後に披露している曲たちは、間違いなくたまきさんならではの世界なんだけれど、活動休止前の曲たちとは、ちょっと印象が違う。うまく説明はできないのだけれど、あえて表現すると、メロディの方が印象の違いが大きく、それもあってか歌詞の届き方がダイレクトになった気がするのだ。余談だが「消えない」のとある言葉が、ここまで私の心に刺さるとは思わなかった(汗)

 もうひとつ違うのは、活動再開後、毎回演奏が完全な生演奏だということ。休止前はバックに演奏部分のトラックがあってのパフォーマンスだったが、再開後はアコースティックギター1本での弾き語りだ。これも歌詞がダイレクトに届く要因になっている気がする。また、活動再開後、たまきさんの音楽からは、「歌いたい」「聴いてほしい」という衝動を感じると同時に、たまきさんの「私」が滲んできているように感じることがある。それがきっと私を、曲の世界に聴き入らせている気がする。今日は「はなまる」が最初の曲になってビックリした。「消えない」の演奏の時に、たまきさんがグッと胸迫ってらっしゃる様子が感じられた。「愛と執着」が今まで一番ドラマチックに聞こえた。曲の印象が毎回大きく変わる。これが楽しい。ライブならではだと思う。たまきさんのライブがほぼ月イチペースなのもあって、アーティストたまきの「変化」「日々」が毎回感じられる。

 自分はアマチュアとして落語をやっているが、落語は音楽以上にライブな芸だ。原則として寄席では演目が事前に公表されない。そもそも決まってないのだ。自分より前の演者の演目、客席の反応や雰囲気をふまえて決める。演者の芸自体もレベルの違いはもちろんあるが、日によって印象が全然違うことがある。ひとりの落語家を追いかける楽しさ、今の自分に合う芸をされている落語家を見つける楽しさ。それが落語たる所以でもあり、楽しみでもある。

 だから、たまきさんもひょっとすると1回だけ歌っただけでもう歌わくなる曲も出てくるのかも知れない。でもそれでもいい気がする。もったいない感じもしなくはないけれど、歌いたい曲を歌いたい時にやる。その方が今のたまきさんのスタンスにあってるのではないだろうか。

 たまきさんの表現はどうやって生まれるのだろう? たまきさんの音楽はどこからやってくるのだろう? そんなことも時に考えながら、アーティストたまきが作る音楽やライブをこれからも楽しみたい。

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